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スワローズの外国人選手の成功確率はどれくらいか?

先日、スワローズの国際スカウトである奥村さんについて書きました。

そして、やはり気になりました。スワローズはどれくらいの確率で外国人選手を当てているのだろう?スワローズは外国人選手に恵まれていると思っているけれど、本当にそうなのだろうか?調べてみようじゃないですか。(※調査期間を今回は2007年以降の奥村さんの時代とします。)

スワローズ外国人選手の当たり確率

【大当たり】※トップクラスの活躍をした
★グライシンガー(2007) ★林昌勇(2008-2012)
★バーネット(2010-2015) ★バレンティン(2011-2019)
★オンドルセク(2015-2016) ★ルーキ(2016-2017)
★マクガフ(2019-2022) ★オスナ(2021-)
★サンタナ(2021-)
《17.3%》

名前を眺めているだけでニヤついてしまいます。来日前に最もMLBで実績があった投手はオンドルセクでしょうか。成績は下降気味でしたが、シーズン50試合、60試合に登板する中継ぎ投手でした。野手ではサンタナ。毎年安定した成績を残せていたわけではないものの、シーズンでホームラン20本、30本を打ったことのある選手でした。あとはメジャーと3Aの間くらいの選手。バーネットに至ってはMLB未登板のままの来日だったんですね。

林昌勇はKBOでクローザー経験も豊富にある投手でしたが、怪我や不調もあって来日前は終わりかけの投手だったようです。よくあんなスーパークローザーに復活を遂げたものです。

【まあまあ】※レギュラークラスの活躍をした
★ガイエル(2007-2011) ★シコースキー(2007)
★李恵践(2009-2010) ★デントナ(2009-2010)
★ホワイトセル(2010-2011) ★ナーブソン(2014)
★ロマン(2012-2015) ★ミレッジ(2012-1015)
★ブキャナン(2017-2019) ★ギルメット(2017)
★カラシティー(2018) ★ハフ(2018-2019)
★スアレス(2019-2021) ★エスコバー(2020)
★サイスニード(2021-2024) ★コール(2022)
★ロドリゲス(2023-2024) ★ピーターズ(2023)
★ヤフーレ(2024)
《36.5%》

異彩を放つのはエスコバー。MLBでショートのレギュラーを9年務め、ゴールドグラブ1回、オールスター出場1回。来日時はもう衰えが来ていたのだと思いますが、それにしてもすごい選手が来てくれたものです。ホームランは1本。たいていの大飛球はことごとくレフトポール際のファールになっていった…。筆者は外苑前駅のウェンディーズで彼に遭遇したことがあり、今のところ人生で最もメジャーリーガーに近づいた瞬間として記憶されています。

他にもいくらか目立つMLBでの実績を見ていきます。ナーブソンは二桁勝ったことのあるスターター、ミレッジは1年だけシーズン140試合近くに出場したことのある選手、ブキャナンは2年で35先発、ハフはデビュー年に先発で二桁勝って、その後8年間、投げたり投げなかったりしていました。あとは例の如くMLBと3Aの間くらいの選手たちです。

【いたっちゃあいた】※一軍で出場していたこともある
★リオス(2008) ★ウィルソン(2008)
★カーペンター(2014) ★デニング(2015)
★デイビーズ(2016) ★リベロ(2017)
★キブレハン(2022) ★エスパーダ(2024)
《15.4%》

デイビーズはMLBで43勝の大物先発投手だったのですが、実績を残していたのは来日の5~6年前。キブレハンは来日5年前にMLBで115試合に出場、ホームラン9本の実績、あまりイメージにありませんでした。彼らに限らず、やはり数年前の成績は当てにならないことも多いようです。リオスは来日前年はKBOでシーズン22勝のスーパースター。しかしKBOの実績もまたなかなか当てになりません。

【ダメだった】※一軍では活躍できなかった
★ダグラス(2008) ★バレット(2009)
★デラクルス(2010) ★ラルー(2013)
★ペレス(2016) ★ジェフン(2016)
★オーレンドルフ(2017) ★グリーン(2017)
★アルメンゴ(2018) ★ウルキデス(2018)
★イノーア(2020) ★クック(2020)
★バンデンハーク(2021) ★ケリン(2021)
★ケラ(2023) ★エスピナル(2023)
《30.8%》

オーレンドルフは来日8年前に先発で二桁勝った経験があり、来日前年は64試合に登板していました。ケラはMLB7年で28セーブ59ホールドのリリーバーで、活躍を待望しましたが、まさかの一軍未登板。来日前の3〜4年はケガやトミージョンなどで苦しんでいて、日本で復活できず残念な結果に終わりました。バンデンハークはホークスで名をとどろかせたスターター。当然その活躍を知っていたので胸躍らせました。しかし、ケガから復活できず。実績に期待した選手たちが活躍できないままスワローズを去るのも、それはそれで印象に残っています。

なんとなくのまとめ

①スワローズの外国人は当たるけど決して当たりばかりではない
・トップクラスの活躍をした「当たり選手」→ 17.3%
・レギュラークラスの活躍をした「まあまあ選手」→ 36.5%
・一軍にいたタイミングもある「いたっちゃあいた選手」→ 15.4%
・一軍では活躍できなかった「ダメだった選手」→ 30.8%

「当たり選手」と「まあまあ選手」を「成功」の定義とすれば、スワローズの外国人選手の成功確率は約54%ということになります。他球団を比較対象としていないので、この確率が優秀なのかどうかはわかりません。半分以上の選手が戦力になるのであれば、まあいいほうなのでしょうか。

②実績はあまり関係ない
実績がなくても日本で活躍する選手はいるし、実績があっても活躍できない選手がいるという、いわば一般論。実績を引っ提げて来られて、ダメだった方がファンとしてはダメージが大きいのですけれどね…。

③落ち目やケガ明けは上手くいかないことが多そう
MLBでの立派な成績が3〜4年以上前のものだったり、ケガや手術の後だったり、このような選手が日本で復活できるかというと、そう甘くはないケースも散見されました。やはり「今」どのような状態にあるかという点が大切なのだろうと思います。

結局は日本球界で成功しようというモチベーションや対応力、伸びしろや柔軟性を、奥村さんたちスカウトがどれだけ目利きできるかということなのでしょう。難しい世界です。

来季の新外国人、ランパード投手とバウマン投手は、比較的MLBの実績がある投手なので、ダメだった時のダメージは大きくなりそうなところ、今は大活躍を祈るばかりです。そしてオスナとサンタナが、少なくともあと3年はいてくれる安心感。感謝ですね。

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