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プッシュえりこスタッフです!スペインの平野恵里子からの報告です!
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先週はバレンシアで、スペインリーグ4戦目に背番号23で出場しました。
応援してくださった方々ありがとうございました。
次は3月にホームでの試合が2試合あります。
成長した姿をみてもらえるよう頑張ります!

日本では男子のトップリーグが始まり、女子は日本一を決める会長杯が開催されました。大変な状況の中、運営してくださった方々のおかげで、選手の素晴らしいプレーをスペインからも観戦することができました。
女子の試合が太陽生命セブンズだけではなくて、いろんな試合をネットで観れる環境になるといいなあと思います!

先日、スペイン語クラスで、セビリア大学からアルカサル(王宮/Real Alcázar de Sevilla)まで、セビリアの街を歩いて歴史を学びました。歴史はとても興味がありますが、学生の時に学んだことはうろ覚えです。
スペイン語クラスのビオレタ先生から学んだ事を少しご紹介してセビリアを知ってもらおうと思います。

セビリア大学(旧王立タバコ工場)

私の住んでいるところからセビリア市内は電車か車で20分くらいかかります。
セビリアのPuerta Jerez駅(プエルタヘレス)から歩いてすぐに、とても古くて綺麗なセビリア大学があります。

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セビリアは大西洋から約70km内陸に位置しますが、大きな船が航行可能なグアダルキビル川があり、大航海時代から貿易都市として栄えています。
日本の教科書では「コロンブス」と記されているクリストファー・コロンブス。スペイン名では「コロン」と呼ばれています。コロンは1492年、セビリア近くのパロス港から遥かジパング、インドを目指して出帆しました。

入口の上に、"FABRICA REAL DE TABACOS"(ファブリカレアルデタバコス)と記されています。セビリア大学の建物は、もとは「王立タバコ工場」でした。セビリアの歴史を感じることのできる建物です。

アメリカ大陸からもたらされたタバコの葉はセビリアに集められ、16世紀初めからセビリアでタバコの生産が始まりました。18世紀、王立タバコ工場が建てられ、葉巻の大量生産を始めたそうです。

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入口のレリーフには、コロンやエルマン・コルテス(コロンブスと同じくスぺインの航海者)の肖像、タバコを作る道具のようなものもあります。このタバコ工場では、手先が器用な女性がタバコ(葉巻)を製造していました。オペラ「カルメン」の主人公が働いていたのはこの工場です。

セビリアには城壁があるのですが、このタバコ工場は城壁の外に建てられています。そのためか、タバコ工場自体も塀や堀で囲まれています。

続いてサンタクルス街へ

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サンタクルス街のAgua(水)通り。アルカサルへ水を供給する水道管が通っていたのでこの名がついたそうです。

この壁の向かいには現在ホテルがあって、昔は2階のベランダから歌ってオペラをしていたそうです。普段お店があっていつもは人で溢れているのに、コロナ禍で人はいませんでした。お店も閉まっています。

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サンタクルス街はユダヤ人の方々が住んでいたエリア。夏の厳しい日差しの影響を抑えるために、白く塗られている建物が多く、窓も小さめにし、道幅も狭く入り組んでいます。セビリアの街のなかでもエキゾチックなエリアです。

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中世のセビリアにはユダヤ人迫害の歴史があります。
左上の骸骨のタイルにその一端を見ることができます。

ここには、ユダヤ人のスソナという女性が住んでいました。彼女にはキリスト教徒の恋人がいました。ある日、スソナはスソナの父とユダヤ人たちが反乱を計画しているのを知り、それを恋人に告げ口してしまいました。スソナの父と仲間たちは捕らえられ、処刑されます。その後、スソナは修道院に身を隠しますが、自分のしたことを深く後悔し、自分が亡くなった後、人々が自分の裏切りを忘れないよう、自分の首をこの場所に1世紀の間ずっと吊るしておくよう遺言したそうです。今はその代わりに骸骨が描かれたタイルが貼られています。

通りの名前に、SUSONAやJUDERIA(ユダヤ人通り)、Calle de la Muerte(死の通り)、死の通りの裏にVIDA(生の通り)と名付けられているのもこのことに関係があるそうです。

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サンタクルス街を抜けると、カテドラル(大聖堂)とヒラルダの塔が見えてきて、目的地のアルカサルに着きました。カテドラルにはコロンのお墓が入っています。

ただ綺麗な街だなと歩いて見ていましたが、この街の歴史を少し理解することができました。

スペイン生活は、あと半分となります。
そしてW杯NZ大会まで、あと200日を切ります。

苦難を楽しんで頑張ります!