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ぴょんぴょんカエルと踊り、踊られる
あなたは子どもの頃、どんなものが好きでしたか?
眠る時は必ず抱いていたぬいぐるみ、夕食を作るお母さんの後ろ姿、校庭にあった一番大きな木、教室でこっそり友達と交換したキーホルダー――あんなにも大好きだったけど、いつしか大人になって忘れていたもの、ありませんか?
これはそんな、ぼくの忘れていたものについての記事です。
~ぴょんぴょんカエルと踊り、踊られる~
ぴょんぴょんカエルが好きだ。
世の中にある折り紙の中で、1番好きだ。大好きだ。
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教室の片隅で折り紙ばかりしていた、小学1年生の頃。紙ひこうきや動物の顔しか知らなかったぼくにとって、その出会いは衝撃だった。
使うのは、たった1枚の紙だけ。
ハサミやノリも必要ない。ただ紙を順に折り重ねていくだけで、立体的で、カエルと一目で分かる形が表現されている。
しかも、ちょっとお尻を指先で押してやるだけで、ぴょんと可愛らしく飛び跳ねる機能さえ備わっているのだ。
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1枚の紙をたった十数回折るだけで、飛び跳ねるカエルが作れる――言葉にすれば、それだけのこと。でも、幼いぼくからすれば、今までの常識を覆すとんでもない発明に見えた。
そして、そんなものが世の中にある驚きもそうだけど、それを自分も作れたという嬉しさは今もよく覚えている。
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勿論「たかが折り紙でしょ?」「それのどこが凄いの?」なんて意見もあるだろう。それはそれで良いと思うけど、やっぱり「1枚の紙を折るだけで、飛び跳ねるカエルを作りなさい」なんて言われたら、途方に暮れるんじゃないだろうか。
ぴょんぴょんカエルはそんな問いに対する、とてもスマートな回答だと、ぼくは思ったりする。
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巨悪を倒すためには卑怯な手段も厭わない
ぴょんぴょんカエルに魅せられたぼくは、それからたくさん折った。それはまるで踊るように、軽やかにカエルと遊んでいたなんて言えるかもしれない。
雨の日も風の日も、風邪を引いた時も鼻血を出した時も、とにかく折った。その様子を見たクラスの子に「きっも〜(笑)」とバカにされた翌日、その子の机の引き出しをカエルいっぱいにして先生に怒られながらも、断固として折り続けた(引き出しにも入れ続けた)。折ったカエルがさらにカエルを折るというややサイコパスなごっこ遊びに興じながら折り、そろそろ病院に連れて行くか本気で家族に心配されながらも、決して折ることを止めなかった。
それほどまでに、ぼくはぴょんぴょんカエルに夢中になっていた。
恋をしていた、と言っても過言ではない。
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でも、時の流れは残酷で。あんなにも夢中になっていたぴょんぴょんカエルのことを、大人になってすっかり忘れていた。
仕事に追われて心は荒み、家に帰ってもドブのような濁った目で安酒を舐めるだけ。折り紙よりも諭吉の書かれた紙に夢中になる日々。血走った目で町を歩き回っては、歩きタバコをするオッサンに熟れた柔い桃をぶつけ、悦に浸っていた。
そんな時、ふと文具売り場で目にした折り紙。
鮮やかに蘇った、当時の気持ち。
ぼくは一体、なにをやっているんだろう――胸がギュッと掴まれるようだった。
もう一度、ぴょんぴょんカエルに夢中になりたい。自分が失っていた、柔らかいなにかを取り戻したい。そう思った。
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カエルは高く宙を飛んでみせる
大人になった今だからこそ、あの時のような驚きと感動をもって、君に夢中になりたいんだ。
昔よりたくさんのものに触れ、少しだけ器用になった指先で君を折ってみたい。
自分一人だけになった、この自由な部屋を使って。
結局なにも変わっていない、こんな情けない僕と一緒に。
今宵はもう一度、あの時のように踊ってくれませんか、カエルさん。
シャルウィダンス?
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えっ、、、
な、なんて?
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納豆ブリゲイザー2 いざもふらっぴの逆襲と春の罠ってなに!?!?!?!?
な、なんなの、、、あたしがこんなにも真剣に聞いているのに!
あなたってそうやって、大事なことはいつもそうやって、誤魔化してばっかり! あの時も、あの時も、あの時だってそう、、、!!
あたしの気持ちなんて、全然っ、これっぽちも考えてない!!!!!!
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同じこと、何度も言わないで!!!!!
もうそんな口先だけの言葉、聞きたくないの!
どうせ他のメスにだって、同じこと言っているんでしょう!樹液みたいに、甘い言葉をかけているんでしょう!
もう聞きたくない!
あなたのことなんて、もう信じない!
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もうやめて!!!!!!
気休めの言葉はもういいの!あたしだってもういい歳だけど、他のオスから一緒になってくれって、言われているんだから!
二河屋のサブちゃん、知っているでしょう? いつもバイクでお酒を運んでくれる若いカブトムシ。あたし、あの人に誘われているの。今は下働きの身だけど、いつか独立するから、一緒になってくれないかって。
無口でぶっきらぼうなカエルのあなたより、あたしを一途に考えてくれるマジメな若い子の方が、何倍も良いわ!
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止めてよ。止めてったら、、、
分かってる。本当はもう、分かっているの。
あたし達、一緒にいても幸せになれないって、分かってる。
だって、あなたはカエルで、あたしはカブトムシ。
どうしても越えられない壁があるの。一緒にいても不幸になるって、分かっていたの。
だから、、、もうあたしといない方がいいのよ。
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だから、止めてったら、、、
どうしてそんなに優しいことを言うの。止めてよ、、、
あたし、あなたにそんな風に言ってもらえるメスじゃないの、、、
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止めてよ。止めてったら、、、
本当は、1番つらいのは、あなたなのに、、
どうして、あなたはいつも優しいの?
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もう、バカ、、、
ほんと、バカなんだから、、、
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バカ、、、
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……
…………
………………
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…………………………(月日は流れ)
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ただいま~今日の仕事も疲れたな~
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おやっ? 手紙かな
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真実の愛の前に、壁なんて関係ない。
お互いに強く想い合う心さえあれば、どんな困難だって、きっと必ず乗り越えられる。これはそんな、ありふれた愛のお話。
la fin.
あ~、楽しかった!!
☆以下、おまけ☆
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されど、油の熱さを知るものなり
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エナジーに溢れ、逃げ足が速そう
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くしゃくしゃになっちゃった
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今度こそ、おしまいざもふらっぴ♪