Puzzle Boss Rush 2 オープニング・エンディング
§0 はじめに
みなさまこんにちは、Puzzle Boss Rush 2(以降PBR2と書きます)のオープニング・エンディングの映像と音楽を担当させていただきました、kattunです。この度はPBR2にご参加いただきありがとうございました!
オープニングやエンディング、いかがでしたでしょうか?オープニングでは企画が始まる前の高揚感、エンディングでは全てが終わった後の安息感……それらを表現できていたらいいなぁ、と思っています。
パズルの企画としてはいわゆる「オマケ」で、あってもなくても良い部分であるにも関わらず、感想でお褒めの言葉をいただけたのでとても嬉しい限りです。
そんなオープニングとエンディングですが、色々仕込んで作りましたしエピソードも色々あるので、そのあれこれをここで赤裸々にお話ししていこうと思います。パズルっぽい話を期待されている方は、画像が出てくるあたりまですっ飛ばしても良いかもしれません。全部お読みいただける方はぜひとも、ごゆっくりお付き合いくださいませ。
§1 作るつもりはなかった
はい、いきなりの爆弾投下です。これ、ホントの話です。
PBR2に参加した当初、動画や音楽を作るよりも「パズルを作りたい!」という方がメインのモチベーションでした。
最初にどんな事をしたいかの表明をしたのですが、その段階では「一応、そういうこともできるんですが、お手伝い程度で良ければ……」くらいのスタンスでした。どうしてこうなった。
まぁ、色々なことが重なって作ることになっちゃった訳ですが、大体3つくらい原因(?)があります。
・すいそさん(シナリオ担当)によるプロローグができた
・作りたい音楽のイメージが思い浮かんだ
・ゲームのPVっぽいことがしたくなった
何といっても1点目が大きかった……すいそさん、10/17にプロローグ原案を上げてくださったんですよね。メンバー募集が10/9くらいだったのに、もう作ったの!?って感じでした。
今のストーリーとはちょっと違っているのですが、「パズルが増えて生態系が乱れる」とか、「パズルと共存する」とか、そのあたりの設定はこの時から引き継がれています。《パズルスタンピード》(パズルの集団暴走)っていうのも上の設定が発想元だったりします。(ちなみに、PBR2の世界ではパズルは生き物です)
細かい設定はシナリオ担当さんの解体新書(あるのかな)にお譲りすることにしますが、このプロローグを見て「何か面白いことになりそう!」と思い、そこから動画制作のモチベーションが湧いてOPやEDを作るに至ります。
§2 オープニング
2-1 音楽のあれこれ
上でもちらっと述べた通り、「音楽のイメージが湧いた」のも動画制作に踏み切った大きな理由の1つです。
すいそさんのプロローグや初代Puzzle Boss Rushのストーリーから色々と妄想した結果、「電子音楽っぽくない、やや民族音楽チックな曲を作りたい!」という思いがふつふつと沸き起こったんです。私こういう雰囲気の曲好きなんですよねうへへ……おっとあぶない。
幸いにして全体の雰囲気や使いたいフレーズ、その他構成は大体すぐに頭の中で固まりました。が、問題は「パズルの数」でした。
「音楽なのにパズルの数?何の関係が……?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は音楽を作る段階で既に動画の構成まで一緒に考えていたりします。
これは動画の方でもうちょっと詳しくお話しますが、やっぱり曲と映像展開が合っている方が盛り上がりますよね!
なので、「ここでこういう演出したいなぁ」とか「ここもうちょっと盛り上げたいなぁ」とか意識しながら曲作りをしています。
で、話を戻すとパズルの数。何かっていうと、当時は「8 or 9」だったのです。数が決まっていないことも作りづらい要因の1つでしたが、それよりもこの9って数が超使いづらいのです……。
基本的に音楽って4の倍数で進んでいくことが多いので、8だとピッタリなんですが、9だとちょっとだけはみ出しちゃうんですよね。1余り。
これをうまく映像に収めるにはどうすればいいか?音楽のリズムを無視して無理やり9個のパズル紹介を詰め込むか?いややっぱそれだとテンポに乗り切れない……などなど悩む悩む。
最終的には音楽の方で「フレーズとフレーズの合間にちょっとしたメロディーを入れる」ような展開をすることで、9個目のパズル紹介をする枠を作ったのでした。
あとは楽器ですが、ギター・ピアノ・バイオリンなどのアコースティックな(電気を使わない)楽器をメインにしつつ、カッコよさを出すためにベースとドラムをやや電子的なもので揃えています。
……民族音楽はそんなんじゃない?その楽器じゃそんな演奏できない?ははは、実はあまり細かいことは私も分かっていないんですよ。そう、ぜんぜんわからない。俺たちは雰囲気で音楽をやっている。……多少粗があっても多めに見てください。
とは言ったものの、個人的にここ数年で作った曲の中で一番のお気に入りだったりします。いやぁやっぱこういう雰囲気の曲っていいですよねうへへ……ごほん。
2-2 映像のあれこれ
ゲームのPV的な物を作りたくなって作ってしまったオープニング映像。PBR2に参加されたみなさんが、恐らく初めて目にしたPBR2の世界観だったのではないでしょうか。
実際内部でも、オープニング制作が決まった後は「PBR2の情報公開はオープニング映像を皮切りに」の方向で話が進んでいましたし、そんな重役を担っているオープニングだったのでかなりギリギリまでブラッシュアップをしておりました。具体的に言っちゃうと、公開1時間前はまだ絶賛編集中でした。わーい修羅場。
結局誤字1個残っちゃったし、実は「調査団」と「調査隊」を間違えたりもしてました。そういうのって公開してから気付くんですよね。いやぁ開始10秒で誤字ってるのはホントなぁ……。
とはいえ、オープニングやエンディングの中ではここに一番力が入っています。そういうこともあってちょっと長くなりそうなので、項目を分けて書いていこうと思います。
2-2-1全体の構成
全体の構成はいたってシンプル、「ストーリー→ステージ(パズル)紹介→ストーリー」です。イメージがゲームのPVなので、全体のストーリーの合間にステージや世界観を挟む感じにして、最後にスタッフクレジットを入れました。
ゲームのPVって、RPGとかは特に、最初にストーリーが来て、途中にシステムとかステージ紹介とかを説明して、最後にタイトルやクレジットが入るものが多いですよね。多分、それが「分かりやすいフォーマット」なんだと思います。ってことで、今回も大体そんな感じで作ってます。
……というイメージだったんですが。今回のメンバーが謎解き寄りの人が多かったこともあり、ちらほら「謎解きのオープニングっぽい」って言われてしまいました。自分もそこそこ謎解きやってるので、確かにちょっと寄っちゃったかもしれませんね(苦笑)
2-2-2 世界観
動画の雰囲気、ひいてはPBR2の世界観を演出するのに、元となるストーリーは欠かせません。……が、初動がめちゃくちゃ早かったのにそれ以降なかなか新しい設定が出ず、どうしようかちょっと困っていました……。
とはいえ、大体直前に忙しくなるのは目に見えていましたし(実際ヤバかった)、割と早めにオープニング動画全体の流れについて共有しておきたいところ。
そこで、とりあえず自分がイメージしていた「別の世界を冒険するような雰囲気」で、フリー素材をガンガン積んでプロトタイプを作成しました。パズル紹介の部分は、森や遺跡などのエリアに出撃しに行く感じですね。
最終的にこの時作ったプロトタイプほぼそのままで行くことになったので良かったんですが、内心「(ストーリーの都合でひっくり返ったらどうしよう……)」とヒヤヒヤしていました。
まぁホントはシナリオ担当に聞いてから作れって話なんですが、実はこの時点ではOPを作ることが正式には決まっていなくて、ちょっとサプライズ的に「作っちゃいました」って出したかったんですよね。
変な話、ボツになったらお蔵入りでもいっかー、くらいの心構えで作っていたので。なんなら解体新書でお蔵入り映像公開なんてやっても面白いかなぁくらいに考えていました。
こういうサプライズ、やる分には楽しいんですが、今思うとチーム制作的にはちょっと危険でしたね……。
そして初期プロトタイプを出した数日後。すいそさんから沢山のストーリー設定が上がってきたので、ここから少しずつストーリーを動画に入れ込んでいったのでした。動画の尺とテキスト長の戦いがあったりもしましたが、それはまた別のお話。
2-2-3 演出
時系列的には初期プロトタイプを作るちょっと前のお話です。
動画の演出ですが、音楽のところでもちらっとお話しました通り、できれば音楽にバッチリ合わせたい。そういう演出がされている映像作品って(個人的な感性かもしれないのですが)見ていてちょっと気持ちいいんですよね。
なので、映像を作り始める前に、音楽の作成段階である程度考えていた演出をなるべく細かく詰めていきました。例えば、鐘の音が鳴る時に一瞬光る、音楽の盛り上がりでスクロールスピードを速くする、ここは画像が乱れて一瞬で切り替わる、このシーンはこの色を基調とした背景を使う、等々。
そうして初期プロトタイプを作った訳ですが、作って初めて気づいた、いや、気づいてしまったことがありました。
なんとこの時点では「パズル要素が微塵も入っていなかった」のです。さぁ大変。
いくらなんでもコレはまずい、ってことで追加されたのが「タイトルでのジグソーパズル背景」と「パズル紹介でのパズル背景」でした。
特に後者は時間ギリギリまで作りこんでいたため、オープニングの公開時刻に間に合わずちょっとだけ延ばしてもらうことに……ホントは21:00発表だったのですが、お願いして22:00にしていただきました。ご迷惑をおかけしました……。
2-2-4 パズル紹介の背景
さぁて大変お待たせいたしました、パズルのお時間です!
若干遅刻してまで作り込んだパズル紹介背景、ここには色々とネタを仕込ませていただきました。
実は、大体のパズルが解けるようになっているのです!(時間ないってのにそんなことやってるから遅刻するんじゃねぇか馬鹿野郎)
ということで、パズルではないものも含めて1つ1つ解説していきます!
DAY 1 Fusion Yajilin
矢印の方向に沿って矢印が進入してくるような演出です。背景は、下の問題の数字を抜いたものになっていました。
https://puzz.link/p?yajilin/4/4/f31f11b
数字がないと複数解なのですが、理由としては動画の演出面で「縦横の方向で矢印が入って欲しい」「矢印や黒マスの数はそんなに増やせない」「見た目ごちゃっとするから文字は入れたくない」というような制約があったためです。でも数字ありだと余剰ヒントになっちゃいますね。
実のところ、数字なしヤジリンで唯一解の問題は作れるっちゃ作れるんです。が、それってもうヤジリンじゃないよね(矢印の方向が関係なくなる)って話になっちゃうので、あえてそれは避けました。それがこちらです。
https://puzz.link/p?yajilin/4/4/b3.j1.b
ヤジリンとして見なければ、これはこれでアリなのかも……?
Day 2 Heyawake
デジタル数字っぽい「21」の表示の後に、かなり規則的にマスが塗られていきました。実はこれ、「打ち上げ花火21」って呼ばれているへやわけの上級手筋(?)で、7×7に21が入っているとなんと白黒が完全に確定するのです!
この「打ち上げ花火21」は、「これだけはやっておきたい!」という演出の1つでした。動画でも中央から広がるようにマスが塗られていく演出をしましたが、これはまさに「花火」のイメージでした。さらによく見てみると、盤面全体の大きさも「21」の時と比べて花火が開く時に大きくなっていたりします。
ということで盛大なネタバラシをしてしまった後にはなりますが、この上級手筋を使うと下のような問題も解けちゃうことになります……なんてこったい。
https://puzz.link/p?heyawake/9/9/g60o30c1g60o208vs00000000003voj-15h
Day 3 Loop Rush
名前で分かるように、少しでもラッシュ感を出したかったので小さい問題を3問配置しました。それぞれの問題はこちらです。……と言いたいところだったんですが、一番右の問題で1個ヒントを配置し忘れていたので別解出してました。ペコン。
本来の問題盤面は下の図の通りです。左からループパズルC(Masyu?)、B(Myopia)、Fになります。
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
一部余剰ヒントがあるのは、動画の見栄え的に背景が寂しくならないようにしたい、というのが理由です。右の問題の右上3がそれにあたります。
これが無くても全然解けますが、無いと右上にぽっかりスペースが開いたように見えてしまいます。
いやぁでももう少し時間があったらもっといい問題が作れた気がするなぁ……ここはちょっと反省。
Day 4 Light and Shadow
もっぱらDarkness and Shadowと噂のパズル。演出としては、光と闇(影)がぶつかって衝撃波が真ん中から広がっていくようなイメージでした。
こちらの背景は、下のLight and Shadowの問題がベースになっていました。私が初めて作ったライシャです。
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
作ってみて分かったんですけど、割と適当に作っても結構答えが1個に決まるんですよね、このパズル……2色塗り分け可能、という制約が相当強いです。ピースの交点が十字しかない。
この「ピースの交点が十字にしかならない」というのがLight and Shadowのかなり大きな特徴だと思ったので、動画でも光と影がぶつかる前に十字の位置を表示していました。実際のオープニングだとボケちゃって見えないのですが、ボケをとるとこんな感じです。(上の問題のネタバレ注意)
Day 5 Shikaku
日本語だと「四角に切れ」なので、盤面外からスッと線が入って盤面を「切る」演出にしました。こちらOP映像を見たまんま、●の位置に数字が入る想定の問題でした。
https://puzz.link/p?shikaku/6/6/g4h2g6j9r3j3g6h3g
特にこれといった解説ができるような問題でもないのですが、強いて言うなら「やや大きめの四角を作ったり、まんべんなく縦横の線が入るような盤面にしたかった」くらいでしょうか。
正直に言ってしまうと、ちょっと適当に作っちゃいました。ゴメンナサイ……だって時間なかったんだもん……
Day 6 Instructionless
何種類かの盤面が切り替わる演出でしたが、それぞれループ、2色塗り分け、区切る系統(って言い方が正しいのかは分かりませんが)のパズルをイメージした盤面になっていました。そして最後には、Instructionlessの得体の知れなさを表現するような、「?」の形に四角を配置した盤面を表示しています。
動画作成段階では大まかにしかルールを考えていなかったのですが、せっかくなのでちゃんとパズルとして解けるようにルールを詰めました。解答は動画をチェック!
<1問目>
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
<2問目>
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
<3問目>
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
<4問目>
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?
Day 7 Skeleton
こちらは映像を見たまんま。スケルトンが徐々に埋まっていく様子を表しました。この枠の形、どっかで見たことあるかもしれないんだけどなんだったかなぁ……
おや、こんなところにURLが。
https://www.nikoli.co.jp/ja/puzzles/skeleton_puzzle/
……あとはお察しください。ということで、多くは語らずに次へ行きたいと思います。
Day 8 Boxed Up
さすがにこれはオリジナルのパズルということもあって、問題を表現しきれませんでした……ですので、正方形6枚からなる展開図が箱に組みあがる様子をイメージした映像に。
展開図は出題自体もこの形状でしたし、個人的にも立方体の展開図11種類の中でこのジグザグ型が最も美しいと思っています。次点は3+3か十字架型かなぁ。
Day 9 ??????
OP段階では正体不明だったこちらのパズル、調査報告書でもビグツァイト構造に突っ込んでくれる方が多く、ツイートを見かけてはニッコリしていました。これは一体、何ッグサイトなんだろうなぁ。
ですが、オープニング作成段階で既に、ビグツァイト構造(下から上にかけて段々と広がっていく構造)の構想は固まっておりました。その証拠がこちら。
うっすらと、逆三角形型の何かが見えていますね!調査報告書より前にコレに気付けた方は凄い。(何人くらいいるのかな?)
こちらも「これだけはやっておきたかった」演出の1つで、「気付きそうで気付かない」ギリギリの薄さになるよう何度か調整し直していました。
以上、パズル紹介部分に仕込んだネタ一覧の解説でした!
いやぁこりゃ時間かかるわ。アホか。
解説記事書くだけで1日潰れました……。
2-2-5 その他
ここまでに触れてない箇所がいくつかあるので、オープニング映像解説の最後にそこだけ触れておこうと思います。
まずはパズル紹介部分のシーン切り替え。木が横切ったり、枯れ葉が飛んできたり。あのシーン切り替えは、一部素材を自分で加工して作ったりしています。苦労した分、結構お気に入りだったり。
他には文字の見やすさ・読みやすさの調整。こちらも思いの外メンドい作業でした。文字を送る速度を調整したり、黒で影を付けて読みやすくしたり……などなど。
そんなこんなで、オープニング映像が完成したわけですが。
この記事で振り返って改めて、ホントに色々あったなぁ……と。
ここ一番の力作ですので、細かい部分も含めて見返してくれると嬉しいです!
§3 エンディング
3-1音楽のあれこれ
エンディングの音楽を作る時にまず考えたのは、「オープニングと対にしよう」でした。
言うなれば、「オープニングに対する答え」のようなイメージです。
楽器の構成はオープニングとほとんど同じに。
オープニングの雰囲気は引き継ぎつつ全体は穏やかに。
少しだけ、オープニングのフレーズも取り入れて。
同じ世界だけど、平和になった世界。そんな様子が表現できているといいなぁ。
もっと細かいことを言っちゃうと、実はオープニングとテンポが全く同じだったりします。全然印象が違いますよね!
さらにさらに、最後に響く鐘の音。これもオープニングの最初と全く同じ音になっています!これはもしや、再びオープニングに戻る可能性が……!?(まさかの第3弾……な、なんでもないです!!)
3-2 映像のあれこれ
こちらも音楽と同じく、「オープニングと対」の構成を意識しました。
出てくるシーンが、オープニングのシーンとほとんど同じになっていますね。
最後の「Thank you for playing!!」も、オープニングの最初と演出が同じです。
エンディングで少し変わったのは、全体的に穏やかになっていること。
例えば、オープニングでは遺跡や螺旋階段が高速で動いていたのがゆっくりになっていたり。
あるいは、シーンの切り替わりが全体的にフェードで緩やかに移り変わっていたり。
それから、要所要所で色合いが少しやんわりした感じになっていたり。
平和な雰囲気を出すべく、演出をちょっとずつ変えています。
そして、最後に挟まるブルートさんの独白。
このセリフ、シナリオ担当さんに言わずに勝手に書いちゃいました(許してください……)
オープニングと合わせると、『』←コレで書かれているのがブルートさんの手記ってことになります。
そして、ブルートフォースさん(あっ)が理詰めを取り入れようとしている、と。
衝撃の(?)情報ですね。
この最後のシーンはオープニングにはない、室内のシーンを使っているのも大事なポイント。
これは、オープニングが外へ向かうのに対し、エンディングでは内に戻ってくる様子をイメージしています。
最後のパズル盤面っぽいのは、素材をいくつか組み合わせた上で私が手描きしています。
イメージは、Myopiaの盤面とスリリンの3,3手筋2つ。右下には要注意マークです。
いやこのレベルで要注意って、ブルートさんどんだけ力任せだったんだ……。
ともあれ、このエンディングで物語は終わりを迎えます。
でも、これで何もかもが終わったわけじゃない。
これからもパズルとはずっと、関わり続けてゆく。
そんな映像に仕上がっていれば幸いです。
§4 使用ソフト
はいっ、というわけで長かったあぁーーーーー!!
ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます!!
本記事の最後に、今回の音楽・映像を作るために使ったソフトを紹介したいと思います。
最初にネタバラシをしちゃうと、「今回の音楽・映像は制作費0円」です!!
なんと、音楽も動画も全部フリーソフトを使って作られています。
(素材もクレジット表記不要のフリー素材を片っ端から探して使ってます)
では早速紹介していきましょう!
4-1 音楽用ソフト
4-1-1 テキスト音楽サクラ
簡単に説明すると、「どれみ」って平仮名でいれると「どれみ」の音を演奏してくれるソフトです。リンクはこちら。
https://sakuramml.com/
音と長さを文字で指定することで曲を作っていきます。繰り返しとか、並行演奏指定とか、ちょっとプログラミングみたいなこともします。
何言ってんだコイツ、って感じですよね。それでは、実際のオープニング曲を入力している様子がこちらです。
……もはや狂気です。これであのオープニング曲が演奏されるんですって。信じられます?
ところがどっこい、これがホンモノなんですよねぇ。
プログラミングに慣れている人や、頭の中で音が「どれみ」に変換されるような人には合っているのかもしれません。
私も色々作曲ソフトを触りましたが、これが一番相性が良かったので今でもずっと使っています。
まぁサクラ使ってるって言ったら大体変な人扱いされるんですけどね!(実際変わり種なのは否定しません)
4-1-2 Reaper(v0.999)
上記のテキスト音楽サクラで作れるのはいわゆる「楽譜」みたいなもの(MIDI形式)で、「どのタイミングでどの音を鳴らすか」程度のチープなものです。そのMIDIにちょっといい音を割り当てられるのが、このReaperになります。
Reaperは現在有料のソフトで、試用期間を過ぎても使いたい場合はライセンス購入が必要です。しかし無料版である0.Xバージョンは、多少の使いづらさやバグはあるものの、いつまでも際限なく使えます。無料版の最後のバージョンが0.999で、私はそれを使い続けています。リンクはこちら。
https://www.reaper.fm/download-old.php?ver=0x
このソフトをちゃんと使おうとするとフリーの「音色」素材(VSTiと言います)をネットから探してこなきゃいけなくて、これまた膨大な量があるので使い始めるまでに一苦労なんですが……ここではその話は割愛。
実際にオープニング曲に音色を割り当てて色々調整している様子がこちらです。
ほら、一気に音楽作ってるっぽくなったでしょ?
4-2 動画用ソフト
4-2-1 aviutl
「AVI(動画)ファイルに各種フィルタをかけるソフト」と銘打っていますが、それだけに留まらない超高性能な動画編集フリーソフトです。今回の動画は全てこちらを使って作られました。リンクはこちら。
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
どんなファイルを、いつからいつまで、どういう感じで再生する、というのを指定することでその通り再生してくれます。細かい部分は拡張編集から設定できますし、有料ソフト程ではないですがエフェクトも色々かけられて、頑張れば3Dも扱えたりするのでかなり重宝しています。今回のオープニング動画を作っている様子はこちらです。
より便利に使おうとすると拡張機能とか入れる必要がありますが、このソフトを使っている人も多いのでネットで調べれば色々とでてくると思います。
以上、主に3つのフリーソフトを使って、オープニングやエンディングを制作しました。他にも画像編集ソフトも使ったりしましたが、これは個人で好みが分かれそうなので割愛。
また、上記のソフトを使うための準備も必要になるかもしれませんが、それを書くだけでも長くなりそうなので、こちらも各自ネットでしらべていただければ幸いです。
§5 おわりに
冒頭にも書きましたが、あくまでオープニングやエンディングはパズルメインの企画において「脇役」です。
が、その脇役に心血注いで作りこんでいることもまた事実です。
PBR2の一要素として少しでもみなさんの印象に残ったのであれば、クリエイターとして嬉しいことこの上ありません。
さて。解体新書は、他にもまだまだコンテンツがございます。
各問題の担当者がそれぞれ思いの丈をぶつけておられると思いますし、パズル以外の部分でも様々な記事が上がっているのではないでしょうか。
PBR2に参加されたみなさんはぜひ、解体新書でPBR2を裏側から覗いてみてください。
これ言うのもなんですが、ほぼ無料ですよ!こんなお得なことってあります!?
自分はこういう裏話を聞くの大好きなので、他の方の記事を読むのが結構楽しみだったりします。
……話がそれちゃいましたね。かなり長くなってしまったので、そろそろ終わりにしたいと思います。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
§EX クロスレビュー
OP映像のプロトタイプがみんなに共有されてから、格好いい!と気に入って何度も何度も繰り返し再生してました(作業用BGM……”ながら聞き”が多かったのもあってか、誤字チェックの貢献はできませんでしたが……)。使用楽器や、対になっているOPとEDのコンセプトなど、好きなポイント満載でした。
ところで、テキスト音楽サクラというソフト、面白いですね。頭の中で何かメロディーを思い浮かべたときの内容をテキスト起こしするとこんな感じになるんじゃないか、みたいな!(?)
(広瀬あつみ)
役職希望と自己紹介の際に「一応音楽もできます」みたいなことが書いてあったので、期待を込めてOPをお願いしてみたら期待よりも遥かに上のものが出来上がっていました。公式アカウントでの広報を担当していたのですが、本OPがシナリオチームのハードルを(いい意味で)上げたのは間違いありません。(にょろっぴぃ)
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