マビノギとヌーと私 (ボブよりのお題)
「なぜ突然マビノギとヌーなんだよ」というところから説明をしなければならないというハードルの高さよ、私は物書きではなく、リハビリのために文章を作っているだけなので、このお題の難易度の高さに泣いています。
さて、少し昔話を。
私が約10年前にマビノギを始めてしばらくのちに配信を始めた折、所属していたギルドは配信についてはグレーゾーンでした。
ゲームの仕様上、ギルドチャットなどが配信画面に映ってしまうことも鑑み、それまでお世話になったギルドを卒業し、新しく配信用ギルドを作ることにしました。正直なところどんなギルド名でもよかったのですが、せっかくなのでギルドメンバーに決めてもらおうと話し合っていたところ、今は引退して(結婚して幸せに暮らしている)当時のサブマスがぽつっといったのが「ヌーの休日」。
実はこれtacica(タシカ)というバンドの曲名なのですね。ボーカルの奥さんはチャットモンチーの橋本さんです。
https://www.nicovideo.jp/watch/nm4373809
OPとかEDに合いそうな良い曲です。
ヌーっていうと、動物のドキュメンタリーを見た方なら目に浮かぶ風景かと思いますが、アフリカの大地を大移動しながら生きていくウシ科の動物。だいたいドキュメンタリーでも、クローズアップされるのは、大移動中に大きな川を泳いで渡っていく群れが、ワニに襲われたり溺れたりしていて、脱落していくヌーがいる様子。子ども心にあの映像と南極物語は大自然が厳しすぎるとトラウマです。正直そのおかげで、ヌーって言葉とその動物を知っていますよね。
あのヌーの大移動、最初から大所帯というわけではなくて、移動しているうちに、少しずつ増えてくそうです。移動中の群れが近くに通りかかると「お?うちらも行っちゃう?」という様子でいろんな群れが合流して大所帯に。
奇しくもうちのギルドは、最初こそ最低人数でひっそり始まりましたが、配信で企画したイベント参加をきっかけに、メンバーが増えていきました。特に多かったのはギルドに入るために、他鯖からタルラークに移住してきたパターンが多かったです。
マビノギユーザーならご存じですが、もともとマビノギはキャラクターの育成に非常に時間がかかるゲーム。当時はキャラクター育成の難易度も緩和されていなかったので、活動していたメインサーバーを変えて、新たにキャラクターを作りなおすのは、いわゆる「よく訓練されたミレシアン」こと、マビノギヘビーユーザーでも根性がいります。サーバー移動してきた人たちは特に猛者ですね。
このように名は体を表すとは言いますが、ヌーのように走り抜けていたら人が増えていた、そんなギルドだったと思います。ありがたいことに、平和で独立心の強い成人のメンバーがほとんどだったせいか、それぞれにキャラクターを育成しながら、ゆるゆると助け合いをして心地よく過ごしていました。私にとってマビノギ=配信の思い出ですが、何年もマビノギ一本だけで配信ができたのもギルドが、平和だったからではないかなと思います。もっとも、ギルドが持った一番の理由は、メンバーが「ギルマス仕事しろ」と言わない優しさですね。
今は私を含め、メンバーはほとんどインしておらず、別のゲームを楽しんでいたり、仕事に没頭したり、結婚したり、子供が生まれたり、それぞれに過ごしていて、よくある亡霊化したギルドになっています。
もうギルドを解散してもいいじゃないかって言われたりもしましたが、在籍したまま病気で亡くなってしまったメンバーも居て、本当は死んでないんじゃないかな、ひょっこり「嘘でした」って戻ってくるんじゃないかなと思っていまだに解散せずにいます。残念ながら彼女が亡くなってから何年もたちますが、オンラインになることは今もありません。
とはいえ、デジタルの良いところは、キャラクターという形であったり、ギルドという形であったりで、誰かが生きていた名残が残るというところなのかもしれません。生きていても死んでいても、ああこういう人もいたな、あんな時もあったなと思いだせる場所があるのはありがたいことです。私もまだほそぼそでも配信を続けている理由も、そういったところもあると思います。マビノギが終わるまで、せっかくメンバーとご縁があってできたこの群れは、ぼんやりでも残しておこうと思います。時々はマビノギ配信しようと思いますしね。
メンバーも見ていたら、たまには思い出してね。
というわけで、マビノギとヌーと私 完
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