大船 渉インタビュー【WRESTLE PHENIX特集】
B.B.アームズはまさに言いなりの機械、魂がない
――第1試合でB.B.アームズ選手とのシングルマッチが決定しました。大船選手の希望に沿った形で実現となりましたが、B.B.アームズ選手と戦いたかった理由をあらためてお聞かせください。
大船「今のアイツを見て、不甲斐ねぇなと思ったのが第一だ。アイツなりの覚悟をもって魔界軍に入って、B.B.アームズとして戦う決心をしたはずなのに、今のアイツには魂がない。もともと口数の少ないヤツだったけど、強い意志は持ってたはずなんだよ。今はまさに魔界軍の、乙部の言いなりの機械だ」
――B.B.アームズ選手は前回のWRESTLE PHENIXで魔界軍総帥の乙部選手に伴われて登場しましたが、その正体は大船選手と同期の高田陸選手であるとすでに判明しています。IWTヘビーを保持していた時、乙部選手の挑戦を受けた際に魔界軍脱退を賭けて試合に臨みましたが敗れてしまい、ベルトを失ったうえ魔界軍の残留も強いられます。
IWTヘビー級王者鎌石への挑戦表明の際にマスクを脱ぎ正体を現した高田陸
大船「鎌石からIWTヘビーを奪って、不動、桜神から防衛して乙部に負けるまでは姿は変わってもアイツは間違いなく高田だったよ、オオ」
――大船選手と高田選手、現GBAの鎌石選手はデビュー当時、出身地も近いということもあり仲が良かったそうですね。
大船「よく3人でつるんでいたけど、馴れ合いというのではなかったよ。先に上にのし上がってやろうと意識していたし。今はもうそんな気はなくて、いつでもぶっ潰してやると思ってるぞ、オオ」
デビュー当時の(左から)高田、大船、鎌石。若くして大船はIWTヘビー級王者、高田と鎌石はIWTタッグ王者となった。
――しかし高田選手、鎌石選手はWAWに移籍することとなりました。大船選手に相談はなかったとのことでしたが、報告もなかったんでしょうか。
大船「俺が最初にそれを知ったのはガンジュのHPリリースだったからな。アイツらが何を思ってWAWに行ったのか聞く気もなかったが、黙って出ていったこと、俺たちを育ててくれたガンジュを離れることに怒りを抑えきれなかったね。一切口をきかないままアイツらはWAWに行ったんだ」
――それから年月が経ち、両選手はガンジュに戻ることになりますが、高田選手は素性を隠しB.B.アームズとして登場し、鎌石選手はGBAの一員となり、形の上でも3者が敵対することとなりました。
大船「鎌石も一度ブッ潰してやらねえと気が済まねえよ、オオ」
高田は魔界軍から離れるべき。引導は俺が渡す。
――今回の試合に話を戻しますと、大船選手がB.B.アームズ選手とのシングルマッチを要求したことでWRESTLE PHENIXでの試合が決まりました。
大船「さっきも言ったように、乙部に負けるまではB.B.アームズを名乗っていながらもヤツはまだ高田陸だったよ。でもベルトを落としてからはアイツには意思がない」
――ヘビー級シングルリーグ戦「ROCK EAGLE CROWN」の出場権を賭けた試合では大船選手がB.B.アームズ選手に敗れています。
大船「あれは完全に俺の失態だよ、オオ。そのせいでRECの枠をひとつムダにしちまった。意思のねえヤツが出れば全敗も当然だ」
COUNTDOEN PHENIX2 メイン終了後、大船選手はB.B.アームズ選手に対戦を要求した。
大船「今のB.B.アームズは……いや、高田はどん底だろ。だがB.B.アームズの殻をかぶって機械を演じていりゃリングには立てるんだ。だが俺は高田陸が本当に強ぇえ男だって知ってんだよ。どんな荒波にも負けねえ、ずっしりと芯の通った男だったはずだ。だがそれがB.B.アームズっていう乙部にかけられた呪いが邪魔してるんじゃねえかって俺は思うんだ、オオ」
――大船選手はその殻を破ろうとして今回の対戦を要求したと。
大船「桜神じゃねえが、アイツの現状がむずがゆいっていう気持ちは正直なところある。アイツが復活するためには魔界軍から離れなきゃダメだ。引導を渡す役割は俺が務めてやる」