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0169 聖ルイス・ブニュエル監督『皆殺しの天使』聖地巡礼

2024年12月31日(火)にメキシコのメキシコシティ州メキシコシティで聖ルイス・ブニュエル監督の『皆殺しの天使』(El Ángel Exterminador)の聖地巡礼をしてきました。

聖ルイス・ブニュエルは『ビリディアナ』の1961年第14回カンヌ国際映画祭パルム・ドールと『昼顔』の1967年第28回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞にて列聖。

当該の『皆殺しの天使』は、1962年第15回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞。因みにパルム・ドールは聖アンセルモ・ドゥアルテの『サンタ・バルバラの誓い』。

この作品は、映画史に残る究極の不条理劇にしてシュルレアリスム映画の最高傑作!

オペラの終演後、プロビデンシア街にあるエドムンドとルシアのノビレ夫妻(演:エンリケ・ランバルとルシィ・ガジャルド)の豪邸に上流階級の男女20名が集まって盛大な晩餐会がひらかれる。食後、招待客はブランカ(演:パトリシア・デ・モデロス)のピアノ演奏=ピエトロ・ドメニコ・パラディエス(パラディーシ)の「チェンバロのためのソナタ 第6番終楽章アレグロ トッカータ」(←実はお邸とともに作品のカギとなる曲)に耳を傾ける。その夜、料理人も含め使用人たちは、はっきりした理由もないのに邸を去り、翌朝から、20名の男女と執事フリオ(演:クラウディオ・ブルック)は邸に幽閉されて動けなくなってしまう。誰一人として帰ろうとしないのだ。客間から出ようとしても、理由もわからず、出ることが出来なくなってしまう。
やがて水や食料が底を尽き、遂には死者も出る。一方、邸宅の外では軍隊も出動する騒ぎとなるが、何故か誰も邸宅の中に入ろうとしない。

というわけで、映画本篇ではプロビデンシア通りにあるとされる、世界中の映画通の羨望の眼差しが注がれる邸宅は、メキシコシティのポランコ地区にあります。残念ながら本来撮影されたオメロ通り Ave. Homero と車寄せの間のスペースに別の建物が建設されてしまったため、お邸の東側右サイドのカルデロン・デ・ラ・バルカ通り Calle de Calderón de la Barca からしか見ることが出来ません。

映画本篇では邸宅とオメロ通りの間にはスペースが…
今や残念ながら邸宅の前に別の建物が造られてオメロ通りからはお邸を窺うことは出来ません
お邸には東側のカルデロン・デ・ラ・バルカ通りから出入りするようです

但し、オメロ通りを挟んでお邸の向かい側は当時と変わりません。※植栽は全然違いますが…。

その後、ノビレ邸から生還を果たした者全員が、教会で感謝のミサを捧げます。ミサを終え神父たちが壇から降りるも、扉の前で逡巡してしまいます。そこに集まった人たちは教会からも出られなくなり、教会の外では警官隊が大衆を鎮圧し大混乱となり終幕を迎えます。
この素晴らしい教会が、サンアンヘル地区のカルメン教会と修道院跡 Monasterio de los carmelitas で、修道院は博物館 Museo de El Carmen になってます。
Museo de El Carmen - Wikipedia, la enciclopedia libre

映画本篇では教会前はパニック状態
聖地巡礼日は大晦日で家路を急ぐバスで混雑中
映画史に残る素晴らしい幕切れ
映画史に残る素晴らしい教会

©2024 プッチー・ミンミン
©TODOS LOS DRECHOS RESERVADOS Producide por : Producciones Gustavo Alatriste S.A. Dirigido por : Luis Buñuel 

聖ルイス・ブニュエル監督他作品の聖地巡礼
0168『忘れられた人々』
0170『銀河』
0171『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』
0172『自由の幻想』
0173『欲望のあいまいな対象』


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