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太陽光パネルのリサイクルの流れ
最近巷では、太陽光パネルのリサイクルに関するニュースを目にする機会が増えてきました。
こちらのページでは色々な情報を紹介していきますので、宜しければご覧ください。
まずは廃棄される太陽光パネルが、どの様な手順で処分されるのか、概略を紹介していきます。
太陽光パネルは産業廃棄物と廃棄が必要です
運転中の破損や性能低下などで使用済となった太陽光パネルは、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づき産業廃棄物として処分することが義務付けられています。
これは太陽光パネルに限らず、事業者はその事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理するという法律によるものです。
廃掃法では、事業者が廃棄物を責任持って処分するように規定されていますが、一般の事業者が適切に処理することは技術的・経済的にも困難です。
そのため、実際には産業廃棄物を専門に取り扱う事業者(中間処理業者・最終処分業者)に、廃棄物の処分を委託することになります。
太陽光パネルのリサイクル・リユースの流れ
廃棄される太陽光パネルに関しても産業廃棄物として処分されますが、具体的な処理の流れが環境省の『太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン』に記載されています。
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資源の有効活用や環境への影響を抑えることから、排出事業者は使用を終えた太陽光パネルの処理を、以下の優先順位で進めていくことになります。
①発生抑制(リデュース)
②再使用(リユース)
③再生利用(リサイクル)
④熱回収
⑤埋立処分
実際のリユース・リサイクルにおいては、以下の点に配慮をする必要があります。
リユース・再利用を検討する
適正な許可品目を持つ中間処理業者・埋立処分業者・収集運搬業者へ依頼する
リサイクルの方法、リサイクル後の材料にも配慮する
排出事業者は廃棄物の再生利用や減量化などにも取組む必要があり、環境への影響や地域との共生、事業者のCSRや社会的意義といった視点が求められるためです。
したがって排出事業者は、委託先の処理コストだけでなく、リサイクルや環境・地域への影響なども十分に考慮する必要があります。
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リサイクルにおける技術的課題
太陽光パネルは長期間の屋外使用に耐える必要があり、発電セルやガラスが封止材(EVA樹脂)で強固に貼り合わされた構造になっています。
太陽光パネルのリサイクルで技術的な課題になるのは封止材とガラスを剥離する工程です。
通常の廃棄物の破砕や選別では効率的なリサイクルが難しいため、専用のリサイクル装置の開発されています。
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全国で多くの事業者が太陽光パネルリサイクルの装置を導入するなど、適切な処分ができる環境構築が進んできています。
排出事業者は適切な処理・リサイクルに対応している中間処理業者へ、処理を委託することが推奨されます。
https://www.pv-recycle.com/recycle-company-list/
太陽光発電所全体でのリサイクルの重要性
太陽光パネルの種類や架台などの構成の違いもありますが、太陽光パネルが発電所全体の約6割を占めるといわれています。
特に太陽光パネルは構成部品のうちガラスが大半を占めており、ガラスのリサイクルを適正処理する重要性が分かります。
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一方で全体の4割弱を占める架台は概ね金属製(スチール製、一部でステンレス製やアルミニウム製もある)であり、既存のリサイクルシステムの範疇で適正な処理が可能だと考えられます。
まとめ
太陽光パネルの廃棄処分は、法律の定めにより発電事業などを行う排出事業者が責任を負うことになります。
特に発電所全体の中でも太陽光パネルが占める物量は多大なものであり、その中でも太陽光パネルを構成するガラスの適正な処理が課題となります。
近い将来に大量廃棄が社会問題化することを見据え、既に産廃業者の中にも太陽光パネル専用のリサイクル装置を導入する事業者も増えています。
処理を委託する立場である排出事業者には、これら処理に取組む事業者がどのように太陽光パネルのリサイクルを実施しているか、コスト・環境負荷・資源循環など多面的な視点での判断が求められます。
その他の太陽光パネルのリサイクルに関する各種情報やニュースが、こちらからご覧いただけます。
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参考資料
e-GOV:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
環境省:「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」について