清水建設とゴーレムの新たな取り組み!土木工事におけるCO2排出量の削減へ向けた新たな一歩
近年、地球温暖化対策の重要性が増す中、企業が果たすべき社会的責任はますます大きくなっています。特に、建設業界においては、CO2排出量の管理と削減が急務となっています。そのような中、清水建設株式会社と株式会社ゴーレムが共同で開発したCO2排出量可視化プラットフォーム「Civil-CO2」は、土木工事におけるCO2排出管理に新たな風を吹き込む革新的なツールです。本記事では、このプラットフォームの背景、仕組み、そして今後の展開について詳しく解説します。
背景として CO2排出量管理の課題
土木工事は、道路、橋梁、ダムといった社会インフラを支える重要な活動ですが、その一方で大量の資材とエネルギーを消費するため、CO2排出量が多いことが問題視されています。これまで、土木工事におけるCO2排出量を正確に算出することは非常に困難でした。各工事で使用される資材や機材は多岐にわたり、それぞれのCO2排出原単位を個別に調べて手作業で集計する必要があったためです。このプロセスは膨大な労力を要し、人的ミスも発生しやすく、信頼性に欠けるものでした。
特に、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握するスコープ3は、企業が直接管理できない範囲に関わるため、さらに難易度が高いとされてきました。しかし、スコープ3を含むCO2排出量の正確な把握と管理は、2050年のカーボンニュートラル目標を達成するために欠かせません。
「Civil-CO2」の開発と特徴
こうした課題を解決するために開発されたのが、「Civil-CO2」です。このプラットフォームは、積算ソフトウェアと連携することで、工事に必要な資材や機材の情報を基にCO2排出量を自動的に算出するシステムです。「Civil-CO2」は、日本国内初の土木分野におけるスコープ3を含むCO2排出量可視化ソリューションであり、その特徴は次の通りです。
自動算出と標準化
「Civil-CO2」は、積算ソフトウェアで作成されたデータを取り込み、ワンクリックでCO2排出量の算出を開始します。これにより、これまで手作業で行われていた煩雑な作業を自動化し、作業の効率化と正確性を大幅に向上させました。算出されたデータは、活動別(スコープ別)、資材別(主排出源別)に分けてダッシュボード上に表示され、直感的に把握できるようになっています。柔軟な適用性
このプラットフォームは、国土交通省港湾局の「港湾工事における二酸化炭素排出量算定ガイドライン(発注段階編)」を参考に開発されており、港湾工事以外の道路工事やトンネル工事など、他の土木工種にも対応できる柔軟性を持っています。また、国土技術政策総合研究所が現在検討している「インフラ分野における建設時のGHG排出量算定マニュアル」が完成し、CO2排出量の算出方法が統一化された際には、これに準拠した機能拡張も予定されています。
「Civil-CO2」がもたらす未来
清水建設は、今後、この「Civil-CO2」を活用し、土木工事の入札案件においてスコープ3を含むCO2排出量の事前評価を行い、効果的な削減策を提案することを計画しています。これにより、CO2排出量の削減を工事計画の初期段階から組み込むことで、環境負荷の低減が期待されます。また、過去の工事案件にもこのプラットフォームを適用し、各工種ごとにCO2排出の主要因を分析することで、より精度の高い削減技術の現場適用が進められる予定です。
さらに、清水建設はこのプラットフォームを通じて、土木工事におけるCO2排出量の可視化と、低炭素・脱炭素施工の推進を図り、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた貢献を目指しています。この取り組みは、単に清水建設やゴーレムの技術力を示すものではなく、土木業界全体がカーボンニュートラル達成に向けて進むための道標となるものです。
持続可能な未来へ向けた一歩
「Civil-CO2」の開発と導入は、土木業界におけるCO2排出量管理の新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。これまで煩雑であったCO2排出量の算出作業を自動化し、スコープ3を含むCO2排出量を正確に把握できるようになることで、業界全体の環境意識が高まり、持続可能な建設が進んでいくでしょう。
このプラットフォームの普及が進むことで、土木工事における環境負荷の低減が加速し、企業が持続可能な社会を実現するための具体的な行動を取れるようになります。清水建設とゴーレムが共同で取り組んだこのプロジェクトは、私たち一人ひとりが環境に対する意識を高め、より持続可能な未来を築くための一助となることを期待しています。
これからも清水建設とゴーレムの動向に注目し、私たちもまた、環境に配慮した行動を心掛けていくことが求められています。土木工事のCO2排出量の削減は、企業だけでなく、社会全体で取り組むべき重要な課題であり、持続可能な未来を築くための鍵となるでしょう。
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