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ソラコムの海外展開の体験談を聞いて

お久しブリーフ! 謎のおじさんTK (通称:謎おじ)です。昨日はセミナーにて先日スイングバイIPOを実現したソラコムさんから、海外展開の実体験を根掘り、葉掘りと聞かせてもらいました。インスパイアされた点と気づきを記憶に留めておきたいと思い、ここにメモを残します!

ソラコムの海外展開の変遷

まず、ソラコムは、創業チームの方針として、当初から世界市場を狙っていくというビジョンを持っていた。

ビジョンは創業当初からグローバル

設立された2015年といえば、IoTという言葉がまだ世の中に出てきたばかりの頃で、その当時からIoTプラットフォームで世界でNo.1になると真剣に考え、各国の通信キャリアと1つ1つパートナーシップを組み、クラウドを通じて、シームレスなIoTネットワーク網(=グローバルネットワークプラットフォーム)を作り上げたという歴史を聞くと途方もないことを成し遂げられたのだと思う。 

会社の設立から、わずか1年でアメリカ拠点を迅速に立ち上げられたことも驚異的。現在では日本、アメリカ、イギリスの3カ所に拠点を構えられ、サービスとしては392キャリア/180カ国をカバーしているらしい。

2015年のGartnerハイプサイクル
ソラコムのグローバルプラットフォーム

グローバルファーストの是非

ソラコムは、当社からグローバル進行のビジョンは持ちながらも、開発部隊は日本にあり、最初の製品開発を推し進める上で、日本のお客と密に接しながらフィードバックを受ける頻度も多かったことが、日本市場を最初に立ち上げた理由となる。 

昨今では、TechStars、Antlersなど様々なシードグローバルアクセラレーターが日本に進出し、海外展開で成功するためにはグローバルファーストが必要であることを訴えているが、創業者が日本人、地理的に日本にいる企業の場合だと、経済面や成功確率を冷静に考えると、グローバルファーストでは無く、日本ファーストから立ち上げるソラコムの展開方法がしっくりくる。 ただし、ビジョンやカルチャーを最初からグローバルスタンダードで進めることが肝要だと感じた。

米国市場を最初に立ち上げた時の話

最初の海外拠点は米国に設立した。創業からわずか1年過ぎたところだった。当然、日本の事業を前に進めつつ、米国を立ち上げなければいけなかった。米国のニーズは日本と異なることから、お客様と多く接するために、様々なイベントに参加したり自社イベントを通じて、プロダクトを磨いていった。最初の1年は人材も少ない中で試行錯誤の連続で、苦労したのこと。

また、当時はソラコムも米国では無名の存在なので、現地の優秀な人材を採用するのは難しいことだったが、幸い投資家ネットワークを通じて優秀なコアメンバーに参画してもらえたことも、その後の成功要因となった。

ユニークなグローバルカルチャーを作り上げた

創業間もない頃から、リーダーシップステートメント(LS)という行動指針を作った。創業者メンバー達が前職で所属していたAmazonのカルチャーをベースにソラコム独自のLSを作成した。 例えば、顧客中心主義、プロアクティブに、まずやってみる、カイゼンする、など15の項目がある。

ただ単に作成するだけでなく、半年に1度はリーダーシップステートメントセッションを行い、それぞれのステートメントに貢献したメンバーを真剣に話し合い、発表し合うというものだ。また人事評価において、LSの評価は50%を占めるという。(残りの50%はパフォーマンス評価) これを長年続けて独自のカルチャーを浸透させてきたことが、後に組織が大きくなっても辞める人も少なく、高いモチベーションでパフォーマンスを維持し続けられる最大のポイントだそうだ。  

私が所属していたDeelなど、他の外資系企業でも同様の類の行動規範があり、常に行動の拠り所にしてきたが、ソラコムのようにここまで徹底している企業は聞いたことが無かった。 西洋とカルチャーが異なる日本企業だからこそ、こうしたユニバーサルな指針と評価軸を作るという取り組みが、海外展開において大事だと感じた。

海外展開におけるグロースステージについて

海外展開は現在でも30%成長を続けており、数年後には約半分が海外の売り上げになると予想しているらしいが、グロースにおいて大事なことは優秀な現地人材を採用できるかどうかということ。モチベーションが高く、優秀な現地人材に事業開発面を任せることができたため、米国でも大型案件を獲得できたり、戦略的なパートナーシップを作ることができたという。
一方で海外展開を行う日本企業の多くが、日本人が赴任して海外市場の開拓を直接リードことが、特に北米においては中々うまくいっているケースを見ない。 改めてリーダーシップを発揮できる現地人材を採用可否とそうした人材が定着できる組織カルチャーが、海外事業のグロースにおいてとても重要な戦略であると感じた。また玉川さんは北米の立ち上げの後現在は英国でヨーロッパの陣頭指揮もされているが、日本側と海外の間でブリッジ的な役割を果たせる人材の存在も大きいと感じた。

以上、最後は時間切れで、聞きたいこと全てを網羅できなかったことが、若干心残りでしたが、楽しいセッションでした。玉川さんありがとうございました!

今日はちょっと真剣モードの謎おじでした。 ではではまた来週!!

Puzzle Ring Factoryは、海外進出を目指すスタートアップ、日本進出を目指すグローバルスタートアップの支援をしています。ご関心のある方は是非お立ち寄りください。

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