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現役ドラフトに実績は関係ないのか?
スワローズは今年の現役ドラフトで柴田大地投手を出し、カープから矢崎拓也投手を獲得しました。
もしこれがトレードだったとしたら、一軍でほぼ実績のなかった柴田投手で、クローザー経験のある矢崎投手を獲得するという、あり得ないトレードだったということになります。(実際は柴田投手はカープではなくイーグルスに行きます。)
現役ドラフトはブラックボックスの中で行われますし、年齢、伸びしろ、チーム戦略、ポジション、などなど、ファンには窺い知れない、いろいろな要素が絡むのは承知の上ですが、どうしてもファンに見えやすいのは、選手の「実績」です。今回は、その「実績」にフォーカスして現役ドラフトを振り返ってみたいと思います。
実績ランキング
まずは今年の現役ドラフトで移籍する選手たちの実績をランキングにしてみました。
①畠世周投手(G)
試合:119 勝:19 負:12 H:19 S:2 防御率:3.21
②上茶谷大河投手(DB)
試合:121 勝:20 負:23 H:5 S:0 防御率:4.12
③矢崎拓也投手(C)
試合:149 勝:8 負:6 H:37 S:25 防御率:3.65
④本田圭佑投手(L)
試合:138 勝:12 負:21 H:32 S:0 防御率:3.82
⑤浜地真澄投手(T)
試合:126 勝:6 負:5 H:27 S:0 防御率:3.49
⑥平沢大河選手(M)
試合:306 打率:.190 出塁率:.294 本塁打:10 打点:57 盗塁:13
⑦山足達也選手(Bu)
試合:283 打率:.195 出塁率:.257 本塁打:4 打点:23 盗塁:10
⑧鈴木健矢投手(F)
試合:83 勝:9 負:8 H:5 S:0 防御率:3.27
⑨石垣雅海選手(D)
試合:131 打率:.136 出塁率:.162 本塁打:4 打点:8 盗塁:1
⑩伊藤茉央投手(E)
試合:31 勝:1 負:0 H:4 S:0 防御率:4.23
⑪田中瑛斗投手(F)
試合:10 勝:1 負:4 H:0 S:0 防御率:6.00
⑫吉田賢吾捕手(H)
試合:11 打率:.185 出塁率:.179 本塁打:0 打点:2 盗塁:0
⑬柴田大地投手(S)
試合:2 勝:0 負:0 H:0 S:0 防御率:6.00
もし現役ドラフトをトレードと捉えたら
もし、現役ドラフトをINとOUTの単純なトレードと捉えてみた時に、実績のみの評価でプラスかマイナスか分けると、以下のようになりそうです。
<実績的には間違いなくプラス>
福岡ソフトバンクホークス
IN ②上茶谷大河 OUT ⑫吉田賢吾
東京ヤクルトスワローズ
IN ③矢崎拓也 OUT ⑬柴田大地
阪神タイガース
IN ①畠世周 OUT ⑤浜地真澄
ホークスとスワローズは実績で比較すれば大勝ちです。浜地投手も実績はあるので微妙なところですが、畠投手の先発経験と防御率を買って、いちおうここに分類しました。
<実績的には同じくらいの選手の交換>
中日ドラゴンズ
IN ⑩伊藤茉央 OUT ⑨石垣雅海
埼玉西武ライオンズ
IN ⑥平沢大河 OUT ④本田圭佑
オリックスバファローズ
IN ④本田圭佑 OUT ⑦山足達也
ほぼ知らなかったのですが、山足選手が渋く一軍出場を続けていた選手だということを今回の調査で知りました。
<実績的にはたぶんマイナス>
横浜DeNAベイスターズ
IN ⑤浜地真澄 OUT ②上茶谷大河
広島東洋カープ
IN ⑦山足達也・⑧鈴木健矢 OUT ③矢崎拓也
読売ジャイアンツ
IN ⑪田中瑛斗 OUT ①畠世周
北海道日本ハムファイターズ
IN ⑫吉田賢吾 OUT ⑪田中瑛斗・⑧鈴木健矢
東北楽天ゴールデンイーグルス
IN ⑬柴田大地 OUT ⑩伊藤茉央
浜地投手、山足選手、鈴木投手には一軍での実績がありますが、上茶谷投手の先発経験、矢崎投手のクローザー経験を実績としては上と見ました。
でも先のことはわからない
実績という側面だけで捉えた場合はこのようになりました。各球団のプロたちが、どれくらい実績を重視して選手を出しているのか、獲っているのかは素人にはわかりませんし、実績以外のプロならではの要素の方が大きいようにも思います。そして来期以降に実績など関係ない結果が待っていることも十分にありえます。
最初の2年間はどうだったのか
では現役ドラフトの最初の2年間はどうだったのでしょうか。これまでの実績で分類した上で、移籍後どうだったのかコメントしてみます。
<一軍でレギュラークラスの活躍をしていたタイミングがあった選手>
梅野雄吾投手(23・S→D)⇒あまり活躍できなかった
愛斗選手(23・L→M)⇒あまり活躍できなかった
戸根千明投手(22・G→C)⇒あまり活躍できなかった
<一軍での出場がそこそこあった選手>
大竹耕太郎投手(22・H→T)⇒実績以上の活躍
細川成也選手(22・DB→D)⇒実績以上の活躍
漆原大晟投手(23・Bu→T)⇒実績通り
佐々木千隼人投手(23・M→DB)⇒実績通り
鈴木博志投手(23・D→Bu)⇒実績通り
中村祐太投手(23・C→L)⇒実績通り
オコエ瑠偉選手(22・E→G)⇒実績通り
北村拓己選手(23・G→S)⇒あまり活躍できなかった
馬場皐輔投手(23・T→G)⇒全く活躍できなかった
渡邉大樹選手(22・S→Bu)⇒全く活躍できなかった
古川侑利投手(22・F→H)⇒全く活躍できなかった
陽川尚将選手(22・T→L)⇒全く活躍できなかった
笠原祥太郎投手(22・D→DB)⇒全く活躍できなかった
<一軍での出場が多くはなかった選手>
水谷瞬選手(23・H→F)⇒実績以上の活躍
長谷川威展投手(23・F→H)⇒実績以上の活躍
大下誠一郎選手(22・Bu→M)⇒あまり活躍できなかった
櫻井周斗投手(23・DB→E)⇒全く活躍できなかった
内間拓馬投手(23・E→C)⇒全く活躍できなかった
正随優弥選手(22・C→E)⇒全く活躍できなかった
松岡洸希投手(22・L→F)⇒全く活躍できなかった
成田翔投手(22・M→S)⇒全く活躍できなかった
※分類や評価に異論はあると思いますがご容赦を。
まだ2年の評価なので微妙なところではありますが、
①大成功だと思われる選手は強い実績のある選手ではない。
②レギュラークラスの実績があった選手は輝きを取り戻せていない。
③そこそこの実績の選手が移籍後もそこそこの活躍をするケースが多い。
④60%くらいの選手は移籍後に活躍できていない。
⑤年々、実績のある選手が現役ドラフトに出てきている傾向にある。
このあたりが見えてきたことであり、結局、移籍後に活躍できるかどうかに実績は関係なさそうです。しかし、これが現役ドラフトのおもしろいところでもあるわけです。
ここまでのジンクス?傾向?であれば、実績のある矢崎投手には期待してはいけないということになりますが、そんなこと関係なくスワローズのブルペンをその剛腕で支えてほしいですし、スワローズでは芽の出なかった柴田投手がイーグルスで下剋上の活躍をしてくれたら爽快です。