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武器人間レビュー(ネタバレ注意)
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ナチスドイツが死体と機械を合成する禁断の人体実験に手を染めたという設定で描かれるアクションホラー。第2次世界大戦末期の1945年、ソ連の偵察部隊がドイツの占領地域に潜入し、古い教会で大虐殺の痕跡を発見する。教会の地下には迷路のような通路が張り巡らされ、その先に隠されていた広大な研究室では、フランケンシュタイン博士の末裔が死体を機械を合成した不死身の「武器人間」を製造していた。オランダのCMディレクター、リチャード・ラーフォーストが大胆な発想で描き出した長編初監督作。
やっぱりいいよね武器人間。これぞ!って感じのB級感がたまらん。ソ連とナチスのあれやこれやはありつつも基本は造形美やカッコ良さを心ゆくまで堪能し、矛盾だらけのストーリーにツッコミつつ観る映画。グロいの苦手な人は注意な作品です。(下の方に映画内の脳の画像があるので苦手な人は注意)
まずナチスの極秘の地下工場っていう舞台設定が既にロマンある。B級ホラー好きならみんな好きなやつ。内部構造も丁寧に作り込まれていて最高。
ディミトリさんのカメラがめちゃ動き回ってるので画面酔いには注意。
ソ連軍人が嫌なやつばかりなので、1ミリの同情もなく殺られっぷりを笑えるのもポイント高い。極秘任務ならもう少しまともな人選しよ?
武器人間たち、改造バリエーションが非常に多くて楽しい。マイナーチェンジでも手を抜いてないところがいいよね。下半身の改造に全力だったり、もう少し機敏な動きをするタイプが居ても面白いなぁとか思うけど、そこは人間的身体と機械の兼ね合いの結果なのかな。
私はやっぱりモスキートが1番好きです。動きを制限してまで突き詰めたデザイン性が最高にカッコいい!高いところにも手が届く。
博士の助手的役割のポットくんもちょこちょこ走り回っていてとても可愛い。あと、熊のぬいぐるみと頭部を繋がれた女性も不気味で好き。どうやって生きてるんだろうか、3代目フランケンシュタイン博士にかかればこの世の理さえあってないようなものなのかな。
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博士、完全に狂ってはいるんだろうけど何だか嫌いになれない。正に天才と狂人は紙一重というか、ここまで突出していると逆に清々しい。
こういう人が次の時代を作っていくんだろうなって……。武器人間たちをちゃんと生物として扱っているのも愛を感じる(?)。
共産主義とナチスの脳を半分ずつにして終戦!とか仲良しごっこさせるのほんとね……皮肉ききすぎ。最終的にゾンビになっちゃうし。歴史を知ってたら笑っちゃいけないんだろうけど、これはそういう映画だ、思いっきり笑おう!
ラスト、サシャがしれっと博士の首を切り落として逃げた結果、めちゃくちゃ出世しているのもよい。こういう強かさが生き残るポイントなんだろうな。
異形や機械クリーチャー好きな人には間違いなくオススメ出来る1本。ただし結構グロテスク。色んなところにツッコミを入れながら、あってないようなストーリーを受け流し、イカれた博士とクールな武器人間に酔いしれろ!
次回は「ボーはおそれている」をレビュー予定。3時間弱の謎多き1作、アリアスター監督ファンの私でもちゃんと文になるか不安です(笑)