「自分だけの答え」が見つかるアート思考
コロナ禍もあり、経済も生活も先行きの不透明な社会情勢の昨今ですが、変化の中にあっても自分なりの正解を持って物事に当たるにはどうすればいいでしょうか。
世の中の変化を臨機に捉える感性が必要な気がします。しかし、感性ってどうやって磨けばいいのか分からない。
そこで、末永幸歩著 「13歳からのアート思考」を読みました。
本書プロローグから、
「ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、こうして「自分のものの見方」を持てる人こそが、結果を出したり、幸せを手にしたりしているのではないでしょうか?じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら「自分なりの答え」を作れない人が、激動する複雑な現実世界のなかで、果たしてなにかを生み出したりできるのでしょうか?」
著者は国公立の中学・高校で「美術科」を教えている先生ですが、「アーティスト」は、作品を生み出す過程で、次の3つのことをしている、と言いっています。
1.「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
2.「自分なりの答え」を生み出し、
3.それによって「新たな問い」を生み出す
本の中では、読者にたんぽぽの絵を描かせたり、自分の自画像を描かせたり、逆に「マティス夫人の肖像」を見た後「アウトプット鑑賞」をさせたりと、読む人にアウトプットを要求してきます。
「アウトプット鑑賞」は作品を見て、気づいたことや感じたことを声に出したり、紙に書き出したりするトレーニングです。
ピカソの絵にダメ出しをしたりするお題もあります。
そうしたアウトプットを通じて、自分自身の「自分なりのものの見方」で世界を見つめることを促します。
たんぽぽの花の、地面の下にある、表面には見えてこない「興味のタネ」と「探求の根」に目を向けて、「真のアーティスト」の動機について語ります。
そして、革新的なアーティスト達がどうやって「自分なりの答え」を生み出し、
それによって「新たな問い」を生み出したのか、解き明かしていくという刺激的な内容になっています。
読む前の自分は、美術館で絵画をどう見れば「正しい鑑賞」の仕方なのか分かっていなかったのですが、読後は「自分なりのものの見方」を持って、たくさんの切り口で絵を見ることができるようになりました。
タンポポの地下にある「探求の根」を是非、育んで行きたいと思います。
ありがとうございます。引き続き、情報発信をしてまいります。