ありがとうNAO。TAKEを求めて今、ヲタクは何を思う
こんにちは。
長くなる予定の記事である。推し(AVESTのNAOこと、土屋直武)のAVEST卒業が2023年12/22に迫る中、重い腰を上げ、1か月前の今日(2023年11/22)この記事を書き始めた。
俳優としてやっていくならいいじゃないか!と思われる方も多いかもしれない。まあ、私もそう思わなくはない部分がゼロかと言われるとゼロとは言いきれない。しかし、歌って踊って、仲間たちと汗を流す様や特典会でヲタク回転寿司を器用にこなしていく様、直武との1分もない接触のために登山と呼ばれるほどの列をひたすらTwitterをしながら並ぶこと、その列の長さ、その全てがその日をもって終わってしまうのかと思うと、高々半年程度しか応援していない身であっても十二分に寂しく、悲しいのである。
彼をデビュー当時から見守っているファンであったらその悲しみは一入だろう。
笑顔で卒業!と言いたいところだが、無理だろうなというのが今の心境だ。何故だろうか?
先日の名古屋でのBest Night Tourの際のヲタクのTwitterを見て欲しい。
単純☆接触厨〜〜〜!!!!
はい。結局そこだよ。そこしかないよ。
ヲタクは元来接触厨であった。それは遡ること11年前(……11年前?!?!)。SexyZoneがデビューする頃、女子学生としてブイブイ言わせていた私は、親から貰った現金を片手に友達と毎週のように行われていたSexyZoneの握手会に足繁く通っていた。11年前から何一つ成長してない、金の出処が弊社になっただけ。
「中島健人 握手会 伝説」とか、適当な言葉で調べてもらうのが早いんですけど、ゴリラのようなFC(ファミリークラブ)の姉ちゃんの剥がしに耐えながら、当時うら若き乙女であった私は、日々3秒もない一瞬の接触を楽しんでいた。 当時のSexyZoneの中での担当は菊池風磨であったのだが、私は接触の度中島健人にめろめろになっていた。だって、剥がしに突き飛ばされたら「大丈夫?プリンセス───」って言うんですもの、お姫様になっちゃうでしょ。オホホ
さて、そんなこんなで接触イベの虜となってしまったヲタク。時は流れメン地下(ダンスボーカルグループともいう)のNAOと出会う訳である。詳しくは下記を参照されたい。
直武の話をしようか。
まあ、私が直武の虜になったのは接触が沢山あるから!という理由だけでは無い(当たり前だよ)。簡単に言うと「彼の表現する力」の虜になっていたのだ。接触の話に少し戻るが、私は奴とツーショットが撮れる、話が出来る、という所に接触の際重きを置いていない。ズバリ「エチュード」が見られるから。これである。
ある日のヲタクのツイートを見て欲しい。
いや〜〜〜〜めちゃ良くちゃ良くって、全身の表現が(いや、そう言うなら全部晒せよ)。
この日私は初めてピンショが撮れるということを知り、「可愛い感じで!」とお願いをした。両手のピースを顎元に置き、ウインクをし口をすぼませる。100点の可愛さである。瞬時にこの100点の「可愛い」を叩き出せる男の表現力を引き出すために何ができるのだろうか。当時、直武笑顔を見せることが少なかったのもあり、思い切り歯を見せて笑って欲しいなという気持ちを持っていた。そんな中、古のアイドル雑誌のような「夏らしい弾ける笑顔」という文言が脳裏をよぎり、それをオーダーするとまた、100点の「夏らしい弾ける笑顔」がしっかりとカメラに収められていたのである。この時をきっかけに「俳優 土屋直武」の表現力に、ヲタクはメロメロになっていく。
上記したTwitter記事が一番私の気持ちとして上手くまとまっているように思う。
何気ない日常や、突飛なシチュエーション、概念、エチュードの設定はさまざまである。限られた時間の中で、私の考えた言葉を直武がその場でキャッチし、咀嚼し、表現する。それがたまらなく私には楽しかった。毎回私は、ある程度どんな顔、ジェスチャーをするのかと考えてエチュードを提示するのだが、それとは大きく違うことも少なくない。その度に私は「こう表現するのか……」と土屋直武の表現力に感服し、唸り、感動していた。これを世に流さないことは最早不敬であろう、そう思えるほど毎回その表現に感動しているのである。
私は10年近く同じアカウントを運営しているが、このアカウントで流すことにも意味を持っている。ジャニヲタ時代から、特撮ヲタクの時代から、さまざまな時代から私のことをフォローして下さっている人がいる。この人たちにも、この表現を見せる必要がある。あわよくば土屋直武を知ってもらいたい、ほぼヲタクのエゴであるが、ヲタクとしてやれることはこれくらいしか無いのも事実なのだ(おかげで特典会の際におすすめで見てます!等声をかけられることもあり、嬉しさ反面申し訳なさも抱えるヲタクなのであった)。
エチュードに魅せられてはや半年毎度「エチュードなんですけど」から始まる狂気の特典会、この楽しい時間も12/22をもって一旦の区切りとなった。直武には「来年も沢山エチュード撮りましょうね」などと言われているが、頻度が落ちるのは嬉しいこと(舞台が増えたということなので)ではあるが、寂しい事実は拭えない。そんな中、土屋直武という男はホスピタリティの鬼であるため、ヲタクとの特典会でこんなことを述べていた。
た す け て
こんなにも沢山のものを貰っているじゃないか。それなのにヲタクという生き物は化け物のようにもっともっとと、寂しいと、喘ぐのである。この化け物を作ったのは紛れもなく土屋直武と言いたいところだが、彼はただ与えられた仕事をしてきっかけを作ったに過ぎない。その元凶は私自身なのである。私はよく特典会やメンズ地下アイドルのことを「麻薬」と例えている。1回の興味で沼に引きずり込まれ、もっともっとと回数が増える。依存する。それを公式が良しとし、幾万の金が動く。金を動かすために男は必至に女を誑かし、会場の端にいる女を見つけては、アイコンタクトをする。特典会でその話でもしたもんなら勝ちである。女は札束を握り、特典券にそれを変える。あえて怖い言葉を羅列したが、AVESTというアイドルであった直武も例外では無い。上記の言葉も誑かしのひとつなのかもしれない。そう冷静に思う私もいる。しかし、今はまだ夢の中で彼との数十秒の交流を楽しみたいのである。薬物と同じ、束の間の快楽を得ているだけなのである。
昨日、12/22に池袋のharevutaiにてBEST NIGHT TOURが行われた。
いつもとは異なってさまざまな演出がなされる中、いつも通りの緩いMCと、ヲタクの心中は終始穏やかではなかった。寒いし。
なんとか端の方ではあれど前方に留まることの出来たヲタクは、そのAVEST現体制最後の姿をひしと噛み締めていた。
MC中「泣かないで」と直武が言っているのが印象的であった。
そんな中、前日、私の青春時代を彩ってきたA.B.C-Zから河合郁人が脱退したのもあり、多量に流れてきたツイートの中にあった言葉を思い出した。
「脱退が寂しいんじゃなくて5人での姿が見られなくなるのが寂しいんでしょ」云々。
単純に接触厨だからこんなに寂しいのかと思っていたが、人間というものは実にややこしく出来ているらしい。この4人見られるの最後なんだ、そう思うと涙がぼろぼろ出た。嗚咽は我慢したが拭いきれぬほど泣いていた。マフラータオルってこのためのものだったんだ、と少し思った。飛び散る汗ももう見納め、ヲタクの表情を見ながらコロコロと表情を変えるメンバーも、もう見納め。新体制のAVESTの披露もあったが、正直それどころではなかった。笑顔で終えたかったのに、苦しかった。接触が無くなるから寂しいという単純な気持ちで居られれば、もう少し気持ちは軽かったのかもしれない。知らぬうちに、AVESTのメンバーに固執している私がいたのである。
AVESTのNAOとしての特典会の時、直武に「泣かないで、笑って」と言われた。泣いていたところを見られていたのである。
今はまだメソメソムードのままかもしれない。
それでも時間は進んでいるのである。
その進む時間が、寂しさを薄れさせてくれることを今は切に願っている。
AVESTのNAO、ありがとう。
そして、卒業おめでとう。