秋の味覚を家系図とともに愉しむ
秋の訪れを感じるようになり、スーパーなどでは葡萄の品揃えが充実して参ります。
お店の棚に並んだ色とりどりの葡萄をよく見ると、実に様々な品種があることに気づきます。
またお店に訪れる度に、それらの葡萄のラインナップは変化しており、常に同じではないことにも気づきます。
その葡萄を季節の移り変わりとともに愉しめる大変強い味方があります。
それが『家系図』です。
豊洲市場が作成したこの葡萄の家系図
これが、葡萄を愉しむのにもってこいなのです。
たとえば先週末、近くのスーパーにて購入したこちらの葡萄は『コトピー』という品種。
『これは山形県笛吹市の志村富男さんが作製された葡萄です。』
上の一文、いきなり非常にマニアックと思われるかも知れませんが、実はそうでもありません。
葡萄を巡る旅(といっても近隣のスーパーをですが)をしていると、『笛吹市』が産地として目につくことに気づきます。
そう、笛吹市はぶどうの産地(栽培面積)として日本一なのです。これも葡萄巡りによって知りました。
そして『コトピー』について上記の家系図でみてみましょう。
すると近頃、葡萄の棚を支配しつつある人気者『シャインマスカット』と『甲斐乙女』の子供に当たるのが『コトピー』であることがわかります。
この『甲斐乙女』も上記の『志村富男さん』の作製された品種となります。
『シャインマスカット』の子供ということもあり、『コトピー』は皮まで食べられますし、タネもありません。
味はというと、とても濃厚な甘味が口に拡がり、私は『高貴さ』を真っ先に感じました。非常に美味しい品種です。
ちなみに以前シャインマスカットについて触れた記事を書いたのですが、
その際に示した家系図についても築地市場の図を用いるとわかりやすいです。
『マスカット・オブ・アレキサンドリア』と『スチューベン』の子である『安芸津21号』と『白南』の子供が『シャインマスカット』であることがわかります。
いかがでしょう。
ひとえに葡萄といいましても、売られている品種一つとっても調べるとドラマがあり、その誕生のいきさつ、歴史を知ると、親和性が高くなり、味わい方にも深みを増し、愉しみ方が数段高まります。
そしてさらに他の品種も食べ比べてみたくなります。
秋の旬を満喫するために、是非ともこの『葡萄の家系図』を御覧になりながら、葡萄を食して戴きたいと思います。
おしまい