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#小説
まどかの暴露 「メンズエステが男をクズにするのか」
客たちは自分の裸を鏡で見たことがあるのだろうか。
自分の体臭を嗅いだことはあるのだろうか。
世間の女性からどのように思われているのか知っているのだろうか。
大宮のメンズエステで働くまどかは、客たちと接して常々そういう疑問が生じる。
客は自分勝手だ。
口コミサイト、掲示板、有料ブログでは、セラピストの容姿をデブだとかババアだとか、こき下ろしている。
だが、大抵そういう客たち
ノアの暴露 後編 「ノア流:俺様客への対応方法」
ノアのメンズエステ歴の中でもうひとり、殴ったことのある客がいる。
その男はカナダ在住の日本人ビジネスマンで、日本には年に一度しか帰ってこないらしい。
つい最近、カナダ人女性と離婚したそうだ。カナダでは価値観が合わないことも多く、寂しい思いで過ごしていると言ってきた。
見た目はいかにも仕事が出来るタイプ。
若い頃のベッカムのような髪型をしていて、目鼻立ちのはっきりとした顔だが、髭は
ノアの暴露 前編 「ノア流:糞客への対応方法」
メンズエステのセラピストたちが皆女の子っぽいわけでもない。
客の前では可愛い女性のフリをしているセラピストは多々いる。
そして時には、客とも激しい喧嘩をする。
新宿で働いている美人ではないがエキゾチックな顔立ちで男受けする、ノアという24歳のセラピストは店で1位2位を争う人気セラピストであったが、気性が激しく、少しでも気に食わないことがあると相手にそのことを強い口調で指摘する。
美月の暴露 「超有名俳優 糞客の極み 山●裕●」
メンズエステは様々な年代、業種から贔屓にされている。
当然、場所柄によっては、芸能人がよく来る店もある。
メンズエステの芸能人と言われて思い浮かべるのは、新井浩文ではないだろうか。
新井は派遣型マッサージ店の30代女性セラピストに乱暴したとして強制性交罪に問われ、一審(東京地裁)で懲役5年の実刑判決を受けた。
他にも松坂桃李の名前を思い浮かべる人もいるかもしれない。
松坂桃李の
はなとゆみの暴露 「なぜ貧乏人ほど金持ちアピールするのか」
銀座で働くはなは今年四十になるが、見た目よりかは五歳は若く見える。
ただし、喋らなかったらだ。
目鼻立ちが整った顔立ちだが、笑うと出来る皺は実年齢を刻んでいるし、話題はどうしても四十代で、豪快に笑う様などはもうオバサンだ。
いつまでも若くないことを感じていた。
まだ二十代のころはよくナンパされていたが、最近はまったくない。
つい最近まで若い子はナンパしなくなったと思っていたが
ゆうきの暴露 「馬鹿でも小金持ち」
ある夕方のこと。
メンズエステの出張マッサージ店に勤める、清楚系が売りのゆうきが派遣されたのは白金の高級住宅街の一角にある三階建ての一軒家だった。
殺風景な庭も含めて80坪ほどある比較的新しい家だ。
呼んだのは、この家にひとりで住む四十代後半の男だった。
彼はハイブランドの服装を纏っているわけではなかったが、身なりを綺麗にしていた。
言葉遣いも丁寧で、あまり偉ぶる様子もない。
店長兼セラピストかすみの暴露 最終話 「大物AV女優がいる店の真実」
もうすっかり秋だというのに、まだ半袖でも過ごせそうな暖かな日であった。
世の中は新型コロナウイルスの第三波による感染者数が増えていたり、プロ野球ではソフトバンクホークスが日本シリーズで四連覇を果たしていた。
かすみは都内某所の小洒落た喫茶店で、他のメンズエステ店の店長兼オーナーの三十代半ばの女性、祥子と近況を話し合っていた。
「コロナの影響どう?まだ続いてる?」
かすみはきいた。
店長兼セラピストかすみの暴露 5話 「行き過ぎた戦慄の恋」
あれは二年前の春のこと。
その日、かすみは珍しく稼げない日で、深夜に事前予約が一件入っているきりだった。
その予約の客は、初めてお店に来る人だ。
勿論かすみも初めて会うのだが、通常初めましての客だと90分コースか120分コースで予約するのが一般的であるのに、この初回の客は240分、4時間の予約を取っていた。
偶におしゃべり好きの方が150分の予約を新規であってもする事はあるが
店長兼セラピストかすみの暴露 第4話 「史上最狂の面接応募者」
日がだんだんと沈んできて、空は真っ赤に染まっていた。
かすみはいつも面接の場所に指定するカフェで、入り口が見えやすい席に座っていた。
だが、約束の時間を過ぎても中々来ない。
(これはまたドタキャンかな)
とりあえず電話を掛けてみようと思ったその時、入り口から一人の女性が来店してきた。
遠目からでも分かるゴワゴワの金髪に、体型のせいで白い花柄が伸びて変形している膝丈のノースリーブ
店長兼セラピストかすみの暴露 第2話 「かすみ」
かすみは青森の侘しい農村で生まれ、実家は貧乏だった。
新しい物を買ってもらったこともなければ、お年玉だってお札でもらったこともないくらいに家計は困窮していた。
それも全て、父親の借金のせいだ。
貧乏は悪いことではないと思っていたが、不便であった。
たとえば、何を買うにしても、これが欲しいから買うというわけではなく、ただ他のどれよりも安いからという理由だけに縛られた。
だからと
店長兼セラピストかすみの暴露 第1話 「インド好きの女」
午前10時ごろ、日本の空は冬の曇天模様に包まれていた。
風が冷気とともにまゆの顔に吹き付ける。
空港の外に出ると、人々は白い息を漏らし、風がそれを散らしていく。
まゆはリムジンバスを待ちながら、かすみという店長兼セラピストの女性に電話をした。
「もしもし、かすみさん、まゆですけど」
連絡をするのは、実に半年ぶりだ。
ふたりは同じ年だが、メンズエステ歴はかすみの方が長く
レオナの暴露 「恋愛するなら客とだけ」
客なんて、ただの金としか思ってないセラピストは少なくない。
上野の店にいるレオナは、客としか付き合わない。
彼女は30歳、独身で、セラピスト歴7年目のベテランである。
週に5日ほど出勤している。
他に定職には付いておらず、将来はメンズエステではない男女兼用の美容エステ店を開きたいと考えており、色々なマッサージの資格を働きながら取っている。
東北の田舎出身で、いまだに垢ぬけてい