北川拓実主演『火の顔』を見て
吉祥寺シアターにて
3/25〜3/29 全9公演
原作:マリウス•フォン•マイエンブルク
演出:深作健太さん
翻訳•ドラマトゥルク:大川珠季さん
行かせていただきました。早速火の顔ロスです。
感想が止まらないのでここに纏めさせていただきます。伝えたいことはファンレ書くけど伝えるまでもないことはこちらに
↓↓↓
今回そもそも、舞台期間と自分自身の人生のお休み期間とがちょうど重なって。もうこんな機会は二度とないな〜と思ったので、ここぞとばかりにがっつり伴走させてもらった。
普段は仕事あるしここまで現場通えないから、最初で最後ですね…ほんとに素敵な経験でした…
既に日本で出ている(別の翻訳家さん)本で予習していったので、内容は把握してたけど、正直ジャニーズ主演でちゃんとここまでやると思わなかった…。
でも、見られてよかった。
いろんな切り口がありすぎるので重複覚悟でいろんなトピックに区切って語る。
・演技
他のキャストさんがめちゃめちゃに舞台慣れされてる中で、初演技初主演。
演劇に精通してるわけではないのであくまでも客目線だけど
異質な様子をうまく演じられてたのかなと思った。初演技だったからこそあのクルトができたのかなと。
たぶん、ここで舞台慣れしている人があのクルトをやったら、なんというか…わざとらしくなりそうだなって。
拓実くんは表情とか目線がとても上手だなと思った…!
最初にオルガに翻弄される部分や、パウルや家族に対する"目"がすごかった。
え…ちょっと待って…早速感想が小学生すぎない??大丈夫そ???読書感想文かよ…すいません…
・美
この世に美しいものってたくさんあると思うんですけど、私は忍者界隈くらいの子にハマってからは少年の美しさに翻弄されております。
今回拓実くんは終始裸に白シャツ・白いスウェットズボン。
美しい男の子×全身白 is 尊い。
(そこから上裸になったり、コートを羽織ることはあったけど)
所謂悪役(なのか?)なのに、ずっと美しいんですよね…。
スポットライトが当たるときも、炎に照らされているときも、怒り狂ってるときも。
↓これツイートしたんですけど、マジでこれなんですよね。
舞台に立っている拓実さんは自分の美しさに気づいてないんだろうな…って思いながら切なくなりました。
まさに宇多田ヒカルのbeautiful worldなんですよね…
(突然の宇多田ヒカルwwww)
光に照らされる中、闇を生きるクルトを演じる拓実さんを、1ミリのブレもなく見つめる。この世界はほんとに美しかった。。。
真空パックして保存しておきたかった。なんというか…刹那的でした。
パウルに自分と姉の関係でマウントとってサングラスでマイク演説したあと、ステージ中央でこちらに背を向けてポッケに両手を突っ込んで立ってるんですけど…。めちゃ好きですそこ。癖。
・北川拓実
今回皆さん言ってたけど、初っ端からお辞儀するまで完全にクルトなんですよね。北川拓実ではなくてクルト。だから、拓実さんに会えるのはお辞儀から顔を上げた瞬間で。この急に北川拓実が現れる瞬間、地獄に突き落とされた観客が一気に救われる…。
初日は顔を上げた瞬間、めちゃめちゃ可愛い照れ笑いをして、まわりキョロキョロしてた。
そして天使のお手振りで観客をキュン死させてました。
やはり神がこの世に残した最後の天使なのかな…やっぱり国で保護しよう。いや、世界で保護しよう…。
毎公演後必ず挨拶で一言二言話してくれて。まあ大体何言ってるかわかんなくなっちゃってたんですけどね…いちいち可愛い。。。全観客が産んだ。。。
でも千秋楽のときだけ、顔を上げたあとの顔つきが違って。全然笑ってなくて、凛々しい表情をしてた。やり切った、と思えたんだろうね…
泣いてこそいなかったけど、おめめの水分量は多めでした。
・アフタートーク
26日夜は、納谷さんがいたからか、年上お兄さんにいじられるきゃわいい拓実さん見られました。
深作さんは終始拓実を褒めてくれて、たくさん期待してくれて。ずっと思ってたけど、こんな素敵な人に愛されて育ててもらいながら難しい舞台に挑戦できて、ほんとによかったね…って思いながら見てた。
タップダンス披露したり、忍者の中では黙る役な話…
納谷さんもたくさん話振ってくれたり褒めてくれたり。
この公演は皇輝くん織山うっちーがきてくれてて。
皇輝くんはMCにも参加。(笑)
拓実からの「織山」が聞けたのでもう生きててよかったなって思いました。
28日夜は、大川さん深作さんとアフタートーク。
大川さんはおしゃれオーラやばくて、センスが溢れてた。自分なりの美学を確立してる人ってなんで見ただけでわかるんだろう…。
翻訳意図の部分とか、深作さんのこの作品への思いも聞けてうれしかったな。
まあ当の本人はヒトラーが何したかもあやふやだったんですけどね(すき)
拓実さんて考えてるようで考えてなくて、考えてないようで考えてる…そんな子なのかなと勝手に思っています。だから拓実くんの思考を想像するのは到底無理。。。
あとこの回ではすきなアーティストの話を深作さんが振ってくれて。
尾崎豊が好き、Forget-me-not が一番好きと。
わあああああ天才。大好き。私も一番好きな歌だったから、ほんとにうれしくて。終わってから火の顔サントラと尾崎豊リピートしてるのは私だけではないはず。
そして粋な計らいをいただき I Love you をアカペラで…涙
「軋むベットの上で~~愛がしらけてしまわぬように」まで。
・学び
まぁ拓実くん自身が楽しめた、自分が大きくなるための一歩、この作品が宝物…と言ってくれたので、もうヲタクは何も言うことはないですけどね。。
ひとつのものに対して本気で取り組んだ と言っているのを聞いて、BBAは泣きました。
本気で取り組んだことは楽しいし財産になる
ことを17歳の推しに、改めて教わった。
自分自身がキャリアチェンジのタイミングだったのもあって
まだまだがむしゃらに挑戦していきたいなって。本気で取り組むことを諦めたくないなって。火の顔に挑戦する拓実さんを見て、自分もかなり励まされました。
拓実さん、感情をあらわにする後半が好きだったとのこと。
前半のシーンは最初はさすがに動揺したし辛いなと思ったけど。思春期にこの難しいシーンを演じた経験てとんでもなく貴重だと思うし
何回か見るうちにすごく必要な演出だなと実感するように。
17歳のジャニーズの男の子が、こういう役に体当たりで臨んだことがすごい。
少年、尊い。
子供は大人になれるけど、大人は決して子供には戻れない。
これを考えざるを得なかったです。
・カンパニーの皆さん
一回母を連れて行ってるんですけど、私は比企理恵さん世代だから♪って見られるの楽しみにしてたみたいだったのでよかった。
比企さん中野さんの素晴らしい演技の中クルトの爆発がみられてよかった。
パウルは納谷さんのちょいちょいのアドリブとかテンションが好き。直江さんは高身長で迫力があって大浦さんとの身長差最高でした。
そしてオルガ。お二人ともすごすぎ。長台詞もすごいし、体からとんでもなくエネルギーが出続けていて。てか大浦さん30代はさすがに嘘だよね???若すぎる…。
「私はいま、ここにいるんだ。」
この3連続セリフが大好きで大好きで。こんなに気持ちいい演技をしてくださってありがとうございますうううって思いながら
オーラス、小林さんの全力で叫ぶこのセリフ聞いて泣いた。
あとは音楽も、生演奏もあって臨場感がすごくて。マイクがキーンとなる演出とか。火の照明とか。。あとは小道具もね、、、すごくこだわりを感じて、すべては理解できないと思うけど理解したいなと思わされた。
◎火の顔について
かなり色々な解釈ができる物語で、それは観客が各々考えて、と納谷さんが仰ってた。
考察とかは苦手なので、気になった箇所だけ浅はかに言及。。。
言葉にすることは有限にすることなので…想像は無限に広がるけど、文字に起こすとそこにとどまっちゃうような気がして。まあ書くんですけど。(書くのかよ)
この世の悪いこと(戦争や差別)をつくってきた大人たちへの批判
少年のクルトが"性"を通じて子供→大人へ自分自身が変化していくことに対して葛藤する中で、
ヘラクレイトスに傾倒し万物の源である火=生きると捉え考えに歪みが生じていく…
ヘラクレイトスの世界観は静的な調和ではなく、対立から生まれる協調が本質的である
という考えなので
本来は大人に対する批判から純粋な平和を望むことができればよかったのに…世界を炎に包む力こそ協調・平和だと考えてしまった…
序盤の"あいつらみたいになりたくない"
お母さんお父さんのせいじゃないよね?に対する表情
あいつらに捕まったんだ
ヒトラーと原爆。1945年の話。ヒトラーが自殺したのも1945年。「僕が生まれた時の話をしよう。」クルトの存在って…。
バンクシーの絵。火炎瓶の代わりに花束を持つ男の絵と、五輪を盗む絵が置いてあった。
ノイズはお姉ちゃんのほう
火=生=性
死んだ人間は冷たい、もう燃えていないから。
母に甘えるシーン。意味深すぎて。
奥のベットでは父と母を分断
手前のベットではオルガとパウルを分断
させたかったのかな…?
他にも考えなくちゃいけないことがたくさんあるんだろうけど、考えることを放棄した…ワシ…
とりあえず歴史勉強しないとなって思いますた…
・好きなシーン
クルトが言ったセリフで好きなのは
上にもちょっとあるけど、生きてるって〜のところ。ここは今の若いひとにも響く部分だから、考えさせられた。
人は皆他人との関係をもって、影響を与えていると感じることで生きてることを実感する。
しかしそれは間違い。他人と自分の区別がつかなくなる。クルトは分断する、関係を断ち切ることこそ生きることを実感することだと考えた。
クルトの感情爆発が気持ちよくて大大大好き。拓実くんも好きみたいで余計好き。
クルトとオルガの放火シーン。
ここも大好物。叫ぶオルガ。クルト。上にも書いたけど、「私はいま、ここにいるんだ。」
生きることを全身で感じる2人。こっちにもエネルギーが伝わってくる。
ラストの自殺シーン。戯曲本の後書きで、この部分は、西欧近代の劇文学の伝統に立つ作家の誕生を告げている って書かれていて。
深作さんは、俳優北川拓実の誕生を描きたかったのかな、、なんて勝手に思ったり。しました。
舞台『火の顔』9公演
全力で全身で浴びて楽しませていただきました。
この舞台に関わった方に感謝です。
そして拓実くん。
本当にお疲れ様です。そして最高でした。拓実くんだからあのクルトを演じられて、周りを巻き込めて、素晴らしいものになったんだと思います。拓実くんの人柄と、努力と、本気が、あの舞台を作った。
拓実くんにとって宝物だったように
ファンの皆さんにとっても宝物だったと思うし
これからもっともっといろんな作品にチャレンジする中で、この作品はとんでもなく大きいものとして、確実に残り続ける。
そこに立ち会えて幸せでした。本当にありがとうございました。
(重すぎワロタ)
(コロナ禍でストレスもあったと思うので、たくさん将聖を摂取してリフレッシュしてくれるといいな)
ぴょんす
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