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盗難対策としてアルミ電線に変更する際の盲点
1. 導入の背景と利点
背景: 太陽光発電所での電線盗難対策として、アルミ電線への交換が注目されています。
利点: アルミは銅に比べて買取単価が低く、盗難リスクが減少します。また、アルミ製電線は色が異なるため、窃盗犯が事前にターゲットから外す可能性があります。
2. 技術的な課題
導電率と熱伝導率: アルミは銅に比べて導電率が約66%、熱伝導率が約60%と低くなります。このため、同じ許容電流を確保するためにはアルミ電線の方が太くなります。
配管問題: アルミ電線は太くなるため、既設の配管に収まりきらないことが多く、新たな太い配管への交換が必要です。
電気設備との接続: 既設の電気設備(例: パワーコンディショナー、集電箱)は銅電線用に設計されているため、接続部に工夫が必要です。具体的には、銅とアルミの電線を接続する専用の部材を使用します。
3. 施工コストと手間の増加
追加作業と部材: アルミ電線に替える際、銅電線では不要な追加作業や部材が必要となり、施工コストが増加します。
電線通し作業: 盗難後の配管には呼び線がないため、電線を通す作業の難易度が上がります。配管が長い場合は途中で掘り起こす必要もあります。
圧縮端子の使用: 圧縮端子への接続では、アルミ電線の被覆を剥き、酸化被膜を除去し、防水テープを巻く必要があります。酸化被膜の適切な除去が不十分だと過熱事故のリスクがあります。
4. その他の注意点
停電期間の確保: 作業に時間がかかるため、停電期間を多く見込む必要があります。
専用部材の納期: 圧縮端子や端子台などの専用部材の納期は平均で2~3カ月かかります。
早めの手配: 盗難被害後は早めに手配し、売電の早期復旧を図ることが重要です。
防犯対策: アルミ電線を採用していることを示す看板を設置し、窃盗犯に対する抑止力とすることも有効です。
アルミ電線への変更には、コスト増加や技術的課題を考慮しつつ、早めの対策と防犯対策を講じることが求められます。
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盗難からの復旧、アルミ電線に換える際の「盲点」 https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00166/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw