「筑摩書房キャンペーン」にて身の程を知る
「こんなに自分自身をみつめることになるなんて」
子供を寝かしつけながら、そろそろ大丈夫(寝入り始めた)かな?という頃合いにスマホをみていて知ってしまった。
な、なんと…筑摩書房の80周年記念企画とな。
80%以上割引?!
ん?最終日!
この事実を知ったのが21時近く。
これからしばらくの間、逡巡している自分がいた。
kindleは場所とらないメリットあるけど、そもそもkindleでは雑誌しか読んでないし、普段活字のみの読書はもっぱら紙ベースのみだけど果たして読むだろうか?
とりあえず寝息を立て始めた子供の傍らでラインナップを欲しいものリストへ投げ込んでいく。
急がなければデッドライン(キャンペーンの〆切)に間に合わない…
思い起こせば、在宅勤務になってはや3ヶ月。
職場から持ち込んで、さらには新たに買い足したことによって形成されることになるうずたかく積まれた書籍の山を観る度に
数ヶ月前まで平穏だったとある一室の秩序が瞬く間に崩壊し、仕事内容で日々標高もレイアウトも変わる蔵書連山の山間を通りながら掃除機を取りに来る家人に嫌みや溜息を散々浴びせられている状況を。
この片付けても片付けても散乱するエントロピーの増大に歯止めがかからない状況を。
そうであればスペースすらとらない電子書籍が良いではないか。
そもそも家人にはその存在すら物理的にも知られるハズもないので、心証を害することすらないではないか。
しかししかしAmazonnのアカウントは共通なので、全く知られないということはありえない。
積ん読も多数ある状態で、無駄遣いではないのか?といわれるのでは。
何をそんなに気にしているのだ。自分の小遣いで購入するのだから堂々と購入すればいいではないか。
何故いい年をしてまで、家人の目を気にする必要がある。たかだか百数十円の本を買うぐらいのことで。
「強気」と「弱気」の自分が入れ替わり立ち替わり葛藤するなか、なにより心細いのが逼迫した小遣い事情である。
自己責任とはいえ、在宅でストレス解消のために散歩に出る度に、家人の一人になれる時間を捻出という意味合いとコミュニケーションのためにもと子供を連れて出すことが多くなる。自然と子供に対して情が出て、ねだられるとついつい買い与えることがある。こちらから提案することもあったなぁ。
そんな積み重なりというのも、おそろしいものである。
いい年をして数千円程度の金額を
欲しいものリストに入れた書籍の金額を
私はと言えば、ちまちまと布団に潜っては電卓アプリで足し算している。
そんな飲み会に行けば1次会ですぐに使う金額、いや、それよりも安いではないか。
もとより酒は飲まないが、飲み会も行かないが…。
もういいや
あとのことは考えずに、買ってみるか。
欲しいものリストからの購入は、「1-clickで今すぐ買う」というボタンしか見当たらない。
普段kindleでの読書はprimeで読めるものばかりなので、よくわからんが、「このボタン押せ」という力強い迫り方が意志の弱い(弱くなった(とくに経済的に))私の決まりかけていた心に「ファイナルアンサー(古い)??」と脂ぎった問いかけで迫り来る。
もう、ほとほと自分がイヤになってきている。
こんな情けない自分にいつからなってしまったのだろう。
いや、与えたら与えただけ使い込む性質がある(あった)といわれれば否定は出来ないけど。それは供給と需要のバランスがあっていないだけなのでは。と、この期に及んで自己中心的解釈を始めたわけだが。
四の五のいわずに
目をつぶって「1-clickで今すぐ買う」クリック
1度クリックするとあとはもう簡単なものある。
心のハードルこんなに低かったっけ。とばかりに欲しいものリストの購入を進める。
あとはただただ単純作業の繰り返しである。
心はほとんど無の境地である。
この安さは驚異的
うん、なんとなく紙ベースで持っている気がする本もある気がするような。
気にしない気にしない。
微力ながら経済を回そう(って大袈裟な)。
ふう、購入終了。
全80冊のラインナップから選んだのは23冊。
全冊お買い求めのネオ高等遊民さんには足元にも及びませんけれど。
物量として迫り来るプレッシャーがなく、視界からも見えない存在の電子書籍を蔵書として私の脳が認知してくれるのだろうか。
そこは自らの意識にパラダイムシフトを起こす絶好のチャンスなのかも知れない。
合計金額 3,784円。
ほら飲み会代も払えないかも知れない金額じゃない。
ふぅ…
さて、分割で支払可能か、家人に明日相談することにしよう。
購入時の高まっていた興奮は冷めて、冷静な自分がいるな…
結局、この程度の自分か。
筑摩さんどうも有難う。そして80周年おめでとう。御陰でいかに自分が小さいかを知ることが出来ましたよ。買った本を読んで成長出来れば、と思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。