大企業が 「卒FIT」を狙う !その理由とは?
大企業が蓄電池を増産している理由は、「卒FIT」!
卒FIT発電所とは
FIT制度(固定価格買い取り制度)は、太陽光発電の電力を10年間定額で電力会社が買い取る仕組みですが、その期間が終了すると、買い取り価格が急激に下がります。この制度の期間を終了した発電所を「卒FIT発電所」と呼びます。例えば、2014年にFITの対象となった家庭は、1キロワット時あたり37円で売電していましたが、2024年には10円程度にまで下がる見込みです。
卒FIT発電所の増加
2012年に制度が開始されて以来、FIT期間を終える家庭が増加しています。現在、卒FIT家庭は約165万軒に達しており、今後も年20万軒ほど増える見通しです。これにより、卒FIT発電所からの電力が大量に市場に供給されることになります。
卒FIT発電所の重要性
卒FIT発電所の増加は、電力市場に大きな影響を与えています。FIT期間中は高い売電価格が保証されていましたが、期間終了後は売電価格が大幅に下がるため、多くの家庭が発電した電力を自家消費することを考えるようになります。このため、昼間に発電した電力を蓄えて夜間に使用するための家庭用蓄電池の需要が急増しています。
大企業の蓄電池増産
こうした状況を受けて、京セラ、パナソニック、シャープ、オムロンといった大企業が蓄電池の増産に取り組んでいます。
京セラは、2024年度末までに約100億円を投じて家庭用蓄電池の生産能力を2倍に増やす計画です。滋賀野洲工場に新しい生産ラインを設置し、独自の「クレイ型」電池を増産します。
パナソニックエナジーは、家庭用蓄電池のコストダウンを図り、内製化を進めて2023年から量産を開始しました。また、米国でも蓄電池の量産を検討しています。
シャープは、蓄電池と電気自動車(EV)、太陽電池を連携させる「EV用コンバーター」を発売し、家庭用蓄電池市場に参入しています。
オムロンソーシアルソリューションズも、熊本県阿蘇市の工場で生産体制を強化し、家庭用蓄電システムの増産を行っています。
経済性と政策の支援
蓄電池の導入には100万〜200万円の費用がかかりますが、東京都などでは導入費用の補助制度があり、条件次第では設置費用を十数年で回収することが可能です。また、電力料金の高止まりや新築住宅への太陽電池設置義務化など、政府の政策も蓄電池の需要を後押ししています。
市場の展望
国内の蓄電池販売台数は現在年間15万台ですが、政府は2030年度に35万台に増加すると予測しています。さらに、富士経済によると、住宅向けや系統向けの定置用蓄電システム市場は2040年に8兆741億円に拡大すると見込まれています。
競争の激化
日本市場においては、米国のテスラ、カナダのカナディアン・ソーラー、中国のエコフローなどの海外メーカーも参入を強化しています。これにより、蓄電池市場での競争が一層激化し、消費者にとってより魅力的な選択肢が増えることが期待されています。
大企業が蓄電池を増産する背景には、卒FIT発電所の増加と、それに伴う家庭用蓄電池の需要拡大があるのです。卒FIT電力を効率的に活用するため、蓄電池の普及が不可欠となっており、これが市場の成長を促進しています。
まとめ
ここに中小企業の太陽光発電建設業者の生きる道がある!
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京セラ、100億円投じ家庭用蓄電池の生産2倍 「卒FIT」狙う - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF011T50R00C24A3000000/
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