『ライフエンゲージメント』が人生の肝
どうも、なかてつです。
今回は「エンゲージメント」をテーマに書いてみようと思います。
<流行りのエンゲージメント>
昨今「エンゲージメント」という言葉をよく耳にするのではないかと思います。
特に企業の働き方改革の潮流に絡めてよく登場するようになり、ビジネス誌などを読んでいても頻繁に取り上げられている印象があります。
実際にみなさんが勤めている会社の中でも、月次や四半期のエンゲージメントチェックをやってるところもあったりするのではないでしょうか。
例えば「やりがいを感じられているか」「職場での人間関係で悩んでいないか」などいくつかの質問に答えていく形のやつですね。
こうした世の中において、
「エンゲージメント」と言うと一般的に「ワークエンゲージメント」のことを指している場合が多いです。
ここはもうほとんど同一視されていると言っても過言ではありません。
ワークエンゲージメントとは、オランダにあるユトレヒト大学のウィルマー・シャウフェリ教授が提唱した理論であり、
「仕事から活力を得ているか」「熱意を持って仕事ができているか」「仕事に没頭できているか」といった観点がどの程度満たせているかというところを指標にしたもので、一言で「働きがい」と括られたりします。
つまり「エンゲージメント=ワークエンゲージメント」という認識が一般的である今の世の中においては、
エンゲージメントという言葉が思いっきり仕事を前提とした概念であるかのようになっているということですね。
ここで一度エンゲージメント(engagement)という言葉の定義を見てみましょう。
ご覧の通り、「仕事」や「会社」なんて言葉は一切出てきません。
エンゲージメントは単にエンゲージメントであって、それ以上でも以下でもありません。
当時はそれを仕事という概念と結び付けたことが、シャウフェリ教授が提唱した内容の画期的な部分であったというわけです。
<ワークエンゲージメントと人生>
会社への忠誠心や愛着、仕事そのものに対する熱意や没頭、
これはこれで非常に重要なものだとは思います。
だからこそ現代においてこれだけ多くの会社が自社に取り入れようとしているわけですし、世の中的にもその重要性が認められているわけです。
ただ、忘れてはいけないのが
「仕事も人生の一部に過ぎない」ということです。
会社にとっては、ワークエンゲージメントさえ高ければそれで満足かもしれません。会社に尽くしてくれて一所懸命に働いてくれるわけですから。
…けれど、働いているみなさんは本当にそれでいいのでしょうか?
より良い幸せな人生を生きるために働いているのであって、
働くために人生を生きているわけではありません。
自分自身の自己実現のために生きるのであって、
会社が利益を上げるために生きているわけではないんです。
もちろん、幸せな人生の形や自己実現の形というのは人によって違うので、
突き詰めていった結果、「この仕事に人生を捧げよう」という結論に達することはあるかもしれません。
その時はワークエンゲージメントを高めることこそが、
自分にとって幸せな人生に直結することになるのかもしれませんが、
仕事より大事なものがある人にとってはどうでしょうか?
仕事は別の何かを最大化するための手段に過ぎなくて、特に仕事に対して働きがいは求めていない、という人がいたって本来おかしくないはずです。
私にはどうにもワークエンゲージメントという概念は、
仕事そのものが目的だという前提で使われている気がしてならないです。
つまり「自己実現は、仕事で果たしていくものである」という前提ですね。
ここに疑問を禁じ得ないわけです。
<ライフエンゲージメント>
ライフエンゲージメントというのは、言葉の通り「人生へのエンゲージメント」です。
自分の人生に対して愛着を持てているか、没頭や熱中ができているか、というところですね。
ワークエンゲージメントの上位互換のようなイメージです。
いかにワークエンゲージメントが高くても、ライフエンゲージメントが低い状態では人生全体の満足感は高まりきりません。
自分が人生で最も大事にしたいことは何か、どんな状態で日々を過ごしていたいか、という自己実現欲求をきちんと把握し、
そこを軸に人生の選択を行うことによってライフエンゲージメントは高まっていきます。
もう一度言いますが、仕事は人生の一部です。
より良い人生を生きるための手段として仕事を捉えるべきです。
画一的な働きがいの測定に、あなたの人生が振り回される必要はないんです。
目の前の仕事のやりがいや待遇の良さなどに飛びつかずに、
じっくり腰を据えてライフエンゲージメントを高めることに重きを置いた選択をとることこそが、
5年後、10年後、30年後といった長期的な未来で
「納得感のある人生」という大きな果実を手にするための、最良の手段なのではないでしょうか。