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0127 マノエル・ド・オリヴェイラ監督『アブラハム渓谷』聖地巡礼

2022年9月19日(月)にポルトガルの(旧グアルダ県)ヴィラ・ノバ・デ・フォズ・コーアと(旧ヴィゼウ県)ラメーゴと(旧ヴィラ・レアル県)ペソ・ダ・レグアでマノエル・ド・オリヴェイラ監督『アブラハム渓谷』(Vale Abraão)の聖地巡礼をしてきました。

作品は、「ボヴァリー夫人」を下敷きして、眼下にぶどう園が広がるドウロ川の渓谷を舞台に愛に生きるエマの人生を3時間超で描く大作。マノエル・ド・オリヴェイラ監督作品として初めて日本で劇場公開された作品です。

現代のポルトガル、ドウロ川流域のアブラハム渓谷で葡萄荘園を営む医者のカルロス・デ・パイヴァ(演:ルイス・ミゲル・シントラ)はアブラハムの末裔。エマ(演:セシル・サンス・デ・アルバ⇒レオノール・シルヴェイラ)は14歳でカルロスに出会い、やがてカルロスに嫁いでアブラハム渓谷の女主人になる。美貌のエマは「ボヴァリー夫人」さながら男たちに愛され、不倫を重ね、愛の真実を求めて破滅の深淵に降りて行く…。

聖地巡礼先は葡萄荘園の谷を緩やかに流れるドウロ川中流域に点在。左に旧ヴィラ・レアル県ペソ・ダ・レグア、右に旧ヴィゼウ県ラメーゴを見下ろすドウロ川の全景は映画本篇画像ではまだ高速道路が開通してない事が確認できますね。

将来的に主人公エマの嫁ぎ先となるパイヴァ家のお邸&ぶどう園は、火災があり建て替えられてシックス・センシズ・ドウロ・ヴァレー Six Senses Douro Valley という5つ星ホテルとなっています。住所はQuinta de Vale Abraão。この作品のタイトルと同じです。
Six Senses Douro Valley - Lamego, Portugal (lartisien.com)

旧ヴィゼウ県ラメーゴは、映画本篇では聖母祭で華やかな飾りつけがされてます。奥にあるのはノッサ・セニョーラ・ドス・レメディオス教会 Santuário de Nossa Senhora dos Remédios。
Santuário de Nossa Senhora dos Remédios – Wikipédia, a enciclopédia livre (wikipedia.org)

エマの生家のロメザル邸は旧ヴィラ・レアル県ペソ・ダ・レグアのゴディン教区にある原作者アグスティナ・ベッサ=ルイスが住んだ家のお隣にあります。完全に個人の家。

エマに恋のさや当てを促すペドロ・ルミアレス(演:ルイス・ミラ・バレート)のお邸は旧ヴィゼウ県ラメーゴのパチェカぶどう園 Quinta da Pacheca。
QUINTA DA PACHECA - Douro Valley Portugal
ワイン作りが体験出来てワイン樽の小屋に宿泊も出来るワインのテーマパークになってます。自家製ワインの試飲も出来ます!ここのワインはとにかく美味い!また呑みたい。

エマがことあるごとに息がつまるロメザル邸を抜け出して、羽根を伸ばす先が、ドウロ川のラメーゴとペソ・ダ・レグアの更に上流に位置する(旧グアルダ県)ヴィラ・ノバ・デ・フォズ・コーアのヌマン教区のヴェズヴィオぶどう園 Quinta do Vesuvio。
Quinta do Vesuvio (quintadovesuvio.com)
ポルトガル国鉄ドウロ線ヴェズヴィオ駅に隣接してるので行き易い場所かと思いきやドウロ川沿いの道が無くてかなり遠回りをしないと訪問出来ません(行けて良かった…)。時間もかかります。映画本篇では対岸からの映像もあったので、自分も対岸から撮影したかったのですが、対岸に渡る橋が近くに全くありませんでした。ボートで渡るしかないようだったので諦めました。

再度、パチェカぶどう園 Quinta da Pachecaが登場。

今回聖地巡礼してわかったのですが、この映画のロケ地はドウロ川沿いでブランドとして著名な由緒あるQUINTA(「キンタ」と発音します)=荘園(私はぶどう園と意訳)の協力で撮影されていました。パチェカとかヴェズヴィオは日本にも輸入されているのかな?

©2022 プッチー・ミンミン
©1993 Madragoa Films

マノエル・ド・オリヴェイラ監督他作品の聖地巡礼
0125『ノン、あるいは支配の空しい栄光』
0126『神曲』
0128『階段通りの人々』
0129『メフィストの誘い』
0130『家宝』
0131『永遠の語らい』
0132『コロンブス 永遠の海』
0133『ブロンド少女は過激に美しく』
0134『アンジェリカの微笑み』
0135『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区 征服者、征服さる』

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