見出し画像

ふとみると宝の山

近くを観察してみましょう

いまの時間、季節もよく屋外に出ることが多いと思います。

ちょんとベンチや縁石などに腰掛けて一服ということもありますよね。

そんなときっと地面を、時には座った場所自体を見てみてください。

そこにはタカラが沢山潜んでいるかもしれません。

画像1

少し拡大します。

画像2

さらに拡大

画像3

こちらですとハッキリ見えますね。


見えましたか?

こちらタカラダニ正しくはカベアナタカラダニ(Balaustium murorum (Hermann))です。

画像4

タカラについて詳しく

体長は1~2.7mmで、鮮やかな朱赤色をしており、無機質なコンクリートの上では綺麗な色ということも出来るくらいに明るい色彩を放ちます。

先のように公園や駐車場など様々な場所で発見でき、家庭ではベランダの手すりなどで見つかることが多いです。

花粉や苔などの地衣類を食べていると考えられていますが、その生態はまだ謎に包まれています。

現在のところ、観察されるのはメスばかりであることから、単為生殖を行うのだろうと考えられいます。

人体には特に影響はなく、人を咬んだり刺したりすることはありません。

基本的に卵で越冬し、4月ごろに幼虫となります。脱皮を経て、成長します。

ちょろちょろと素早いスピードで這いまわり、一番活動するのは5月〜6月頃です。7月以降はどんどん減っていき、秋になるとほとんど目にすることはなくなります。

名前の由来の「タカラ」ですが、子どもたちがセミを捕ったときに体に赤い小さなものが付いているのを見て、それがたくさんついているとお金持ちになれるというので「タカラダニ」と呼ばれるようになったそうです。

縁起の良さそうな名前ではありますが、潰してしまうと赤い体液によって染みが出来るので、座った際に衣服に付着した場合や、ベランダで取り込んだ洗濯物についている場合、潰さないように振り払うことが大切です。


困った時は

保健所への相談件数の1割が、このタカラダニというデータもあるようです。 

それではこのタカラダニの駆除方法は?

(1)水をかける

ホースなどで水をかけてタカラダニを流してしまいます


(2)殺虫剤をまく

効果はてきめんですが、薬剤による周囲への悪影響がないかを注意する必要があります。


(3)エサを取り除く

前述のように苔などを好むので、それらを取り除いてしまうことによっていなくなる可能性があります。


(4)箒で掃く

タカラダニを潰さないように優しく掃き出すことで追い払います。エサの一つにである花粉も一掃出来ると効果が期待できます。


おわりに

直接的な害はないものの、受け取り方は様々。

出来ればお引き取り願いたい侵入者であることが圧倒的に多いでしょうが、

その前に肉眼やルーペでもって彼らを観察してみて下さい。

鮮やかなボディで懸命に生きている姿をみると、我々が過ごしている人間社会のことだけを中心に考えがちな己へと、世界の広さを感じさせられることに繋がります。

彼らはまだ世の中は「タカラ」が沢山潜んでいる希望に満ちた世界であることを教えてくれているかのようです。


おしまい




いいなと思ったら応援しよう!

pirokichi
最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。