再エネ時代の安定供給を、電気自動車と家庭用蓄電池で実現する!
私は、持続可能な社会を目指す中で、再生可能エネルギー(再エネ)の導入が進むことに大きな期待を抱いています。しかし、再エネの導入が進む一方で、その不安定な出力をどう補うかという課題も存在します。この課題に対して、電気自動車(EV)や家庭用蓄電池といった低圧リソースが大きな役割を果たせるのではないかと考えています。
調整力とは何か?
調整力とは、電力の需給バランスを保つために必要な電力のことです。特に、再エネは天候や時間帯によって発電量が大きく変動するため、そのままでは安定した電力供給が難しい場合があります。ここで重要になるのが調整力です。調整力を確保することで、再エネの発電量が不足している時に補い、逆に発電量が多すぎる時にはその供給を抑えることができます。
EVと家庭用蓄電池の役割
EVや家庭用蓄電池は、こうした調整力を提供する重要なリソースとして期待されています。EVは、走行時の二酸化炭素排出が極めて少なく、環境に優しい移動手段です。また、EVに搭載されたバッテリーは、単なる移動手段にとどまらず、電力を貯めることができます。この蓄電能力を調整力として活用することで、再エネの不安定な出力を補うことができるのです。
家庭用蓄電池も同様に、太陽光発電システムと組み合わせることで、昼間に発電した電力を貯めておき、夜間や電力需要が高まる時間帯に使うことができます。これにより、家庭全体の電力利用が効率的になるだけでなく、電力需要のピーク時に調整力として機能する可能性があります。
低圧リソースが抱える課題
しかし、これらの低圧リソースを調整力として活用するには、いくつかの課題があります。まず、EVや家庭用蓄電池は、本来の目的が別にあるため、その用途を損なうことなく調整力を供出する必要があります。例えば、EVは主に移動手段として使用され、家庭用蓄電池は夜間や非常時に備えて電力を蓄える役割を持っています。この本来の用途を妨げずに、どうやって余剰の電力を供出するかが重要なポイントです。
さらに、EVは走行距離や使用状況によってバッテリーの残量が変わるため、調整力として利用できる電力の量を予測するのが難しいという課題があります。また、家庭用蓄電池も、どのタイミングでどれだけの電力を供出できるかは、各家庭の電力消費パターンに依存します。
研究と実証への取り組み
このような課題に対して、株式会社エナリスは、東京大学生産技術研究所(ESI)と連携して、低圧リソースを最適に組み合わせる研究を進めています。この研究では、EVや家庭用蓄電池、さらにはヒートポンプ給湯器などを対象に、調整力としての供出量を最適化するシミュレーションを行っています。
具体的には、家庭が所有するリソースの種類や電力の使用パターンを詳細に分析し、それらのデータを元に最適なリソースの組み合わせを導き出します。また、調整力をより大きくするためのアグリゲーション方法についても研究が進められています。アグリゲーションとは、複数のリソースを束ねて一つの大きな調整力として機能させる手法で、これにより効率的に電力供給のバランスを取ることが可能になります。
私たちが目指す未来
このような研究が進むことで、再エネを主力電源として活用するための調整力が確保され、安定した電力供給が実現する未来が見えてきます。私たちが住む社会が、環境に優しく、持続可能なエネルギーで支えられるようになるためには、このような技術革新と研究が不可欠です。
エナリスとESIが取り組んでいるこのプロジェクトは、再エネの普及とそれに伴う調整力の確保という課題に対して、新たなソリューションを提供するものです。この研究が成功すれば、私たちはよりクリーンで安定したエネルギー社会を手に入れることができるでしょう。
結びに
再エネ社会の実現には、多くの挑戦が伴いますが、その中でも調整力の確保は重要な鍵となります。EVや家庭用蓄電池といった低圧リソースを活用し、最適な電力供給システムを構築することで、私たちは持続可能な未来を切り拓いていけるのではないでしょうか。今回の研究が、そうした未来への一歩となることを期待しています。
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EV・家庭用蓄電池等を最適に組み合わせて再エネの調整力に
株式会社エナリス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000070390.html @PRTIMES_JPより
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