セ・リーグ6球団の外国人選手成功確率を比較してみた
スワローズの外国人選手の成功確率を検証してみて、比較対象がないことにはよくわからんということで、セ・リーグ6球団の比較を試みます。
お断りと前提
スワローズ以外の外国人選手について熟知しているわけではありませんので、分類について微妙な点は間違いなく出てきていると思いますが、ご容赦下さい。しかし、シーズンごとの成績は漏れなく参照しているのと、筆者の独自基準に沿って、ひいき目なしに分類しているつもりではあります。キャリア全般というよりは、単年で良い成績が出ていれば、その成績を重視して分類しています。出場試合数がそこそこあった場合、多少成績が良くなくてもレギュラークラスの活躍をしたと判断していることが多いです。
【大当たり】トップクラスの活躍をした。
【まあまあ】レギュラークラスの活躍をした。
【いたっちゃあいた】一軍で出場していたこともある。
【ダメだった】一軍では活躍できなかった。
★成功の定義を【大当たり】＋【まあまあ】とします。
調査期間をスワローズ版に合わせて2007～2024の外国人選手とします。また、あくまで即戦力として獲って来た外国人選手の調査としたいので、育成系の選手はカウントしていません。ということで残念ながらライデルやメルセデスやバティスタもカウントされません。
東京ヤクルトスワローズ《獲得選手数52人 成功確率54％》
【大当たり】《9人17.3%》
★グライシンガー ★林昌勇 ★バーネット ★バレンティン ★オンドルセク ★ルーキ ★マクガフ ★オスナ ★サンタナ
【まあまあ】《19人36.5%》
★ガイエル ★シコースキー ★李恵践 ★デントナ ★ホワイトセル ★ナーブソン ★ロマン ★ミレッジ ★ブキャナン ★ギルメット ★カラシティー ★ハフ ★スアレス ★エスコバー ★サイスニード ★コール ★ロドリゲス ★ピーターズ ★ヤフーレ
【いたっちゃあいた】《8人15.4%》
★リオス ★ウィルソン ★カーペンター ★デニング ★デイビーズ ★リベロ ★キブレハン ★エスパーダ
【ダメだった】《16人30.8%》
★ダグラス ★バレット ★デラクルス ★ラルー ★ペレス ★ジェフン ★オーレンドルフ ★グリーン ★アルメンゴ ★ウルキデス ★イノーア ★クック ★バンデンハーク ★ケリン ★ケラ ★エスピナル
読売ジャイアンツ《獲得選手数63人 成功確率51％》
【大当たり】《12人19.0%》
★ラミレス ★クルーン ★グライシンガー ★D.ゴンザレス ★ホールトン ★マシソン ★ロペス ★マイコラス ★カミネロ ★マギー ★バルドナード ★ケラー
【まあまあ】《20人31.7%》
★ホリンズ ★バーンサイド ★エドガー ★アルバラデホ ★ボウカー ★アンダーソン ★ポレダ ★ギャレット ★クルーズ ★ゲレーロ ★デラロサ ★ウィーラー ★ビエイラ ★サンチェス ★ウォーカー ★ポランコ ★シューメーカー ★メンデス ★グリフィン ★ヘルナンデス
【いたっちゃあいた】《13人20.6%》
★L.ゴンザレス ★アコスタ ★セペダ ★セドン ★ヤングマン ★ビヤヌエバ ★クック ★パーラ ★スモーク ★クロール ★ブリンソン ★ビーディー ★モンテス
【ダメだった】《18人28.6%》
★G.G ★アルフォンゾ ★ライアル ★フィールズ ★トーレス ★バニスター ★メンドーサ ★カステヤーノス ★フランシスコ ★ガルシア ★ガブリエル ★廖任磊 ★ディプラン ★テームズ ★ハイネマン ★アンドリース ★ロペス ★オドーア
ジャイアンツの大当たり外国人選手は他球団からの獲得＋リリーバーに強みがあります。最近は野手に苦労している印象。
横浜DeNAベイスターズ《獲得選手数65人 成功確率45％》
【大当たり】《11人16.9%》
★ブランコ ★ソーサ ★ロペス ★エレラ ★エスコバー ★ウィーランド ★パットン ★N.ソト ★オースティン ★バウアー ★ウェンデルケン
【まあまあ】《18人27.7%》
★ホセロ ★ウッド ★ジョンソン ★ウォーランド ★グリン ★スレッジ ★カスティーヨ ★ハーパー ★ラミレス ★モーガン ★Ｅ.ソト ★バルディリス ★グリエル ★モスコーソ ★ロメロ ★ケイ ★ウィック ★ジャクソン
【いたっちゃあいた】《20人30.8%》
★マットホワイト ★ビグビー ★ウィリアムス ★ヒューズ ★ランドルフ ★マストニー ★ブーチェック ★ブランドン ★ハミルトン ★リーチ ★ルイーズ ★ジオ ★エリアン ★ザガースキー ★ぺトリック ★クライン ★バリオス ★ピープルズ ★クリスキー ★ガゼルマン
【ダメだった】《16人24.6%》
★チアソン ★ジェイジェイ ★王溢正 ★ゴンザレス ★サラサー ★クレイマー ★鄭凱文 ★コーコラン ★グリエルJr ★ビロウ ★ロマック ★ブロードウェイ ★シリアコ ★ソリス ★アンバギー ★フォード
暗黒時代は外国人選手も苦労したんだろうなという印象。【まあまあ】と【いたっちゃあいた】の判別が難しい選手が多かったです。やはり最近になって優秀な外国人も増えているようです。
中日ドラゴンズ《獲得選手数52人 成功確率46%》
【大当たり】《8人15.4%》
★ブランコ ★ソーサ ★ルナ ★ビシエド ★ゲレーロ ★アルモンテ ★ガルシア ★J.ロドリゲス
【まあまあ】《16人30.8%》
★李炳圭 ★デラロサ ★ネルソン ★パヤノ ★ソト ★クラーク ★カブレラ ★マドリガル ★エルナンデス ★パヤノ ★ナニータ ★R.バルデス ★ジョーダン ★モヤ ★ロメロ ★カリステ
【いたっちゃあいた】《13人25.0%》
★グラセスキ ★ラミレス ★セサル ★E.バルデス ★グスマン ★ブラッドリー ★ネイラー ★シエラ ★ゴンサレス ★ロサリオ ★フェリス ★メヒア ★ディカーソン
【ダメだった】《15人28.8%》
★バレンタイン ★カラスコ ★ディアス ★A.ゴメス ★ぺレス ★リーバス ★セプティモ ★ハイメ ★ロンドン ★アラウホ ★ジー ★ガーバー ★タバーレス ★アキーノ ★C.ロドリゲス
往年のスラッガーたちが恋しい感じでしょうか。しかしこのチームには今回集計対象外の育成からの大ブレイクがあるので、ここは明確な強みでしょう。
阪神タイガース《獲得選手数49人 成功確率51％》
【大当たり】《12人24.5%》
★アッチソン ★ブラゼル ★マートン ★スタンリッジ ★メッセンジャー ★ゴメス ★呉昇恒 ★ドリス ★マテオ ★ジョンソン ★スアレス ★ゲラ
【まあまあ】《13人26.5%》
★ジャン ★ボーグルソン ★メンドーサ ★マルテ ★ガルシア ★サンズ ★ボーア ★ガンケル ★エドワーズ ★アルカンタラ ★K.ケラー ★ノイジー ★ビーズリー
【いたっちゃあいた】《12人24.5%》
★フォード ★フォッサム ★ボイヤー ★ヘイグ ★サターホワイト ★ロジャース ★ナバーロ ★ロサリオ ★ロハス ★ウィルカーソン ★ミエセス ★ブルワー
【ダメだった】《12人24.5%》
★リーソップ ★メンチ ★コンラッド ★ペレス ★サンティアゴ ★キャンベル ★メンデス ★モレノ ★ソラーテ ★チェン ★ロドリゲス ★B.ケラー
大当たりの割合が高いです。すばらしい。しかし野手の大当たりが久しく出ていないのと、ファンが求めるハードルも高い印象があります。
広島東洋カープ《獲得選手数57人 成功確率45.6％》
【大当たり】《8人14.0%》
★シュルツ ★C.ルイス ★サファテ ★バリントン ★エルドレッド ★ミコライオ ★K.ジョンソン ★ジャクソン
【まあまあ】《18人31.6%》
★アレックス ★シーボル ★マクレーン ★フィリップス ★ジオ ★スタルツ ★バーデン ★キラ ★ロサリオ ★ヒース ★ヘーゲンズ ★レグナルト ★ピレラ ★バード ★マクブルーム ★ターリー ★デビッドソン ★ハーン
【いたっちゃあいた】《19人33.3%》
★フェルナンデス ★ブラウワー ★コズロースキー ★フィオ ★ヒューバー ★チューク ★トレーシー ★ニック ★F.ルイス ★ソコロビッチ ★フィリップス ★シアーホルツ ★グスマン ★ザガースキー ★ルナ ★ブレイシア ★DJ.ジョンソン ★クロン ★アンダーソン
【ダメだった】《12人21.1%》
★ドーマン ★プライディ ★デラバー ★ペーニャ ★カンポス ★ヘルウェグ ★ローレンス ★スコット ★ネバラスカス ★シャイナー ★レイノルズ ★ハッチ
いい時はあるんだけど、シーズン通して活躍した選手が少ない印象。いいピッチャーは発掘しているのですけどね。絶対数が多くありません。改めてサファテを発掘したのがカープだというのは忘れてはいけません。
数字まとめ
東京ヤクルトスワローズ《獲得選手数52人 成功確率54％》
【大当たり】《9人17.3%》【まあまあ】《19人36.5%》
【いたっちゃあいた】《8人15.4%》【ダメだった】《16人30.8%》
読売ジャイアンツ《獲得選手数63人 成功確率51％》
【大当たり】《12人19.0%》【まあまあ】《20人31.7%》
【いたっちゃあいた】《13人20.6%》【ダメだった】《18人28.6%》
横浜DeNAベイスターズ《獲得選手数65人 成功確率45％》
【大当たり】《11人16.9%》【まあまあ】《18人27.7%》
【いたっちゃあいた】《20人30.8%》【ダメだった】《16人24.6%》
中日ドラゴンズ《獲得選手数52人 成功確率46%》
【大当たり】《8人15.4%》【まあまあ】《16人30.8%》
【いたっちゃあいた】《13人25.0%》【ダメだった】《15人28.8%》
阪神タイガース《獲得選手数49人 成功確率51％》
【大当たり】《12人24.5%》【まあまあ】《13人26.5%》
【いたっちゃあいた】《12人24.5%》【ダメだった】《12人24.5%》
広島東洋カープ《獲得選手数57人 成功確率46％》
【大当たり】《8人14.0%》【まあまあ】《18人31.6%》
【いたっちゃあいた】《19人33.3%》【ダメだった】《12人21.1%》
＜参考＞
ヤクルトスワローズ（1987～2006）《獲得選手数45人 成功確率60％》
【大当たり】《11人24.4%》【まあまあ】《16人35.6%》
【いたっちゃあいた】《10人22.2%》【ダメだった】《8人17.8%》
スワローズファン目線での全体考察
「スワローズは外国人選手を獲るのがうまい」という定説について調査結果から検証してみます。
成功確率で言えばスワローズが6球団でトップです。（平等に判断しているつもりだけど、やっぱりひいき目があるのかも…。）特にまあまあレギュラークラスで活躍した選手の層が厚いような気がしています。
しかしファンとしては「率」というよりは大当たりした選手の「数」の方が印象に残りやすいのではないでしょうか。この観点で言えば、スワローズよりも多くの大当たりを出している球団が存在します。ただし、スワローズの大当たり選手は優勝への貢献だったり、長期の在籍だったり、タイトル争いができるトップ中のトップだったり、印象に残る活躍をした選手が多いように思います。また、コンスタントに大当たりの選手が在籍しています。そして何より、そのような選手を「自前で」発掘していることが、さらに印象を良くしている要因でしょう。
ちなみにダメだった選手の割合もスワローズがトップ。微妙な成績の中途半端な選手はむしろ少なく、当たるか全くダメか、ずいぶんと二極化傾向にあるようです。これはこれで再発見。ただ、ダメだった選手が悪くクローズアップされている印象もありません。大当たり選手たちのおかげでダメだった選手の記憶が浄化されているのか、例の「スワローズファンはやさしい」なのか。
それと、参考に出した2006年以前のスワローズの外国人選手成功確率はさらに60％まで上がります。スワローズは外国人選手が優秀であるという伝統は、さらに遡ったところから始まっていると言えるでしょう。
全体として野手の大当たりが難しくなっている中、バレンティンに続いて、オスナとサンタナの長期在籍がどんなに助かっているか。スワローズの外国人選手が優秀であるという伝統をしっかり繋いでくれていること、ファンとして誇りに思います。