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イベント実施報告②【燕岳プライベートガイド】

10月17(土)〜18日(日)

燕岳をプライベートガイドして来ました。

今回のメンバーは、私が登山をはじめるきっかけとなった古巣のコミュニティ『東京岳悠会』の皆さんにモニターになっていただきました。

Petal Peakでは、前回ご紹介した《ディスカバリー親子自然体験》の他に《マインドフルネス体験》をご用意し、お客様の目的にあった登山が出来るように配慮しております。

マインドフルネスとは、

『今、この瞬間』を大切にする生き方です。マインドフルネスの実践により、ストレス軽減や集中力の強化などの効果もあることが報告され、今、世界中で注目を集めています。

調べてみると、マインドフルネスが世界中に普及するきっかけとなったのは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士が、のちの章で紹介する「マインドフルネス瞑想」を医療分野に最初に取り入れ、慢性の痛みとの共存を目的としたプログラム「マインドフルネスストレス低減法」を開発したそうです。

医療分野以外では、アップルやグーグル、フォードなどの大企業が社員研修の一環としてマインドフルネス瞑想を導入したが話題となりました。

マインドフルネス瞑想は、体や脳への効果や臨床治療としての有効性が、多くの研究により示されるようになってきたことにあるんだそうです。

瞑想は仏教の瞑想法を取り入れて生まれたものですが、宗教色を一切廃しているため、誰でも抵抗なく実践できます。私も体験したことがあり、頭の中を空っぽにして、スッキリします。

マインドフルネス その言葉の意味

さらに調べてみると、「マインドフルネス(mindfulness)」という言葉は、もともとは仏教の経典で使われている古代インドの言語の「サティ(sati)」という言葉の英語訳としてあてられたもので、「心をとどめておくこと」あるいは「気づき」などと訳されます。

英語には、「気づかう」「心配りをする」という意味の「マインドフル(mindful)」という形容詞があります。マインドフルネスの概念では、マインドフルとは「『良い・悪い』などの価値判断をすることなく、完全に『今この瞬間』に注意を向けている心の状態」を指すそうです。

登山と瞑想

他方、「登山は瞑想」という考え方もあります。

私なんかは、一人で登山している時は、何も考えず、ただ登る。ただ美しい景色を見て、きれいだなと思う。

頬を撫でる風の心地よさ、陽射しの暖かさを感じる。

時折、小鳥のさえずりも聞こえてくる。

山頂で満足したら、ただひたすら山道を下る。

なんてことはない。それだけで不思議と心が満たされる。

自分の内面に目を向け「『良い・悪い』などの価値判断をすることなく、完全に『今この瞬間』に注意を向けている心の状態」で、自分が何を感じているか、何が聞こえるのか、ただ感じる。

広い自然の中に自分がいる、という事実が言い難い充足感を与えてくれるのです。それだけで不思議と心が満たされる。

これが私は、まさにマインドフルネス瞑想そのものだと思います。

こうした背景からPutali Peakでは、より充足感の得られる山行企画をしたい方に向け『マインドフルネス体験』をご提供していきます。

というわけで、燕岳のツアーは、『マインドフルネス体験』プログラムの第1回目の企画でした。

当日は朝から雨

17日(土)の朝は、登山口に着いた時点ですでに雨が降っていて、気温もかなり下がっていました。
せっかく久しぶりの燕岳なのに、あいにくの天気で、皆さん少し意気消沈気味。しかも悪いことに降雪の予想も出ていました。

私はきょうが天気の底だと言うことをメンバーに伝えて、
きょうは少し辛いけど我慢して、明日の天気に望みをたくしましょう!と、伝えました。

濡れ&冷え対策をしっかりして、いざ出発。
時間をかけてゆっくりと標高を上げていきます。

燕岳紹介

燕岳はしばしば『北アルプスの女王』だとか、『花崗岩の王国』などと呼ばれ、登山道がきちんと整備が行き届いており、北アルプスの中でも登りやすい山とされています。昔から学校行事でも登られており、特に長野県民の方には親しみのある山です。

登山者にとっては、いわば北アルプス"登竜門"的な存在の山ですが、しかしながら、されぞそこは北アルプスの山。
"北アルプス三大急登"のうちのひとつ、合戦尾根を擁し、挑戦者に試練をかけます。

参加者の皆さんも久しぶりの大きな山に戦々恐々とされている方もいらっしゃいました。

今回の計画

■ ルート概要 1日目:
燕岳登山口 → 第1 ベンチ → 第2ベンチ → 第3ベンチ → 富士見ベンチ → 合戦小屋→ 燕山荘 → 燕岳 → 燕山荘

■ ルート概要 2日目:燕山荘~合戦小屋~有明荘

燕山荘 → 合戦小屋 → 富士見ベンチ → 第3ベンチ → 第2ベンチ → 第1ベンチ→ 中燕岳登山口 → 有明荘

[総歩行距離] 約7.9Km 

[累積標高上り] 約1,260m

[累積標高下り] 約1,300m

雨は雪へと変化

第一ベンチを過ぎ、しばらく歩いていると、梢の向こう側に山の上の樹林帯が見えました。森は白く化粧をして、すでに雪が積もりはじめていました。

紅葉と雪のコラボ。そのコントラストがなんとも美しい景色となっていました。

順調に歩を進め、やがて富士見ベンチ付近では雨が雪に変わりました。

合戦小屋で おしるこが売られているワケ

11時頃に合戦小屋に到着。あたりはすっかり銀世界。初冠雪でした。

ここで温かいおしるこを購入。みんなで活力を補給していきました。
参加者の方々も、このおしるこには思わず笑顔。
ここまでの疲れも忘れさせてくれました。

あとで聞いた話ですが、
このおしるこ、このあと合戦尾根を登る登山者にきちんと水分と栄養を補給してほしい、という狙いがあって販売しているんだそうです。  

装備の確認を入念にして、いざ合戦尾根へ。


皆さん励ましあってなんとか、このコース最大の難関をクリア!

降りしきる雪の中 燕山荘に到着

そして、スタートから約6時間半ちょっと。
ついに今日の宿、燕山荘に到着。

さすがに、皆さんお疲れでしたが、
「もう無理だと思ったけど、ここまで来れたよ。ありがとう」
と、皆さんの顔には達成感が溢れ出ていました。

山小屋に入り、温かいランチとデザートにケーキまで追加注文をする方もいました。
だってせっかくここまで来たんですから、遠慮することはありません(笑)
「ここまで苦労して来た甲斐あったね」
「なんど来ても、やっぱり良い山小屋だよね」と、みんな笑顔にならずにはいられませんでした。

稜線は吹雪いていたので山頂へ行くのは断念しましたが、
幸いにも翌日の予報は朝から晴れ、ということでしたので明日の天気に期待して、眠りにつきました。

2日目は朝から晴天!

翌朝。
4時に起きて窓の外を見ると、万点の星空が広がっていました。

朝食を済ませた後、小屋の裏手にある展望台へ向かうと、そこには北アルプスの大パノラマが待っていました。

そして、いよいよご来光。 
雲間から温かい光熱を差しながら太陽が登っていきました。

世界が目覚める瞬間ー。
凛とした空気の中、雪化粧をした北アルプスの山々が朝日に赤く染め上げられていきました。


その光景は筆舌に尽くしたがたい美しさでした。まさしく『マインドフルネス体験』でした。

この日は時間の都合で翌朝はご来光を見て下山することになりましたが、それでもこの素晴らしい景色を見ることができて、メンバーの皆さん、各々とても嬉しそうな表情をされていました。

帰りはチェーンアイゼンや軽アイゼンなど装備に加えて、
少し足元に不安のある方に安心して下山していただけるよう一部の区間をロープで確保しながら下山しました。

皆さん、大変お疲れさまでした❗️
ありがとうございました😊

Putali PeakWebサイト
https://www.putalipeak.com/home/

追記 燕山荘さんのホームページによればお子さんは6歳になってからが燕岳登山の適齢期のようなので、将来的には、《ディスカバリー親子自然体験》企画でも燕岳をやりたいと思います。

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