太陽光発電における落雷の危険性とその対策とは!調べてみました。
近年、ゲリラ豪雨や落雷が頻発する中で、太陽光発電設備における落雷によるトラブルが急増しています。特に、直撃雷や誘導雷による損傷は、発電所の運用に深刻な影響を与えることがあり、その対策が急務となっています。以下では、太陽光発電設備における落雷の危険性と、具体的な被害事例や対策について詳しく説明します。
直撃雷の危険性
直撃雷は、文字通り設備に直接雷が落ちる現象を指します。その衝撃は非常に大きく、太陽光発電所に甚大な被害をもたらすことがあります。例えば、直撃雷によって敷地内の電柱が折れる、パワーコンディショナー(PCS)や接続箱が焼損するなどの深刻な損傷が発生します。直撃雷の被害は、焦げ跡や機器の損傷など、目視でも容易に確認できることが多く、修理が必要となるケースがほとんどです。
誘導雷の危険性
誘導雷は、雷が直接設備に落ちなくても、発電設備が損傷する現象です。敷地外に落ちた雷による高電圧や電流が地面を伝わり、発電所内の電気設備に被害を及ぼします。このため、外観からは損傷がわかりにくいことが多く、被害の特定が難しいのが特徴です。
誘導雷による損傷の具体例として、サージ防護デバイス(SPD)の損傷、逆流防止ダイオードの損傷、ヒューズが切れるなどの現象が挙げられます。これらの損傷は、設備の運用に影響を与えることがありますが、損傷箇所が限定されている場合、機器や部材の交換で対処可能です。
太陽光発電所における落雷被害の事例
エネテクによる調査では、落雷による太陽光発電設備の損傷事例が数多く報告されています。特に、遠隔監視システムの通信基板は、誘導雷による損傷を受けやすいことがわかっています。ある分散型太陽光発電所では、50台のPCSのうち24台で通信基板が損傷し、遠隔監視ができなくなる事例が発生しました。この場合、発電自体には影響がありませんでしたが、通信が途絶えたため、発電状況の把握が困難になりました。
このような事例では、保険を利用して機器を交換することが可能ですが、同じ場所で再度誘導雷が発生した場合、保険適用が難しくなることもあります。例えば、20台のPCSの通信基板が再度故障した際には、保険が適用されず、新たに約300万円をかけて遠隔監視システムをアップグレードする必要がありました。
ドローンによる点検と保険対応の事例
落雷による太陽光発電設備の損傷は、外観からは確認しにくい場合が多く、特に太陽光パネルの損傷は見逃されやすいです。しかし、ドローンを用いた赤外線カメラによる点検が進化し、これまで見つけにくかった損傷を発見することが容易になってきました。
ある事例では、直撃雷による損傷を受けた発電所で、ドローンを使用して点検を行った結果、広範囲にわたる太陽光パネルの損傷が確認されました。この発見により、保険会社が2度目の支払いに応じ、太陽光パネルの交換が実現しました。こうした成功事例からも、落雷の可能性がある場合には、早急にドローンを用いた点検を行うことが推奨されます。
定期的な点検と保険適用の重要性
落雷による損傷を早期に発見し、適切に対処するためには、定期的な点検が不可欠です。特に、定期的な点検データを保管し、落雷前後の設備状態を詳細に記録しておくことで、保険適用がスムーズに進む可能性が高まります。これにより、経年劣化と落雷被害の区別が明確になり、保険の適用を受けやすくなります。
終わりに
太陽光発電設備における落雷のリスクは無視できませんが、適切な対策と定期的な点検によって、その影響を最小限に抑えることが可能です。特に、直撃雷や誘導雷による損傷は、設備の運用に大きな影響を与えるため、日常的な管理と迅速な対応が求められます。今後も技術の進化を活用し、より安全で安定した太陽光発電の運用を目指していきましょう。
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目視で分からない誘導雷による損傷、2回目は保険の対象外に https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00142/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw
保険適用後、「隠れた落雷被害」発見、詳細点検で2回目支払いを実現 https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00143/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw
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