Tokyo Calling
「今どきの若い者は」とよく言うが、最近のJ-POPの新星には感心することが多い。先日の紅白でもわかるように、Popsの世界では、特にマスの部分はK-popが圧倒的に存在感が(そしてクオリティも)あるけれでも、若いJ-POPの担い手はそのユニークさで非常に魅力的だ。
前置きが長くなったが、Tokyo Callingをきいて、新しい学校のリーダーズに改めて感銘を受けた(以下、リーダーズ)Tokyo Callingのあの独特の旋律がクセになるというか頭から離れない中毒性があるのだが、アメリカでも歌っていて驚いた。アメリカのJimmy Kimmel Liveにお呼ばれしたそうだ。Wikiを見て知ったのだが、リーダーズは21年に88risingという海外事務所?の力で「ATARASHI GAKKO!」という名前で海外デビューを果たしている。Jimmy Kimmel Liveに出演したのは彼らの力があるのかもしれないが、いずれにせよ正直かなり「キワモノ」になりかねなかった彼女たちがそうやって海外デビューを果たしていることに、彼女たちの実力と、時代のトレンドを感じる。
「大人ブルー」でその名声を高めたリーダーズ。正直「なぜこんな若いにのにこんなレトロ調の歌を?」と自分は思ったし、ヒットした理由もその独特のダンスがTiktokでバズったのが一つの理由のようだ。歯車がかみ合わなければ、彼女たちはここまでヒットしなかっただろうと正直思う。キワモノで終わるか、本物か、ギリギリのラインという感じがする。しかし、昨今のレトロブームも相まって、彼女たちは世界デビューを果たすまでになった。言い方を変えれば、彼女たち自身がレトロブームの担い手であり、その大きなトレンドの先駆者であったということなのかもしれない。ネットの記事で「私たちの信じてきた面白さや楽しさが認めらえたのだと思う」という趣旨を述べていたが、本当にそんな感じがする。一歩間違えれば悪趣味なレトロ趣味の亜種に終わっていたのに、彼女たちは自分たちを曲げずに、信じ続けて歌い続けてきた。
どんなアーティストもそうかもしれないが、自分を信じて歌い続けるその信念のストーリーには感動する。信念を持ち続けても、ヒットするとは限らない。しかし自分を信じ続けるものにしか成功の女神がほほ笑むことはない。「葛藤はあった」と彼女たちは語る。路線を変えることも考えたに違いない。どちらが成功の早道だったのか、それは誰も知ることはできないが、結果的に彼女たちの信念は認められるところとなった。
もちろん、Suzukaの歌唱力は素晴らしいし、他の3人のダンサーも魅力的だ。単にレトロというだけでない魅力が彼女たちにはある。彼女たち自身、デビュー後8年の今が「本当の出発点なのだ」と意気込む。「自分たちが楽しいと思うことを貫く」それが彼女たちの信念の一つのようだ。
レトロブームがいつまで続くのか、一つのジャンルとして定着するのか、あるいはそこから新たな歌、ジャンルが確立するのか。Z世代?の今後が楽しみだし、自分もまた若い彼女たちに励まされるのである。
最後に、彼女たちのインタビュー記事。この若さで、こんなことを考えながら歌ってきたのかと。こっちが恥ずかしくなります。「どんなこともこの4人で乗り越えてきた」そんな仲間に出会いたいと、こんな年になって思うのである。
https://spice.eplus.jp/articles/314654