りそな銀行のカーボンオフセット融資に感銘！

近年、環境問題が社会全体で大きく取り上げられるようになり、私たちは個人としても環境保護に貢献しようと努力しています。しかし、実際のところ、地球規模での環境問題への取り組みには、企業や金融機関の力が欠かせません。そんな中、りそな銀行が打ち出した「カーボンオフセット融資」という新たな取り組みは、環境問題に対する大きな一歩であり、非常に感銘を受けました。
この取り組みがどのように企業のカーボンニュートラルを後押しし、排出量取引の活性化に寄与するのか、詳しく見ていきたいと思います。

1、カーボンオフセット融資とは？

りそな銀行が2024年9月26日から提供を開始する「カーボンオフセット融資」は、企業の温暖化ガス排出量をカーボンオフセット（排出量を相殺する仕組み）によって削減する取り組みと、融資を一体化させた新しい金融商品です。この仕組みは、特に中堅・中小企業のカーボンニュートラル（排出量実質ゼロ）達成をサポートし、同時に排出量取引の促進も図っています。

カーボンニュートラルとは、企業が排出する温暖化ガスの量をできるだけ削減し、どうしても削減できない部分については、カーボンオフセットを活用して相殺することにより、排出量を実質的にゼロにすることを目指す考え方です。この融資商品は、単なる資金提供にとどまらず、企業の排出量削減努力を後押しし、さらに削減しきれない部分を相殺するという、極めて包括的な支援体制を提供しています。

2、りそな銀行の先進的な取り組み

これまで、多くの金融機関は「サステナビリティ・リンク・ローン」と呼ばれる、企業の脱炭素目標の達成度に応じて貸出金利を変動させる融資商品を取り扱ってきました。しかし、りそな銀行はここに新たな視点を加え、削減しきれなかった排出量をカーボンオフセットで補完するという革新的なアプローチを取っています。

具体的には、企業の温暖化ガス排出量を可視化し、その排出量に基づいてカーボンオフセットの手続きを行います。カーボンオフセットの費用は、排出量に相当する金額か、融資金額の1%のいずれか低い方を上限として設定されており、企業にとって負担が重すぎないよう配慮されています。このような柔軟な仕組みにより、中堅・中小企業が無理なくカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めることが可能になります。

3、環境と企業の持続可能な発展の両立

りそな銀行のカーボンオフセット融資は、環境保護と企業の持続可能な発展を両立させるための取り組みです。企業がカーボンオフセットを実施した際には、りそな銀行から証明書が発行されるため、企業は自社が行った脱炭素への貢献を明確に示すことができます。これは、脱炭素への取り組みを重視する大企業やパートナー企業との取引において、非常に有利に働く可能性があります。

また、この証明書は、効果的な情報開示の一環として利用されることも期待されています。企業が積極的に環境保護に取り組んでいる姿勢を示すことで、投資家や顧客からの信頼を高めることができるのです。りそな銀行は、こうした情報開示の方法もサポートしており、企業が持続可能な発展を目指しながら環境への貢献をアピールできる環境を整えています。

4、カーボンクレジット市場の活性化

りそな銀行のカーボンオフセット融資は、東京証券取引所が開設したカーボンクレジット市場の活性化にも大きく寄与することが期待されています。カーボンクレジットは、企業が削減した温暖化ガスの排出量を取引可能な証書として換金できる仕組みで、これにより企業は自らの排出量削減を経済的な利益に転換できる可能性が高まります。

現在、カーボンクレジット市場の取引高は年間約50万トンとされていますが、りそな銀行はこの融資商品の提供により、国内外で新たに20万〜30万トンのカーボンクレジット取引が創出されることを目指しています。これにより、国内外のカーボンクレジット市場の拡大が見込まれ、より多くの企業がこの仕組みに参加することで、温暖化ガスの削減が一層進むでしょう。

5、金融機関の責任と可能性

りそな銀行のカーボンオフセット融資の発表を受けて、私は改めて金融機関が果たすべき責任の大きさと、その可能性について考えさせられました。金融機関は、単に資金を提供するだけでなく、企業の環境対策を後押しする重要な役割を担っています。特に中堅・中小企業にとっては、こうした支援がなければ、カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めることが難しい場合も少なくありません。

りそな銀行の取り組みは、そのような企業に対する重要なサポートであり、ひいては社会全体の環境保護にも寄与するものです。金融機関が提供する環境関連のサービスは、企業の持続可能な発展だけでなく、私たち一人ひとりが暮らす地球環境を守るための不可欠な要素です。

6、未来への展望

りそな銀行が先駆けて始めたこの「カーボンオフセット融資」は、今後他の金融機関にも広がり、環境に配慮した融資が当たり前となる未来が訪れることを期待しています。温暖化が進む現代において、企業と金融機関が手を取り合い、持続可能な社会を実現するために行動を起こすことが求められています。

私は、りそな銀行の今回の取り組みを通じて、金融業界全体がさらなる環境対策を進め、私たちの子どもや孫の世代が安心して暮らせる未来を築いていくことを心から願っています。金融機関がこうした革新的な取り組みを積極的に行うことで、私たち一人ひとりの生活や社会全体が大きく変わる可能性を秘めていると感じています。

りそな銀行、融資で脱炭素支援　CO2排出量相殺と一体化 -
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB057W70V00C24A7000000/

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