フランチャイズメディアの王者「アントレ」の功罪
アントレは1997年の創刊。
俺がローソン牛込店で夜間バイトをしてた時だ。
創刊号から2年間はすべて読んでいたことになる。
バイトクルーから「サラリーマンになる前から脱サラの雑誌を読んでるなんて」と笑われたが、サラリーマンになることもなく、アントレプレナーとなった。
そういう意味では、「アントレ」の人生が及ぼした影響は計り知れなかったのかもしれない。
インタビュー記事は面白いのだが、FC募集はコンビニだったり、飲食店だったりして、そのコーナーは大学生にとっても「萎えぽよピーナッツ」な内容だった。
それでも当時はバブルが崩壊した後だったから、脱サラ第一世代を一網打尽にしたという点ではすごいメディアだった。
以前の記事でも書いたが、リクルート事件以来、江副浩正氏を崇拝していたので、彼が作ったリクルートの雑誌という点でも、意識して読んでいた。
リクルートが嫌いになったのは社会人になってからである。
それも動画で語ったとおり、リクルート出身者が「リクルートでは」とリクルート時代の自慢をするからである。
(だったらリクルートに「はよ戻れよ」と言いたい。)
さて、アントレという言葉を次に耳にしたのは、iPhoneアプリ開発スクール「レインボーアップス」の全国展開の時だった。
私は直接タッチしていないが、「アントレ」に出稿して30社のFC獲得をしたのである。
とはいえ、残念ながら集客に大成功したスクールは、我々以外は皆無で、みんなトントンという感じだった。
普段の集客活動を何にもやらなければ、そりゃうまく行くものもうまくいかない。
しかし、その事前説明が足りなかったのだと推察された。
我々は、有料受講者の10倍以上のリストを無料イベントで集めていたのだから。
そして、10年たち、FC募集メディアを改めて網羅的に調査した。
雑誌アントレはすでに廃刊、WEB専業になっており、他社を追随する余地はなさそうだった。
FC本部の学校の竹村学長は「アントレと日経フランチャイズショーは出す価値がある。それもまた条件次第だ」と評していた。
アントレを見てても、フランチャイズショーに行っても、我々が想定している人向けではないことはすぐにわかった。
我々が想定しているオーナー像は、フリーランスエンジニアやIT関連の開発企業の社長たちである。
そんな人たちとここで接点が生まれるはずがない。
50歩譲って、集客に長けている学習塾の経営者。
こんな人もいないだろう。
学習塾をやりたい「未経験者」は大手企業のインテリ層だと見受けられたからだ。
すでに学習塾で経営に成功されている人は、自分の情報ルートがあるはずで、わざわざこういうメディアやイベントを使わないだろうと思った。
実際、成果報酬の媒体に1年ほど掲載してみたが、いまいちピンとこなかった。
ウェブ広告は、情報弱者を相手に「煽り広告」をやってような感じで儲けている企業が散見されるが、それと似たものを、フランチャイズ募集広告にも感じた。
フランチャイズショーの出展企業も全く目を合わせてないのにパンフレットを渡そうとする。
推しに弱い人を鼻から相手にしているようだった。
むしろ、営業に強い人材にピンポイントで当たらないと、成功は難しいと思った。
最近、フランチャイズチャンネルが、FC紹介メディアを出した。
FC本部の学校の受講生は出稿できる権利があるので、早速掲載をした。
なぜ掲載したのかというと、「面白そうな人と出会えそう」と思ったからである。
林さんの周りには豪傑社長がたくさんいる。
そんな人が作った媒体なのだからたぶん、面白そうな人が吸い込まれてくると信じたからだ。
Klab会長の真田さんは学生時代にリョーマというベンチャーを起こした。
その合言葉は「おもろいやつを連れてこい」だった。
「おもろいやつは、またおもろいやつを連れてくる」という論法だ。
事実、リョーマメンバーからは上場起業家がたくさん輩出された。
だから「おもろいやつ」と出会う旅に出ようと思う。
結論、アントレやフランチャイズショーでは「しけたやつ」しか集まらない。
「ほんとに儲かるの」とか言われても仕方ない。
「おもしろそうだからやります」という人と一緒に仕事をしたい。