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スワローズファンのためのトレード答え合わせ②【2016~2017】

第1弾に引き続き第2弾となります。今シーズンは今のところトレードの動きはありません。最近のトレード選手である宮川哲投手には一軍のブルペンを支えてほしいし、二軍で無双中の阪口投手には一軍のローテに割って入ってほしい。一方、ライオンズの元山飛優はチャンスを活かせずにいるし、ベイスターズの西浦直亨は全然もう一花咲かない…。大志は相変わらず大志。応援してるんだけどなあ。

ちなみに第1弾はこちら。

いくつか前提

①基本的にはトレードを実施した球団での成績を参照します。トレードの前の前やトレードの後の後の所属球団がある場合は考慮しません。
②勝ち負けをつけてみるという企画ではありますが、選手個人に対してはもちろん応援のスタンスです。来たからにはがんばってほしいし、行った先での活躍も気になります。
③その勝ち負けは当然ながら筆者の独断と偏見によるものとなります。

杉浦稔大⇔屋宜照悟

(対ファイターズ2017年7月)

【トレード前】

杉浦稔大(S)
年数:4 試合:33 先発:21 勝利:6 敗戦:8 H:0 S:0
投球回:116.2 奪三振:107 WHIP:1.59 防御率:4.95

2013年ドラフト1位入団の杉浦稔大。背番号は18。間違いなく期待のエース候補だったわけです。2014年右肘靱帯断裂。2015年右肩痛。2016年腰痛。2017年右肩痛。コンディションさえ整えば、キレのあるストレートを武器にそこそこのピッチングを披露するものの、そのコンディションが全く整わない。スワローズのガラスのドラ1の系譜を受け継いでしまった投手でした。

屋宜照悟(F)
年数:5 試合:21 先発:0 勝利:3 敗戦:0 H:1 S:0
投球回:29.2 奪三振:14 WHIP:1.49 防御率:5.17

2012年ドラフト6位で入団の屋宜投手。ファイターズの5年間で一軍で投げたのは2013年と2015年。特に2015年は18試合に登板し防御率3.96とまずまずの結果を残していましたが、基本的にはファームの投手。一軍のチャンスをつかめずにいました。

【トレード時】

真中監督3年目、あの96敗の年です。杉浦投手は大卒4年目、屋宜投手は大卒社会人を経て5年目のシーズン中です。トレードは7月に行われましたが、すでに最下位独走。14連敗を経てのタイミングでした。杉浦は右肩痛で離脱中。すでに戦力にはなっていない状態。屋宜投手は一軍登板はないもののファームで好投を続けていました。

当時は屋宜投手はもう少しファイターズで実績があったような印象なのですが、振り返ってみるとそこまでではないですね。珍しい苗字ですし印象に残っていただけなのかもしれません。感想としては「本当に杉浦放出でいいの?」です。ケガでまともに投げられないとはいえドラ1投手を出してまで中継ぎ補強に動くべきだったのか。ケガにより杉浦投手のポテンシャルを諦めたとしか思えませんでした。あるいは逆に杉浦投手への温情だったのかもしれません。杉浦投手は北海道出身です。

【トレード後】

杉浦稔大(F)
年数:6 試合:130 先発:39 勝利:19 敗戦:19 H:1 S:29
投球回:272 奪三振:268 WHIP:1.16 防御率:3.54

トレード1年目は右肩痛のリハビリに費やした杉浦投手。ファイターズは彼のケガが癒えることに賭けたのでしょうか。コンディションを整えながら先発で結果を残し、この時点ですでにファイターズは賭けに勝ちつつあった中、なんとトレード4年目の2021年にはクローザーとして28セーブの活躍。まさか彼の体でクローザーが務まるとは。恐るべしファイターズ。その後、ここ2年は大活躍とは言えないまでもコンディションと相談しながらの登板を重ねています。

屋宜照悟(S)
年数:3 試合:3 先発:0 勝利:0 敗戦:0 H:0 S:0
投球回:2 奪三振:1 WHIP:4.00 防御率:36.00

一軍での活躍の場がないまま戦力外に。もっと見たかったなあ。

【結論】

完全に負け。賭けの要素がかなり強いトレードだったと思うのですがその賭けに負けました。ドラ1はそう簡単に手放すものではありません。

八木亮祐⇔近藤一樹

(対バファローズ2016年7月)

【トレード前】

八木亮祐(S)
年数:8 試合:55 先発:49 勝利:11 敗戦:22 H:2 S:0
投球回:283.2 奪三振:222 WHIP:1.53 防御率:4.25

2008年ドラフト2位入団の八木投手。ケガもあり入団から3年は一軍登板なし。4年目の2012年に一軍初勝利を挙げると5年目の2013年に26試合に先発し5勝13敗。勝ち星には恵まれなかったものの左のローテーションピッチャーに成長します。続く6年目の2014年も5勝を挙げますが、その後はケガもあり伸び悩み一軍登板を減らします。

近藤一樹(Bu)
年数:15 試合:132 先発:102 勝利:31 敗戦:45 H:1 S:0
投球回:627 奪三振:452 WHIP:1.46 防御率:4.68

甲子園優勝投手として2001年ドラフト7位で近鉄バファローズに入団。後に坂口智隆選手とともに最後の近鉄戦士として取り上げられることになります。近鉄の消滅後はオリックスで2008年から3年連続で20試合以上の先発登板をこなしローテーション投手として活躍します。しかしその後は肘の手術を繰り返し、苦しい時期を過ごすことになります。そしてやっと一軍での先発チャンスが増えてきたタイミングでのトレードとなりました。

【トレード時】

2016年は真中監督の2年目。優勝の翌年ではありますが、7月段階で最下位。上位には引き離されつつありました。先発はそこそこ勝てているのがライアンと石川投手くらい。山中投手もがんばっています。しかし非常に苦しい状況なのは間違いありません。八木投手は高卒8年目、近藤投手は高卒15年目のシーズンです。

近藤投手のイメージは実績のあるベテラン先発ピッチャー。ケガで苦しんだ33歳のベテラン投手がどこまで力を発揮できるのか期待もありつつ半信半疑でした。八木投手もケガで伸び悩んでいるタイミングだったとは言え、近藤投手よりはずっと若い。年齢だけが気になる要素だったように思います。若い八木投手を手放し、今後どれくらい活躍できるかわからない近藤投手でいいのか。

【トレード後】

八木亮祐(Bu)
年数:2 試合:2 先発:1 勝利:0 敗戦:1 H:0 S:0
投球回:7 奪三振:8 WHIP:2.43 防御率:7.71

一軍での登板機会に恵まれないまま戦力外に。その後は軟式野球で活躍されたそうです。野球選手の成長曲線ってつくづく難しいよなあと思います。

近藤一樹(S)
年数:5 試合:215 先発:0 勝利:12 敗戦:12 H:70 S:4
投球回:215.1 奪三振:205 WHIP:1.43 防御率:3.97

トレード初年度こそ8試合の中継ぎ登板に終わり、正直なところ残念感が漂ったところ、トレード2年目の2017年に54登板、2018年に74登板35Hで最優秀中継ぎのタイトル獲得、2019年も59登板と、当初期待された先発ではなく、セットアッパーとして大活躍します。2017年は96敗の年なので、近藤投手の見事な復活がどれほど華々しかったか。あの登場曲、マウンドで舞う躍動感あるフォーム。来てくれてありがとう!何度も思いました。

【結論】

勝ちです。近藤投手の登板がいつも楽しみでした。ちなみに近藤投手はヤクルトスワローズを去った後も四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズでコーチ兼任投手として現役を続けます。2022年、引退発表の直後、同じくこの年限りでの引退となった坂口智隆選手の引退セレモニーではサプライズゲストとして花束贈呈。感動的なシーンも記憶に新しいところです。

ところで最近のスワローズ

★いい状態が全く続かない。セ・リーグで取り残されます。
★奥川投手が心配ながらも希望の星でしかない。
★並木選手のスーパーサブ能力に磨きがかかっていたのに…脱臼だなんて。
★オスナとサンタナの契約延長!お見事!会長への感謝が一つ増えた。


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