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ジェンダー平等について


 先日の森氏の発言問題を発端に、ジェンダー平等について耳にすることがにわかに多くなりました。日本では長いあいだお茶を濁す程度に取り組まれてきた印象のこの問題、多くの女性が一度ならず性差別で嫌な思いをされた経験があるのではないでしょうか。私は「女性の方が」とか「男性の方が」とかいう考えは無く、それこそ適材適所で、男女それぞれが得意な分野で力を発揮できれば良いと考えていますが、それが実現できていないところに問題があります。

 近頃は新しいお客様にお会いしても、「男の人いないの?」なんて言われることは無くなりました。これは私の年齢が関係しているところもあるでしょうが、30数年前、私が仕事をし始めたころは、客先の方にそんなことを言われることもありました。一番印象に残っているのは就職活動の面接の時で、「残念ですがうちは君のような男の子が欲しいんだ」と言われたことです。こればかりは自分ではどうしようもないので、悔しいというよりは「なんて理不尽なんだろう」と感じたことを今もよく覚えています。今こんな発言をしようものならその企業が叩かれ、不買運動が起きたりして大変な問題になることは想像できますが、先日の発言問題を受けても、男女格差の改善が30数年経ってこの程度の進み具合ということを残念に感じています。

 30数年前よりは男女格差が少なくなっているように感じなくもないですが、日本のジェンダーギャップ指数(男女格差を測る数値)が、世界で何位くらいにあるかご存知でしょうか。世界経済フォーラムが2019年12月に公表した「ジェンダーギャップ指数2020」によると153カ国中121位で、前回は110位だったので、なんと後退しているのです。この指数は経済、政治、教育、健康の4つの分野から作成されていて、日本は教育と健康についてはある程度の値を出してはいますが、経済と政治の分野においては弱く、中でも政治の分野では153カ国中141位と惨憺たる結果です。

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 世界人口の半分は女性です。その半分を占める女性の能力を認めないで、世界が発展すると本当に考えているのでしょうか。不思議でなりません。なぜジェンダー平等が大切なのかということを皆が理解しない限り、この問題は改善されません。それは女性や男性という差別なく、生きとし生けるすべての人々が持てる能力を発揮して世界を動かさなければ、持続可能な世界の実現は不可能だからです。もう女性だからとか言っている場合ではないのです。もっと相手の個を見つめ、尊重し、いかにすればその人の能力を生かせるかということに注目してください。そこから必ず世界は変わるはずです。


※男女共同参画局ホームページより引用

一般社団法人SDGsソーシャルデザイン協会
https://sdgssda.or.jp/

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