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なんと美しい名前だろう。
くるくる回しても変わらないから、くるくるチャンスと呼んでいる。

一谷くん(イッチー)は、体育会系モバイル部というモバイル業界の交流会の3代目幹事メンバーで一緒だった。その後はクラリスの会のメンバーであり、要するにイベント仲間である。

サイバーエージェントがアメーバーというバーを経営したことがあって、そこの初代店長で、そのあと動画事業とか投資事業とか、いろいろ新規事業に携わり、入社して3年ぐらいで起業している。当時の若手の仲間では一番起業が早かった。とはいえ、それから数年しないうちに、クラリスメンバーはOZを抜かして全員起業してしまった。

最初はデコメでビジネスを起こし、カジュアルゲームでは世界で1500万ダウンロード、そしてアドネットワーク事業などいろいろと手がけて、事業規模拡大と縮小、音声事業なども手がけ、そして、今はオンラインクレーンゲームを手がけている。

イッチーの会社のCTOの小林さんは、テックジムの初年度にトレーナーとして参加していただいた。色々と事業を変える会社を切り盛りするCTOは頼もしく感じた。

スマホアプリ分野で起業して複数の事業をやる会社は、うちも含めてことごとく散った。当たっている時は最強の騎馬軍団に見えて、長篠の戦いでめったうちである。

開発メンバーが豊富だったコニットとファインマンは身売り、ハロは解散、全米1位を獲得したパンカクも身売りなど。そういう意味ではビヨンドはまだ生きているのでイッチーはすごい。

それで、逆に、もともとWEBサービスアプリ対応した、バイマ、食べログ、クックパッドなどが成功。そして、もともとソーシャルゲームをやっていたところがアプリで成功している。マイネットの上原さんはWEBサービスをやっていて、ゲームアプリに振り切っての上場だからめちゃ凄い。

やっぱりスタートアップはワンソリューション、ワンサービスで行くべきである。

ブレイブソフトの菅澤さんは受託を辞めなかったから、今や国内随一のアプリ開発会社だ。10年一筋やり切れるぐらいじゃないとイケないのだろう。

なぜ、何個もアプリを出そうとしてしまうのか?
たぶんi-modeの上場企業がやっていた戦略を鵜呑みにしていたからだろう。当たり前のように「次のアプリはこれを出そう」なんて考えていた。

いまi-mode系企業でスマホシフトで生き残っているのは、スマトクみたいな定額サービスに入っているところだけである。ビジネスモデルは重要である。万が一のラッキーヒットを当てにしては事業なんか継続できない。

そんなことを、イッチーとの思い出を振り返りながら感じた。


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テックジム創業者:藤永端(みんなのグラさん)のIT業界裏話
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