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2025年、ペロブスカイト太陽電池が注目される理由とは?

次世代のエネルギー技術として注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。この革新的な技術が、脱炭素社会を実現する重要な一歩となることは間違いありません。
ここでは、積水化学工業が進めるペロブスカイト太陽電池の量産化について、その背景や技術的特長、そして日本の製造業復活への期待を紐解いてみたいと思います。

ペロブスカイト太陽電池とは?

ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池に比べて以下の特徴を持っています。

  • 薄型・軽量 厚みは従来の約20分の1、重さも10分の1〜15分の1程度。

  • 柔軟性 曲げることができるため、建物の外壁や工場の屋根、バス停の雨よけなど、従来設置が難しかった場所にも対応可能。

  • 高い発電効率 2030年には18%、将来的にはシリコン系に匹敵する20%以上を目指しています。

  • 耐久性 2025年には屋外耐久性20年相当を達成する予定。

これらの特性が、都市部や限られたスペースでの設置を可能にし、さらなる太陽光発電の拡大を促進します。

積水化学の挑戦と量産化への道

積水化学工業は、2024年12月にペロブスカイト太陽電池の量産化を決定。新会社「積水ソーラーフィルム」を設立し、2030年までに1ギガワット級の生産ライン構築を目指します。この決定の背後には、日本政府の大規模な支援がありました。経済産業省は、このプロジェクトを「GXサプライチェーン構築支援事業」として支援し、総事業費3145億円のうち50%を補助金として提供。これは大企業としては異例の高補助率です。

さらに、積水化学が誇る独自技術、特に「ロール・ツー・ロール方式」は、ペロブスカイト太陽電池の生産効率を飛躍的に高めます。この方式により、発電層形成や電極加工を一連の工程で行い、品質の劣化を抑えることが可能となりました。

国策としての次世代太陽電池

2024年12月に策定されたエネルギー基本計画では、2040年に次世代太陽電池の導入目標を約20ギガワットと設定。この目標は、家庭の電力使用量の約1割を次世代太陽電池で賄う計算です。国は、ペロブスカイト太陽電池をその中心的技術と位置づけ、国内製造業の競争力回復にも期待を寄せています。

特に注目すべきは、ペロブスカイト太陽電池の原材料であるヨウ素の生産で日本が世界第2位であること。この優位性を活かし、日本発の技術で世界市場を牽引するチャンスが訪れています。

日本製造業復活の試金石

過去、日本はシリコン系太陽電池や液晶、有機ELといった新技術の普及フェーズで、中国や韓国にシェアを奪われた歴史があります。しかし、積水化学は「技術が簡単に模倣できない」と自信を持ち、慎重かつ着実に事業を進めています。

さらに、大阪・関西万博や東京国際クルーズターミナルなど、実証実験を通じた用途開発も積極的に展開中です。これらの取り組みが、製造から販売までのオールジャパン体制の確立を後押ししています。

未来を照らすペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池の普及は、単なる技術革新にとどまりません。それは、エネルギー自給率の向上やCO2排出削減、日本経済の活性化に直結する取り組みです。積水化学を中心に、次世代太陽電池が日本と世界のエネルギー問題をどのように解決していくのか、引き続き注目が必要です。

読者の皆様の中で、ペロブスカイト太陽電池に関する疑問や関心をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。
一緒に脱炭素社会の実現を目指しましょう。

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