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「秘密基地」レンタルスペースの進化、ボードゲーム、推し活、合トレ…個室特化型市場の未来を読み解く
近年、「特化型レンタルスペース」が急速に広がっています。
ボードゲーム専用ルーム、プライベートシネマ、推し活ルーム、合同トレーニング用ジム…。
これらは単なる貸しスペースではなく、「趣味やライフスタイルに没入できる秘密基地」として機能し、特にZ世代・ミレニアル世代を中心に人気を集めています。
なぜこのトレンドが生まれ、どこへ向かうのか?
今回は、特化型レンタルスペースの台頭と進化の方向性 について深く掘り下げます。
1. 「特化型レンタルスペース」とは?従来型との違い
▶ 従来のレンタルスペース
かつてレンタルスペースと言えば、以下のような用途が中心でした。
企業の会議やセミナー
パーティーやオフ会
フリーマーケットや撮影会
これらは「万能型」と呼ばれる汎用的なスペースで、比較的安価に利用できる反面、競争が激化しやすく、どこも似たような施設になりがちでした。
▶ 「特化型スペース」の誕生
最近増えているのは、「ある特定の目的に特化した」貸しスペースです。
例えば、以下のような空間が話題になっています。
① ボードゲーム専用ルーム(LIQUOR GAMERS ROOM)
120種類以上のボードゲームが揃う
1時間1,732円(時期によって変動)
酒を楽しめるバーカウンター付き
利用倍率270倍 を記録し、2024年10月から常設化
② プライベートシネマルーム(SpemoCINEMA 六本木)
大型スクリーン、ソファ、ポップコーンメーカー完備
持ち込みDVDやサブスク動画を鑑賞可能
利用者数が2年で43倍 に増加
③ 推し活ルーム(新宿)
壁紙や家具を白で統一し、推しの「カラー」を際立たせる設計
16色のテープライトで「推し色」演出が可能
推しの祭壇作りやライブ鑑賞に最適
④ 合トレ特化レンタルジム(MIYAZAKI GYM 用賀店)
パーソナルトレーナーが指導しやすい個室仕様
一般のジムでは撮影禁止が多いが、レンタルジムなら自由に撮影OK
SNS映えを意識し、「大きな鏡で写真を撮るために利用」する人も
2. なぜ特化型スペースが急成長しているのか?
このブームの背景には、以下の3つの要因があります。
① Z世代・ミレニアル世代の価値観変化
「気の合う少人数の仲間と深く関わりたい」
「大勢の飲み会よりも、趣味を通じたリアルな交流を楽しみたい」
「人目を気にせず、自分の世界に没入したい」
特にZ世代では「友達は少数でいい」と考える人が増えており、1対1や少人数で深い体験を楽しめる空間が求められている。
② コロナ禍による「パーソナル空間」需要の増加
他人と距離を保ちながら趣味を楽しむニーズが定着
自宅ではできない体験(大画面映画鑑賞、合トレ、推し活など)を補う空間として人気
「リモートワークで外出が減った分、外での過ごし方にこだわる人」が増えた
③ レンタルスペース市場の成熟と収益性の低下
「万能型スペース」は飽和し、価格競争が激化
特化型スペースなら単価を上げても価値を感じてもらえる
収益性を高めるため、スペース提供側も「特化型」にシフト
3. 次にどう進化する?特化型レンタルスペースの未来
この流れは一過性のブームではなく、さらに進化し、新たなビジネスチャンスを生む可能性が高いです。
① 「超特化型スペース」への細分化
TRPG・マーダーミステリー専用ルーム
「完全防音」楽器演奏&ライブ配信スタジオ
キャンプ・アウトドア体験ができる室内施設
「単なる趣味の場」から「超ニッチな体験空間」へ進化する。
② AI・IoTを活用したスマートルーム
AIが最適な利用プランを提案
音響・照明・温度を自動調整するスマートスペース
VR・ARを活用した仮想空間との融合
テクノロジーを活用し、「完全パーソナライズされた没入空間」が実現される。
③ コミュニティ&シェアリング型モデル
SNSで繋がる同じ趣味の人が気軽にオフ会できる
「推し活ルーム」などで、推しが同じ人とマッチング
月額サブスクで特化型スペースを自由に使えるプラン
特定の趣味の人たちが、オフラインでつながる場として機能する。
④ 企業・ブランドとのコラボレーション
ゲームメーカー×ボードゲームルーム
映画配信サービス×プライベートシアター
スポーツブランド×レンタルジム
アーティスト×推し活ルーム
特化型スペースを「体験型マーケティングの場」として活用する企業が増える。
4. 今後ますます拡大する「秘密基地」市場
特化型レンタルスペースは、「大人数でワイワイする場所」から「少人数で深く楽しむ空間」へと進化しています。
趣味に没頭したい
気の合う仲間と時間を過ごしたい
SNS映えする体験を求めている
こんなニーズに応える「秘密基地スペース」は、今後も多様化し、より個人のライフスタイルに寄り添った形へ進化していくでしょう。
「ただの貸しスペース」ではなく、「体験を売る場」として、どこまで広がるのか——
この市場の動向を今後も追いかけていきたいと思います!
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