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好きを追いかける
台湾人のイラストレーター、高云さんの「緑の歌」はまさに”好きをおいかける”を描いた作品で、台湾の女子高生、緑がはっぴいえんどの「風を集めて」をきっかけに、好きを追いかけていくストーリーを描いている。
好きを追いかけていくと人生は豊かになる。いいことがある。信じられないかもしれないけどそれは本当のことなんだ。まだ緑は20代だけど続けていくと生業にもなる。多分に自伝的なストーリーなので、実際そうなったのだろうけど。
コロナが落ち着いてきてライブが開催されるようになった。ワクチンも3回うったし、オミクロンにはかかったし今のぼくに怖いものはない。
「朝鮮音楽の祭典」というライブが先月都内で行われた。北朝鮮の音楽を13曲。温故知新をテーマにしているので、ちょうどぼくが北朝鮮を追いかけ始めたごく初期に出会った曲も演奏された。
「김일성장군의 노래」(金日成将軍の歌)「김정일장군의 노래」(金正日将軍の歌)「조국찬가」(祖国讃歌)。最後は세상의 부럼없어라」(この世にうらやむものなし)。
特に金日成将軍の歌と金正日将軍の歌はなかなか本国の公演でも聴けない。日本人ならまず聴けない。このセットリストを見た瞬間、電流が走った。その日の晩に予約を入れ、次の日にお金を振り込み、「入金確認して欲しい」と電話までした。
さらに某在日系新聞社に「ライブレポート書かせて」とメールしたが返事がないので、某在日系雑誌の元編集長に泣きつき、現編集長を紹介いただき「書かせてください!」と頼み込んだ。
快諾してくれた上にチケットまで用意するといわれた。しかしチケットはもう買ったので大丈夫だった。2ページ2000字。しかもカラー。ぼくの熱量にしっかり応えてくれた。
北朝鮮を追いかけ始めたきっかけは高校生の時に聞いた平壌放送だった。色々間違っている気もするが、ぼくは憤然とひとり無慈悲なる北上を始めた。工作員といわれて、実際公安関係者の接触もあったし、在日朝鮮人からも「公安か。それとも南か」と真顔で聞かれたことがある。怪しまれても避けられても、本国で怒られても、ぼくは追いかけまわした。
気がつけばいい歳になっていた。でも間違ってはいなかった。北の音楽を聴き始めたぼくの夢は作家になることだった。若干北にぶれた気はするが間違ってはいない。そして、まさか在日系雑誌、つまり雑誌イオに日本人なのに堂々とライブレポートを書かせてもらえるなんて。同時期に奈良での講演が決まった。
40代のおっさんの週末は講演の資料作りに追われた。自分の講演用メモをまとめて、年表を作った。ファクトチェックは明日以降。
今回の講演、めっちゃおもろいです。自分で作っていてこれだけ作りこんでて楽しいことはありませんでした。
そして雑誌イオ7月号にライブレポートが載ります。ライブレポートの文章もすごくよく書けました。あそこまで筆が踊ったのは久しぶりの感触。編集部もほぼ直しなし(5か所。うち2か所はぼくの氏名と肩書表記)。まるで生ビールみたいな記事です。
■ 北のHow to その144
「朝鮮音楽の祭典」。当日は最寄りの参宮橋駅から既に朝鮮語と日本語のチャンポンが聞こえる状況。ライブは始まりからドキドキするものです。ぜひ機会があればこの独特なことばにも親しんでいただけたらと思います。
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