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【おすすめ本】大人でいることに疲れたら読むべき青春小説3選

こんにちは、ピュウです。

楽しいコンテンツが大好きな元編集者です。

私のnoteでは、本を中心としたおすすめのコンテンツや
我流の文章術を紹介しています。

本日のテーマは、
疲れ切った大人の皆さんに勧めたい
青春小説3選

です。

実は私、最近失業しました。
理由はいろいろありますが、
メンタルダウンが主な原因です。

でも、辞めてからたくさん時間ができて、
青春小説をはじめとした本をたくさん読んだこともあり、
辞める前よりも心が軽くなって、
明るく生活できています。

この記事では、
社会ですり減った心を洗い流してくれるような
清々しい青春小説を紹介します。

私は小説の中でも学園ものが一番好きです。
いつまでも若い心で生きていきたいし。

それでは、さっそく紹介していきます。


1.学生寮の冬休み、実家に帰らないことを選んだ4人のドラマ

『ネバーランド』(恩田陸)

伝統ある男子校の学生寮が舞台の物語。

冬休みは寮のほとんどの生徒が実家に帰省する中、
家には帰らないことを選んだ4人がいました。

彼らはそれぞれに事情を抱えていて、
それがある日、何となく始めた「告白ゲーム」を機に
彼らの心の内から外へと姿を現しはじめます。

4人それぞれの性格と欠けたところを
不器用に補いあっていく姿が劇的ではなくリアル。

他者の存在というものは、
あらゆる可能性を孕んでいるのだなと
気づかされた作品です。

そして何といっても「真冬の寮」の描写が美しい。

重々しい雰囲気と、反対に真っ白でふわっとやらかい雰囲気。
冬という深みのある季節を感じられます。

私が最も好きな小説のひとつです。
どの季節に読んでも、
物語の世界に引き込まれること間違いなし。


2.それぞれのトラウマを認め合いたい、心優しい高校生の男女たち

『包帯クラブ』(天童荒太)

それぞれ違った形で「傷」ついていた少年少女たちが、
「自分たちの大切なものの守り方」を模索する物語です。

目に見える傷も目に見えない傷もすべて認め、
実際に包帯を巻くという、少し変わった活動を始めた女の子。

その辺のフェンスやらに包帯が巻かれていたら
大人たちは、迷惑ないたずらと思うかもしれない。

それでも、その包帯で
誰かの傷を「可視化」してあげることが、
その人にとっての大きな励みになるんです。

なんて強くて優しい子たちなんだろうと思いました。
現実には、そんな発想をする子はいないかもしれないけど、
私自身が傷ついた人を見たときの行動指針は
この本を基に作られていったような気がします。

働いていると周りの人を気にかける
余裕がなくなりがちですが、
そんなときこそ、この本を読んで
強さと優しさを取り戻したい。


3.ザ・違法。ファンキーでハードボイルドな田舎の女子高生

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(波木銅)

先に紹介した2作品とは毛色の違う、
学校で違法行為を行っちゃう、ヤバイ女の子たちのお話です。

その違法行為とは、
「学校の屋上での大麻栽培」

主人公は、田舎の女子高生3人。

仲が良い訳ではなかった3人ですが、
底辺工業高校なので
そもそも他に女子がいないんです。

そんな3人が結託した理由こそが、大麻栽培と
大麻の売買による金稼ぎ。

「クソ田舎とおさらばするためには金だ!」
といって、部活のフリをして大麻を育てはじめます。

彼女たちは無事に金儲けして田舎から出られるのか?

私はこのラストシーンが大好きで、時間がたった今でも
(なぜか映像で)鮮明に思い出すことができます。

そして彼女たち、
みんな口が悪いし、ギャグセンが高すぎる。

若い子たちのしょうもない会話って
なぜかずっと聞いてられるな~と思うこと、ありませんか?
本作ではまさに、そのハイレベルなやりとりが楽しめます。

本作は松本清張賞受賞作です。

受賞当時、著者の波木銅さんは21歳の大学生。
この人、実際にアングラの人間なんじゃないか?ってぐらい
ジャンキーな描写がキレッキレです(笑)。

作品の内容とは関係ないんですが、
こちら、できれば文庫ではなく単行本で読んでいただきたいです。
単行本のデザインと、本文紙の質感が特徴的なので。


以上、疲れた大人におすすめの青春小説3選でした。

この記事を書いていたら、
また新しい青春小説を見つけて、
若さを吸収したくなってきた。

今後もたくさん紹介しますので、
ぜひフォローをお願いします。

ピュウ

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