スクラッチやマイクラが悪いわけではない。キッズ向けプログラミング教室の教え方の問題点。
先日、エドモンドプログラミングスクール四条烏丸校のスペースをお借りして、Python講座を開催した。
その後に、エドモンド創業者と懇親会にて色々とお話を聞くことができた。
まず我々の勘違いとして、スクラッチやマイクラで出来ることはとてつもなく広いということである。
「プログラミング言語によってなんでも作れる」のと同じである。
ここに、ノーコードにおける問題と同じようなものを感じた。
「スクラッチはやれることが多すぎる」とすら言っていたのも印象的だった。
エドモンドではマイクラでプログラミング学習をする。
マイクラは子供たちにとって絶大な人気があるので、マイクラを選んだのは必然だった。
ただ、マイクラの環境を作るのが大変であるということと、教える方の大人が3D酔いをすることから、スクラッチを採用している教室が多いのだろうということだった。
そして、今回の結論である問題点は、「This is a pen」から始める英語教育のようなところにあるということだった。
エドモンドでは、いきなりリッチな3D空間でクエストゲームをやらせる。
ゲーム性があると、スキルの壁を打ち破ることがある。
それは、スポーツでも音楽も同じ。
テックジム的なアプローチでもある。
キッズ向けプログラミング教室というと、すでに市場は飽和している中で、エドモンドが参入した理由がわかった。
アカデミックなノリだとそこで脱落してしまうので、より多くの人に楽しんで欲しい。
そのためにゲーム性を取り入れたということだった。
我々も転職向けプログラミングスクールが飽和状態にもかかわらず参入した理由と似ている。
両者は、そもそも実践的アプローチで、万人を対象としている。
キッズ向けのビジュアルプログラミングは、その世界でなんでも作れるが、その手数が肥大になるので、いずれ彼らはテキストコーディングを選ぶという。
ノーコードもなんでも作れるが、やっぱりテキストコーディングの方が早いというオチがある。
素人にとって飛びつきやすいが、結局、初歩的なところでやめてしまう。
ビジュアルプログラミングは、できることが多いのに、そこまで辿り着く人は少ないし、熟達した人はテキストコーディングを選ぶようになる。
そこで、本来のターゲットがどこなのかという問題にぶちあたる。
スクラッチ教室は、「プログラミングができない大人でも教えられますよ」という売り文句でFC展開をしている。
それでは、プログラミングの本当の楽しさまで教えることができない。
エドモンドのようなアプローチが出てきて、今後、キッズ向けプログラミングの業界がどう変化していくのか楽しみである。
子供たちのテキストコーディングの需要が増えてきたらいいなと思う。
Python講座では、参加者から貴重な意見を聞くことができた。
色々なスクールの体験会に参加して気づいたことは、営業がうまいスクールが繁盛していて、そういうところに限って、学習内容が薄っぺらいという。
「とことん寄り添います」という姿勢を見せつけて、いざ入ると当然限界があり、そこがクレームに繋がっているそうだ。
テックジム方式については、外国人との会話で外国語を話せるようになるのと同じで、コンピュータとの対話をひたすら続けることが重要である。
そのためには授業ではなく、自習形式でコーディング時間を確保すること。
このことが素人には伝わりにくいので、きちんと説明したほうがいいとのことだった。
また、人とのコミュニケーションにもプログラミング学習が役に立つというのも、新しい気づきだったようだった。
テックジムのアンケート調査では、プログラミング学習の目的を「趣味」または「教養」と答えた方が全体の3割だった。
今回の京都、滋賀、静岡でのPython講座では、参加者全員がそういう方たちだった。
いずれは、英会話教室と同じくらいまでの市場規模になるだろうと確信した旅だった。