年齢差方程式
11月の10日間のサンディエゴ研修が近づいているというのに、なんの焦りも見せない息子に、我慢ができなくなり、脅迫紛いの勢いで、私と同じオンライン英会話に入会させた。
開始時間が近づいてもやる気をみせず、「隣にいてよー」と親任せ宣言をしてくる息子に、船場吉兆の記者会見かいっと、ぶつぶつ言いつつも、パソコンの前の息子の横にスタンバイ、、、
束の間、、「恥ずかしいから、やっぱり、出てってーー」と部屋から押し出された。
スリッパを脱ぎ、そぉーーっと、息子の部屋の前の廊下に立ち、ドアに耳を当てる。盗み聞きに緊張感が走る。
外面の良さは、地球の裏の何処かの国のイングリッシュティーチャーにも、なんとなく、通じているようだ。
とてつもなく長く感じるであろう、初めての25分間のレッスンが終わると、バタンと勢い良くドアが開き、シンクロナイズド・スイミング(現在は呼び名が変わったような、、)の入場の様に、胸を張ってグングンとこちらに突き進んで来た。
そしてそのままの体勢で、ダイニングテーブルを一周。「ものすごい脇汗かいたーー」と言って部屋に籠った。
どのくらいのペースで、どのくらいの期間、続くのかは解らないが、部屋から漏れ聞こえる(必死に盗み聞きした)声からは、なんとなくコミュニケーションがとれていたようだ。少なくとも、私が高校生の時には、こんなことできなかっただろう。
息子の成長具合をとみに感じるこの頃、、。戸棚の一番上の段にもすっと手が届き、ふみ台を使ってお手伝いしてくれていた食器洗い姿がなんとも懐かしい。
体も、心も、いつの間にか、成長している。
35の時に産んだ息子。その年齢差は、何年経っても、35。のはずだが、年々、縮まっているように感じる。私が若返ってるわけではなく、なんだか、どんどん、追い付かれているような感じがする。
私の年齢-息子の年齢=35
私の生きた年月を息子が浸食している割合は、私の年齢、分の、息子の年齢。つまり、息子の年齢÷私の年齢によって、パーセンテージがでるはず。
息子1歳の時、私36歳。1÷36=0.027777....約2.7% 私の生きた年月の2.7%を息子の年齢が占めている。
息子5歳の時、私40歳。5÷40=0.125 12.5%
息子15歳の時、私50歳。15÷50=0.3 30%
気のせいではないのだ!やはり、追い付かれてきているのだ。だんだんと。
計算機を打つ手が早く激しくなっていく。
息子100歳の時、私135歳。100÷135=0.740740...74%
息子300歳の時、私335歳。300÷335=0.8955...89%
1000÷1035=0.9661...96%!!
私が何歳になると、完全に息子に追い付かれてしまうのだろう。
息子の年齢をXとすると、私の年齢は、X+35
X÷(X+35)=1
この式の答えこそが、息子が私の人生に100%追い付く年齢、つまり、、X=、X=、、、X=X+35
秋の夜長は罪深い。