Puzzle Boss Rush No.4 Slitherlink 解説
どうもプレアデスです。
この記事では先日行われたパズルボスラッシュの4日目の問題の解説や裏話などをしたいと思います。
まず問題です
巷で、でかいし難しいと騒がれていたスリザーリンクの63×44ですね。
画像を見たらわかるのですが盤面が12コのエリアに分かれており、それぞれのエリアにEASYとHARDが書かれています。インパクトがすごいですね。
続いてこの問題で使いそうでマイナーな手筋をばばっと紹介します。マイナーなだけあって普段は使わないので、覚えなくて結構です。
まず1つ目
これはそこそこ難しい問題でも使うことがあるので、覚えといて損はないでしょう。
特に2の下に0をつけているパターンが多いです。
また3が2つ斜めに並んでいる手筋をちょっと改変したとも取れます。
2つ目
2の左下に0を置いた形が表出数字だけで構成できるため、そこそこ難しい問題で使われることが多めです。列挙の部分は覚えなくていいです。
3つ目
極めたい人は覚えておくと損はないでしょう。特に2の下に0を置いた形は表出数字だけで構成することができるので、作者の目線からすると使いやすいんですね。
4つ目
これはどちらにしろこの2つの線がここで繋がるということです。また、中央のマスに数字が入るなら2ということとも取れます。これによってループ禁で進むことがあります。
5つ目
覚えるだけ無駄です
6つ目
上と同じく覚える価値なしです。
その場で仮置きしてもなんとかなります。
理論としては3の右上の点が絶対に線が通ることから分かるでしょうか。
7つ目
難問で辺に接して置かれることが多いですが、突き詰めるとこうなります
上と同じ考え方で証明も出来ます
8つ目
本当に使う場面が一切ないので覚えるだけ無駄です
この問題でも一箇所しか使っておりません
というわけでここまでであげた手筋もどきと、ニコリの問題でも使う手筋と本数定理を使えばなんとか解けるはずです。というわけで問題の手筋の解説は終わりです。他の問題のように、すごい理詰めとかはありませんので、頑張ればなんとかなります。どこが進むかわからんという方は裏話を読んだらわかるかもしれません。
また、作者はちょっとした先読みも理詰めとする傾向があるので、ここ仮定したら決まるのになーという場面に出会ったら、遠慮なく仮定をしてください。作者が仮定を作意とするなら解き手が仮置きで別のところから突破しても何も言えないのでね...
ここから裏話です。
裏話ですが作問のとき何を考えていたのかが需要があるらしいので、作成の過程を辿っていく形式で書いていきます。
皆さんパズルを作る時どうやって作っているでしょうか。なにかネタが思いついて作ったり、逆に決まったネタはなくその時の気分で作ったり、最初から大まかな難易度を決めて作ったり、逆に難易度は決めずに作ったり... 色んな作り方があると思いますが、私は大体目的に合うように、さっき例であげたものを使い分けます。
今回は大人数で解くことをとりあえず真っ先に考えた結果、エリアがはっきりと視覚的に分かれていて難易度も分かれているというネタを使うことにしました。このネタはいつかニコリにジャイアントで投稿してやろうと思ってたんですが、今回あまりにもネタが思い浮かばないし、割と今回の大人数で解くというのと合っていると思ったので、このネタを使うことにしました。
先にこのネタが大人数で合っている理由について話すと、エリアがはっきり分かれている問題というのは役割分担がしやすいんですね。チームで解いている際、「◯◯さんここ解いといてー」という会話が繰り広げられるのが見える見える... また難易度もはっきり明示されているとチーム内では得意不得意もあると思いますので、そこで分担もできると。「あんたスリリン得意やねんからEASY解かんとHARD解けや!」という様子も見える... 他の問題も場所によって、解き筋が分かれていたらしいんですが、このネタ以上に分かりやすいものはないと思います。
というわけでネタは決まりました。続いては具体的にエリアの形を決めていくんですが、基本的に文字ってそこそこ幅を取るんですよ。実際に問題を見てみると、EASYと置くだけで、5×15も幅を取ります。私の頭の中では5×5ぐらいにエリアが分かれていたのですが、さすがに55×105も問題を作りたくなかったんで、当初は3×3のエリアでEASYが5コ、HARDが4コの盤面を考えていました。でもなんか盤面横長だしHARDの数もなんか物足りないんですよね。というわけで問題の通りになりました。配置決め完了。
ここで実はちょっとネタバレ的なツイートをしていました。(https://twitter.com/pleiades_puz/status/1254006011133751297?s=19
) この時期に一気に作ったので、ちょくちょくこの問題に関してツイートしてます。気になる人はどうぞ。
続いて数字を入れていくんですが、私は好きなものは最初に食べますし、楽なことは先にやるので、ここでもEASYから先に埋めていきました。
EASYはニコリの問題で使うような手筋を主に使っています。逆にHARDはニコリ手筋なんか知らねぇといった感じですね。
あと作る時に少し念頭に置いていたのは、エリアの隅が4つ集まったところ(下の画像見て)の埋め方をどうするかなんですが、ここに線を通して唯一解にするのまあまあ大変じゃないですか。あと盤面に6箇所もあるのでちょっとバリエーションも持たせたいですよね。まあ結局2種類しかバリエーションは生まれなかったんですけど... どう埋まるかはぜひ自分で解いて確かめてみてください。
まあ、ごちゃごちゃいろいろして、EASYを埋めました。続いてはHARDを埋めていくんですが、EASYエリアを埋めた時右下あたりを最後に埋めたんですが、その時右下のHARDのエリアが独立するようにしました。具体的には下の画像を見てみてください。
ということは周囲からの影響を受けず、ここだけで解けることがわかるんですね。「◯◯さんこのエリア解いといてー」的な会話が見える見える... まあということで、ここは難しくしても良いと思うんですよね。というわけでなにか難しい入り口はないかと色々試してみたら手筋紹介の最後の手筋を編みだすことに成功しました。というわけで難易度マシマシでこの後もガンガンやっていくつもりだったんですが、参考として途中で見に行った手筋のまとめのページになんとさっき生み出した手筋が載っていて更にこの手筋はむずいでみたいなことを書いていたので、ここは難易度を自粛して問題の通りになりました。
でも一応入り口がとても辛いので「右下ヤバい」という話を耳にしてちょっと嬉しいです。
続いて他のHARDエリアも埋めていくんですが、なんかチーム勢に「プレアデスの問題大人数でごり押ししたら解けたわwww」とか言われたくねぇなという気持ちが湧いてきたので、HARDは下から解く以外は辛めになるようになってあるかなと思います。他の人が解いてるところ見たんですけど、割と想定外のところから突破されるようで... まあ難問はそんなもんよ...
というわけでHARDエリアは左下のHARDエリアから中央下、左上、中央上、右上という順番で解かれるのが想定です。しかし、大人数でごり押しで解けないようにしたとはいっても、ストレスはなく解けるように工夫はいくつかしてあります。
まず先程も言った通り、右下のエリアをEASYエリアが埋まった時点で周りからの影響を受けないようにしました。
大人数で解くとき、分担が出来ると楽しいと勝手に思ってるので、分担が出来るようにしました。逆に言えば、4、5人程の人が同じところを見るというのは、さすがにつまらないかなと思うので、ここで人手を割かせるということでもあります。
続いて左下のエリアから早めに中央下のエリアへと移れるようにしました。解けばわかるんですが、左下のエリアの右上らへん、HARDと思えないほど簡単ですよね。
要するに右下のエリアと同じく周りからの影響を受けなくなるように早めにさせたということです。
もう1つ、左上のエリアは他のHARDエリアが埋まらなくても多少埋まるようになっています。また中央下がある程度埋まるだけで左上も解けるようになっています。優しいですね。
というわけで、基本的にチームを分担をさせるということを考えて作りました。
まあそんな感じでHARDを埋めていたんですが、途中で重大なミスをやらかしてしまいました...
作問の途中に一旦今までに作ったところを解き直すじゃないですか。その時EASYで普通に線を引き間違えたまま作問を進めていたのです。実際とは違いますがイメージ画像を用意したのでそっちを見ると分かりやすいと思います。
要するになんやかんやあってEASYが作り直しですね。これで1日の作業時間が消えたので皆さん気を付けましょうね。
その後は順調に埋めていき、なんとか唯一解持っていくことができました。普段ならここから修正とかをすると思うんですが、私はとても疲れていたのでこのまま提出をしました。というわけでこのような問題が出来ました。
あれ?なんか左下だけちょっと違いますね。理由はというと左下のエリアが難しすぎて簡単にしろやと命じられたのです。しゃーないね、というわけで修正してできた問題が最初の方に出した問題です。これで今回の問題ができましたーパチパチパチ
満点を100点としてこの問題の出来を自己評価するなら40点ぐらいですかね。
理由としては
・大人数で解く用に作ったのはよかったが、個人参加が思ってたより多かったのであんまり発揮しなかった
・作意がところどころ崩れているのに気づいてたけど、面倒だったので妥協した
・HARDの手筋のバリエーションが少ない
といった感じで悪いところを言えばいくらでも出てくるんですが、良いところはどこかと言われるとあんまり無いんですよね。というわけで個人的には不完全燃焼でもやもやしますが、クロスレビューをこの下で紹介して、この記事を終わりとします。ここまで読んでくれてありがとうございました。
クロスレビュー
インパクト特大の盤面、最高ですよね。実際に解いてみて、EASYが本当にEASYなところに優しさを感じたしEASYを埋め終わったあとに何一つ埋まらなくなるところとか手心のての字も感じられなくて本当に面白かったです。作問経験がある人が見れば分かると思いますが、形から決めて作るというのはだいぶ難易度が高いんですよね。作る際に実はめちゃめちゃ試行錯誤しながら根性で作りきったのではないかなぁと文章から勝手に想像しています。あっぱれです。(こんな綺麗な問題を作れるようになりたいなぁ…)
(ゆずっこ)
問題を開いた瞬間、ワクワクした方も多かったのではと思います。この構成だけで100点を付けていいんじゃないでしょうか。EASYとHARDの難易度の差は思った以上に大きいです。原作の左下は完全にハバネロ級で、これは頑張っても解けないんじゃないかなと思い、易しくするように命じました(笑)左下以外も、チェック時は大分苦戦したのですが、この問題の難しさは、独立した右下を除けば、使う手筋の難しさというよりは、一本道の部分が多い、いわば「道が細い」ところにあるのではと思います。下の方から解けていくという流れに乗れると、難易度以上にスムーズに解けていけるかなと思います。(にょろっぴぃ)
スリリン好きな身としては、これは事前に解くしか…! と思って出題の前日くらいにがんばって解きチェックをお手伝いしました。「EASY+HARD3.5エリア分」くらいと、残りの「HARD2.5エリア分」くらいで、チェックにかかった時間がほぼ同じくらいでしたね…。かなりとってもしっかりHARDでした。そのときは既に調整後だったので「よければ以前のバージョンのも解いてみてください」と言われたのですが、謹んで辞退させていただきました(!)(時間の都合により、ってことで…)
(広瀬あつみ)
大人数に解いてもらう際、得意な人には難しいところ、苦手な人には簡単なところを分担させたいという課題を見事に解決させる「EASY」と「HARD」というアイデア、非常に感銘を受けました。道の細さに通ずる話ですが、EASYからでもHARDからでもとき始められるようなパズルになっていれば、より上記のような役割分担が機能しやすくなったかもしれません。(utime)
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