コントが…おわった
始まったものは、いつか終わる。
わかっていたことながらも寂しい。
楽しませていただきました。青春群像劇といえるような実に良いドラマでした。
『コントがはじまる』というドラマ
お笑い芸人トリオ【マクベス】の男性3人が毎回異なるネタを舞台で演じる。一方でそのネタとリンクした事柄が現実世界で巻き起こる。
そんなマクベスを演じるのは菅田将暉さん、仲野太賀さん、神木隆之介さんの3人でした。
ドラマのコメントや感想はお詳しい方によって世に溢れていると思います。
私はこの3人の「食」にまつわる生活に興味を持ちました。
マクベスの食
マクベスは売れてる芸人というわけではなく、3人でアパートの一室に共同生活しており、まるで学生時代ように、決してお金に困っていないわけではない暮らしぶりをしていました。
もっといえば、「共感できる生活感」満載でした。
キッチンペーパーのロールが、梱包用のビニール紐(いわゆるPPヒモ)を芯に通した状態で、台所の網棚に結ばれていたり。
漫画雑誌(ジャンプやマガジン的な)の上に出来立ての料理が入ったフライパンを乗せてそのまま食べる様であったり。
納豆の混ぜ方が妙に生活感あって、それを焼きたてのトーストの上に乗せてみたり。
塩辛かったのか濃い味付け食べ物にペットボトルの水を入れて薄めてみたり。
お肉なぞ滅多に食べられるわけもなく、焼肉のタレで味付けしたモヤシ炒めをみんなで突いたり。
食べてる最中に恩師にBBQ誘われて歓喜し、BBQにがっついて肉を頬張る姿。
本当に描写がリアル。
食費にお金を掛けられない生活がよく伝わってきます。
そんななかでもビール(といっても発泡酒か第3のビールでしょう)は冷蔵庫に常備されており、帰宅後や何かひとつの作業が終われば缶を開けて自由に飲む。
独身男性の共同生活感がありありと描かれていました。
最終回の喜多方とトンコツのラーメン屋は驚きでしたが、その2つをブレンドしたらしきメニューは一体どんな味なのでしょう?
実在するのでしょうか?少し気になります。
キャストのデジャヴ感
ドラマの構成は一貫しており、冒頭の3人組による舞台でのコントから始まり、その内容が本編のドラマとリンクしていることは既に述べましたが、終盤で再びコントの舞台で本編を踏まえたオチがあるという流れになっていました。
個人的には、玉手箱みたいなドラマでした。
ストーリーや展開がどうなるかというワクワク感はもとより、演じるキャストの顔触れにも楽しみを感じました。
マクベスのマネージャーは中村倫也さん。
中村倫也さんといえば菅田将暉さんとのデュオでの『サンキュー神様』がありますね。共演してる松坂桃李さんもまた素敵ですよね。
菅田将暉さんは、古川琴音さんと『虹』MVでの夫婦役として共演。何度見ても泣いてしまいます。
仲野太賀さんと中村倫也さんは、コンビニスイーツ作りを題材とした『この恋あたためますか』のドラマで共演。
神木隆之介さんといえば、今年20周年を迎える『千と千尋の神隠し』の『ぼー』の声優としても有名。
マクベスのファンの1人である有村架純さんは、『姉ちゃんの恋人』での好演が記憶に新しいですが、最近の活躍が目覚ましいです。
『姉ちゃん…』でのひよっこ感については以前、記事を書きました。
菅田将暉さんとは『花束みたいな恋をした』でも共演していますね。
有村架純さんとは朝ドラ主演繋がりの芳根京子さんは仲野太賀さんの彼女役ですが、凛とした役柄で、主演ももちろんですが、脇でしっかりと固める存在感も強みだと感じます。
石原さとみさん主演の『高嶺の花』での妹役も良かったですし。
さらに有村架純さんの妹役の古川琴音さんが働くスナックがまたいい。
気怠さMaxといった感じのママを中心にアンニュイな雰囲気が漂っており、仕事の疲れを癒しにフラリと立ち寄りたいようなお店。
自分自身の行動範囲内に、この店と『BAR OLD JACK&ROSE』があれば最高でしょう。
ちなみに『BAR OLD JACK&ROSE』は、昨冬の池脇千鶴さん主演のドラマ『その女、ジルバ』の舞台となった熟女専門のバーです。老若男女誰が訪れても退屈しないお店です。
おわりに
マクベスの3人が互いに話しているシーンはとくに、観ているこちらがドラマであることを忘れてしまうような、等身大のありそうな「リアル」が描かれていました。
例えばマクベスの2人と話していた菅田将暉さんが、有村架純さんと話す時はどこか他人行儀な雰囲気の関係性など、その心の機微をうまく演じているところに驚きでした。
続編はないのかなぁ…と儚き期待を抱きながら新ドラマへと気持ちを切り替えようとしている今日この頃でした。
おしまい
最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。