リモートワークだからこそ必要な"社内wiki"を無料で作成して浸透させてみた
年末の1週間くらいで、16名くらいのチームの社内wikiを作成し、かなり評判が良かったのでどのように作成したのかを書きたいと思います。
リモートワークで起こった情報共有とコミュニケーションの課題
10数名であれば、コミュニケーションが円滑に取りやすいので社内wikiが存在していないチームは意外と多くあるんじゃないでしょうか。
僕たちも元々社内wikiはありませんでしたが、コロナにより2020/4くらいから完全リモートワークになり、コミュニケーションのいろんな課題が見えてきました。
僕たちはチーム内にさらに小チームがいくつか存在している、という組織なのですが、これまでは小チーム間でも会話があったため、小チームごとの情報共有がしっかりできていたんですね。
情報共有というのは社内ルール・独自の文化(読書や振り返りなど)・業務内容・人手状況など全ての情報です。しかもそれらは意図的にしていたわけではなく、自然と生まれる「最近どう?」という会話から共有されていたという感じです。
しかし完全リモートワークになると「最近どう?」という会話が一切なくなりました。
どうなるかというと、
・打ち合わせがない限り、小チーム間の業務内容の把握ができなくなる
・業務内容の把握ができないため気軽に協力を仰げず、小チーム間の協力が減る
・そうこうしているうちに社内ルールや独自の文化が徐々に廃れていく
ということが起こりました。一番まずいのが3つ目で、良い文化が「更新」されるのは良いですが「廃れ」ていくのは食い止めなければなりません。また人はどんどん楽な方に流れると思うので、ある程度ルールとして強制しておくのが方がみんなにとっても良いはずです。
これらに付随して、ラフなコミュニケーションが減ったからか「緊張と緩和のバランス」が上手く取れなくなっていきました。要は緊張状態が過剰になってしまったのです。
長期的にみたら取り返しのつかないことになりそうなので、緊急度は低いけど重要度が高い課題と認識し、取り組んでみました。
"ゆるめ"の社内wikiを作り始める
いくつか出した解決法のうち、最もありだなと思ったのが社内wikiでした。
こだわったのは短期的な解決ではなく長期的に見ても大きな資産となる解決法を試すことで、いずれ人数が増えチームが細分化されれば社内wikiは必要になるし、必要だと気づいてから社内wikiを作ったら初めから大きめの社内wikiを作らなければならないので大変。今から社内wikiを作ることは長期的に見て大きなメリットになるのでは?
と考えました。
そして、もう一つルールとして設けたのは、"緩和"の役目をする社内wikiであることです。
社内wikiって少し固いイメージがありますが、チームが社内wikiでゆるいコミュニケーションを取れるような状態にしたいと思いました。
社内wikiに必要な3つの要素
まずは社内wikiに必要な要素を洗い出します。僕は次の3つにまとまりました。
・修正・変更が簡単
・UIがめちゃくちゃ良い
・追記に上限がない
企業あるあるだと思うのですが、「マニュアル」みたいなものってたくさん作られるものの、更新がされなくなったり開くのが面倒になったりで継続的に使われずゴミ箱行きになることありますよね。
その原因には、修正・変更の面倒臭さとUIの悪さがあると思いました。
例えばgoogleスライドで作成すると、更新するときに文字の量や画像の大きさなどで崩れることがあるんですね。またページの流れをぶった切ってしまうこともあります。
更新したいだけなのにそれは面倒臭いので結局放置してしまう。
また UIで言えば1枚1枚めくっていくのが意外と大変ですし、マニュアルごとにファイル一つ一つ分かれていると全部開く必要があってそれも面倒くさいというような感じです。
それらを解決した上で、どれだけ量が増えても作り直すことがないように上限がないという条件が必要だと思いました。
様々な社内wikiツールを検討してみた
あんまり知らなかったのですが、社内wikiのツールってめちゃくちゃあるのですね。余裕で10個以上ありました。
例えば、
Scrapboxさん
NotePMさん
esaさん
などなど。
デザインもかわいくて、僕は新しいサービスとかすぐに使いたくなるタイプなのでとても使いたかったのですが、社内wikiによる効果がまだ見込めない以上無料にこだわる必要があり、僕らの規模では使うことができませんでした。(ごめんなさい)
最終的に選択したGoogleサイト
最終的に選んだのはGoogleサイトでした。今までGoogleサイトは使ったことがなかったのですが、割と使い勝手が良いそうです。
Googleサイトは上記に挙げた「修正・変更が簡単」「UIがめちゃくちゃ良い」「追記に上限がない」という社内wikiの条件3点をしっかり抑えていて、無料です。(Googleさんありがとう!)
また、業務で利用しているスプレッドシートやドキュメントとの互換性が良いのも最高で、公開・編集範囲もGoogleドライブ上で変更できるので、セキュリティのしやすさも最高でした。
こんな感じ
↓見せてるようで全然見えてなくてごめんなさい。
作って終わりじゃなく、浸透させるためにした2つのこと
さて、社内wikiを作成する上で絶対に抑えておくべき重要なポイントを2つ考えていました。
1. 確実にニーズを捉えていること
2. 継続的に利用してもらうために速攻で浸透させること
1.は当たり前ではあるのですが、わかっていても陥ってしまう罠なのであえて書きました。僕はモノづくりが好きなので自分が作りたいように作らず、「エゴが入りつつもニーズを捉えている」という状態を意識しました。
特に大切なことは2.です。社内wikiが機能しなくなる要因で最も多いのは、「浸透しなかった」です。ここを突破しなければ元も子もありません。
浸透させるために、作成段階から次の2つを意識しました。
・みんなで社内wikiを作る
・社内wikiを使う理由を増やす
高校の文化祭を一番楽しんでいるのが文化祭を作ってきた生徒たちであるように、社内wikiを作ってただ渡すのではなく、みんなで作ることで浸透させようと思ったのが1つ目です。
どういう課題があるかというヒアリングをほぼ全員に何度も行い、フィードバックもしつこく求めました。制作段階でGoogleサイトに記入してもらうなどをして物理的にも一緒に作りました。
そして2つ目の理由について、社内wikiを使う理由って基本的に機能的便益ですが、情緒的便益も入れようと思いました。これは完全マーケティングを応用しています。
つまり、「便利」とか「使いやすい」だけでなく、社内wikiを作ることでチームがどうなるのか、各メンバーの働くモチベーションがどう変わるのかという「意味合い」を多く伝えました。
ここら辺はマーケティングや新規事業開発などを学んできたのでそれを総動員した感じです。
結果として、かなり評判が良く、上手くいった事案かなと思いnoteを書きました。
役に立てば幸いです!🙌