蓄電池市場の拡大と再エネ普及の相乗効果
蓄電池市場は今後も拡大を続け、2040年には8兆円を超えると予測されています。蓄電池はエネルギー問題の解決に大きな役割を果たし、多くの企業がこの市場に参入しています。富士経済の調査結果をもとに、蓄電池市場の成長予測を見てみましょう。
2040年には22年の約4倍に拡大
日本電機工業会(JEMA)の発表によると、2022年度の定置型蓄電システムの日本国内出荷台数は年間14万3034台で、前年から107%増加しました。この増加傾向は、今後も続くと予想されています。
富士経済の調査によると、2023年の蓄電池市場は金額ベースで3兆4191億円、容量ベースで109.7GWhに達すると予測されています。さらに2040年には、金額ベースで8兆741億円、容量ベースで421.7GWhに達し、2022年比でそれぞれ約3.6倍と5.5倍に成長すると見込まれています。
再エネ普及と蓄電池市場の連携
蓄電池市場の拡大の背景には、再生可能エネルギー(再エネ)の普及があります。経済産業省の資料でも指摘されているように、再エネの普及に伴い、電力の安定供給を支える調整用電源としての蓄電池の需要が高まっています。特に、「蓄電所ビジネス」が注目され、充放電による電力取引での収益が期待されています。
系統用蓄電システムの成長予測
注目すべき市場は、系統用蓄電システムです。2023年には1兆2609億円、2040年には3兆7835億円と予測されており、いずれも2022年比で大幅な増加が見込まれています。再エネの導入における課題である安定供給は、発電側や系統側に蓄電池を設置することで、電力のタイムシフトや出力平滑化が実現し、解決されると期待されています。
このように、再エネの拡大と蓄電池市場の成長は相互に関連し合いながら、持続可能なエネルギーシステムの構築に向けて大きな役割を果たしていくでしょう。
【ソーラージャーナルより】蓄電池市場は拡大を継続すると見られ、2040年には8兆円超え⁉ https://solarjournal.jp/news/54741/