偏見コンテンツ:ゲリラ戦について
注:この記事は過去に作成した記事のnote再掲載バージョンです
noteの機能確認や練習のためにこのような形式をとっています
次回以降の投稿はもっと普通の形式の文章にします
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画像(キャラ名)
セリフ
というキャラトーク形式で書かれています
というわけではじまりました偏見コンテンツ
どんどんぱふぱふー!!!!!
……なんだこのノリは
キミは知るまい、廃れていったアイコン対話式テキストサイトのことを
(無視)えっとですね、今回はゲリラ戦について話したいと思います
ゲリラってあれですよね、粗末な民兵が隠れながらコソコソ戦うやつ
たしかに
ゲリラ戦の具体的な戦闘はそういう形式になることが多い
ですがそれだけではなくてですね
まず戦争の1手段としてのゲリラとゲリラ的な戦法について分けたほうが混同の心配がないのではないかね?
戦争の形態としてのゲリラ
戦闘としてのゲリラ的な戦い方
それらを行う主体としてのゲリラ
これらがすべてゲリラなので時にわかりづらい。ゲリラ・コマンドなどは民兵が主体となる本来のゲリラではなく正規兵が正規軍を支援するためにゲリラ的な行動をとる戦闘部隊だしな
いや待って、ちょっと段階を追って話そうか。
いきなりだと混乱するからね。
是非そうしてくれると嬉しいです
まずゲリラというものにどういうイメージがありますかね?
小規模の歩兵のみの民兵たちが奇襲を繰り返す?
そう。語源も小規模な戦争みたいなそういう意味です。
スペイン語の戦争(guerra)に小さい(illa)という接尾語がついてゲリラ(guerrilla)。ちなみにguerraは古フランク語の*werra、ゲルマン祖語まで遡ると*werrōで、これは当然英語のWarと同根だ。ちなみにちなみにドイツ語のKriegは~
あ、ごめん今はそこまで聞いてないんで大丈夫です。
オタクってこういう聞いてないことまで話し出すからな。
そういうとこだぞ。
話したいから話す。それで問題あるまい?
キミも話したいことを好きなだけ話したまえ
話を聞けと言っている
まぁ別に私はどんな話でもいいですが話題の脈絡に欠けそうですね
あー、まぁとにかく話を戻そう。
ゲリラという言葉の直接の語源はその通りスペイン語で、
直接的には半島戦争(1808年 - 1814年)に由来する。
ナポレオンのフランス第一帝政がナポレオンの兄にスペインを支配させ従属下に置いたことに反発したスペインの人々およびそれを支援するイギリスなどの国とフランスの戦争というのがざっくりした説明かな
相手は世界最強の大陸軍(グランタルメ)だ。
スペインの正規軍やイギリスなど同盟国の軍隊ともかく
スペインの民衆が正面から戦うのはあまりにも荷が重いわけだな。
そんな能力はないし、そんな必要性もないわけですね。
そう。最前線の敵軍の主力ではなくて、それに物資を運ぶ補給部隊だとか、都市の治安維持部隊だとか、「弱い場所」を攻撃すればいいし、それしかできないわけです。
軍隊という何も生産しない人々の大集団を動かすには多大な物資が必要だ。
それは軍が巨大になるほど顕著になる。
だから大規模な正規軍には必然的に「弱点」としての補給線ができてしまうし、これを捨てるということもできない。
略奪などで賄える物資にも限りがあるからね。
それに略奪行為は占領地の人々の敵愾心を強めるという副作用もある。
民衆の支持という話はあとでするのでいったん置いておきましょうか。
ちなみにこのように片側が正規軍・もう片側がそうでないなどのように
戦力に圧倒的に差がある戦いのことを「非対称戦争」と呼んだりします。
えっと、ゲリラをする兵士は補給線のような弱い場所を狙う。
では敵軍が正面から攻めてきたらどうするのでしょうか?
その時は逃げてしまえばいいわけです。
ゲリラ戦は敵の弱点を狙って戦い
土地などにはこだわらない戦争のやり方なんですね。
所謂ヒットエンドランだ。
襲撃したら敵が対応できる前にさっさと撤退して
一方的に攻撃だけをするというのが理想なわけだ。
ゲリラ戦の名手だった毛沢東は敵進我退と言っているね。敵が進んできたらゲリラは退く。準備した正規軍と正面から戦っても損害が増えるだけで非効率だからね。とくに攻めてきてる敵は正面から戦えば勝てると思ってるから攻めてきてるのでなおさらだよ。この後に敵駐我擾 敵疲我打 敵退我追と続くがこの言葉のオリジナルは毛沢東ではないそうだ。もちろん広めた功績は大きいけれども~
政治家としての評価は晩節を汚したともいわれる毛沢東もゲリラ戦指揮官としては世界最高峰だ。あまり突っ込むと荒れそうなのでここまでにするが日本軍や国民党相手に高度なゲリラ戦を行い成功した人物なのは間違いない。
あー、危険なネタは回避してくださいお願いしますよ。
しかし、逃げるにしても限度が存在するのでは?
いつか全土が占領されたら?
2つ答えがあります。
まず1つには
「ゲリラは土地を占領されることによるダメージが比較的少ない」のです
どういうことでしょう?
逆に考えてみたまえ?
何故、通常の軍隊、正規軍は土地を占領されることが損害になるのだね?
それは例えば守るべき人々のいる都市や村落があって、
主要都市には国という巨体を維持するのに必要な行政組織の中枢があるからでしょう?それが奪われれば国は立ち行かなくなります。
軍隊だって兵器や物資を供給する工場が失われれば困るはずですし、国が維持できなければ軍隊も維持できません。
占領された土地からは兵士も補充されないはずです
そうだ。だが高度に分業された複雑な正規軍と比べて、小規模な戦闘部隊の集合体にすぎない大衆のゲリラに高度な行政機構は極論すれば不要だ。
占領されれば補給線が断ち切られたり包囲されるような重要地形というものも「前線」をゲリラが形成しないのだから生じにくい。
物資だって大砲や戦車や戦闘機のような巨大な兵器ならともかく、ただの機関銃の維持は難しくないからね。小火器とその弾薬程度しかいらないのならばそれぞれの生活する分に毛が生えた程度だろ?正規軍のように巨大な砲弾を大量に消費したり大規模な空軍基地を運営せねばならないわけではないのだよ。
えっと、換言すればゲリラ部隊というのは正規軍のように国家でなければ作り出せない強大な武力ではないからこそ、
最悪、土地が全土占領されてても、長続きできるかどうかはともかくとして、ゲリラとして戦い続けることができるわけです。
だって民兵は元はといえば地元で普通に生活してる一般人であることがほとんどなのですから
なるほど・・・そしてだからこそ占領下の住人もゲリラ部隊に合流することもできるということですね。
そうですね。
そして同じ理由で「正規軍のような形での」補給線というものも無い、
もしくはずっと薄いわけです。
ゲームみたいに言うとゲリラには通常の軍隊にとっての弱点に当たり判定がない感じでしょうか。
(うまいこと言ったつもりだろうがうまくはないね・・・)
例えば柔道が重心をうまく崩して相手を倒すように、そこを崩せば全体を崩壊に導ける1点を「重心」というのだよ。それは例えば敵国にとっては軍隊そのものだったり、あるいは首都だったり、あるいは国民世論のような非物質的なものだったりするわけだよ。
ゲリラにとって戦力や土地はそうではないということだね。
そしてゲリラは逃げる隠れることも比較的容易だ。
なにせ元は地域住民であることが多い。
再び武器を持たない人々のふりをすればそれでいい。
なるほど。後方の連絡線を打撃するだけなら、かえって占領されてる地域のほうがやりやすそうですしね。
それでもう一つというのは?
もう一つは、えっと、これは成功したゲリラにはよくあることなんですけれども、「相手が占領したくてもできない場所」がある場合があります。
これは「聖域」と呼ぶのが一般的ですね。
基本的には中立国の領土内などだ。
そこに打撃を加えれば新たな敵を増やすことになる。
しかもその場合は往々にしてその中立国は敵対的だ。
ゲリラに武器弾薬・食料を提供していることもある。
他にはゲリラとは別に存在する正規軍が維持している領土などだな。
ゲリラにとって補給線の必要性は薄いとは言っても皆無ではないからね。そして安全地帯があれば、そこにはゲリラ戦のいわば司令部のような拠点だって形成できるというわけだよ。実例をあげればベトナム戦争でべトコンを支援したホーチミンルートが有名だね。英語ではルートではなくトレイル(Trail)だがね。この場合は南のべトコンとは別に存在する北ベトナムの正規軍(ベトナム人民軍,NVA)が維持している北ベトナムからカンボジアなどを経由して南ベトナムに物資が流れていたのだ。
安全地帯があるなら出撃拠点に使えば逃走するときも楽そうですね・・・
安全な場所から一方的に有利をとれるわけですか
そして安全地帯があることによって、そこで力を蓄え強力な兵力を作るみたいなことも視野に入ってきます。
ゲリラから正規軍へ、いわば進化することも可能になるわけですね。
あら?
ゲリラは弱小だからこそ正規軍ではないことを活用してゲリラ戦で戦えるのですよね?こちらも正規軍と同じ土俵に立てば結局のところ強みを捨ててしまうのでは?
ゲリラが何のためにゲリラ戦を戦うか考えてみたまえ。たとえば侵略者に対抗するゲリラにとって最終的な「勝利」とはどういうことかね?
それはもちろん、
侵略軍が撃退されて占領した土地を放棄し帰っていくような状況では?
そうだ。だがゲリラのみによってそれを実現するのは難しい。
なぜならゲリラ単独では正規軍全体の戦闘能力を破壊ということはできないからだ。前線に敵の正規軍が存在しないなら補給線にいくらでも正面戦力を投入して被害を押さえつけることもできる。
逆に言えば敵と相対する正規軍が存在すれば、補給線をゲリラから守るために戦力を使うということが大きな負担となってくるわけですね。
元々の戦力が少なければ少ないほど、
守らなければならない補給線が長いほど負担が大きくなります。
日中戦争における北支の治安戦が例かもしれません。
とはいえゲリラと戦うことで人的資源や労力を消費することに正規軍を擁する国の世論が耐えられず厭戦感情が高まって撤退するという形の勝利もあり得ないわけではないね。こういう場合はゲリラは「相手国の国内世論という重心」に打撃を加え勝利に近づいたと言えるわけだよ。ベトナム戦争での米国内の反戦運動の高まりが近いかもしれないね。もちろん、この場合であっても北ベトナム正規軍が存在してこそ実現したわけだけれども。
ゲリラの直接的語源となった半島戦争では元々から存在したスペインやその同盟国の正規軍が、ゲリラによって弱体化させられたフランス軍を撃破することでゲリラ戦がある種の成功を収めたと言える。だがそれに先立つアメリカ独立戦争はゲリラ戦で時間を稼ぐ間に敵を打倒しうる正規軍を新たに作り上げた事例に近い。
大陸軍(コンチネンタルアーミー、Continental Army)だね。イギリスに対してミニットマン(Minuteman)と呼ばれる民兵部隊がゲリラ戦を戦いイギリスを苦しめたことが有名だが、しかし最終的には13植民地が苦心して作り上げた正規軍としての大陸軍がイギリスと正規戦で勝利することが必要だったのだね。であるからこそ指揮官ジョージ・ワシントンがアメリカ建国の父たちの筆頭となる理由の一つともいえよう。
もちろん、下手に正規戦に転換すると正面から大打撃を受ける危険があるのでタイミングには注意する必要があって
ある意味で一番難しい局面かもしれませんね。
安全地域を作って、そこで戦力を育てて、これまで弱らせた敵を正面から倒す・・・というのが理想的プロセスなわけですか
そういうことになります・・・がそれを可能にするには大前提があります。それはゲリラが民衆の支持を得ていることです。
それは当然なのでは?だって民衆がゲリラを支持してないなら、そもそもゲリラになる人がいないし、村などに逃げ隠れようとしても追い出されてしまうでしょう?
そうだ。大衆がゲリラを支持してこそ、ゲリラは安心して町や村を拠点にできる。穏便に寝床を提供してもらい、情報を売るような真似もされず、食料などを分けてもらうことができる。
民衆から新たなゲリラ戦士も生まれる。
毛沢東は「民衆は水でゲリラは魚であり、魚は水から離れて生きていけない」という論旨の言葉を残しているね。水から離れた魚はただ死を待つばかり、民衆から見放されたゲリラはもはや単なる無法者の集団ということだよ。
ゲリラにとっての「重心」は民衆の支持なわけですね。
そういうことです。
ゲリラがどうやって民衆の支持を取り付けていくかこそがゲリラ戦の要点なのであって、正規軍に対する攻撃をどううまく行うかはいわば二の次といっていいかもしれません。
その手段としてはナショナリズムやイデオロギーに訴えるなどがあるが、何をするにしても宣伝活動を行う必要がある。その材料として特に有用なのは「占領国はこれほど非道だ」という逆宣伝だろう。
ゲリラへの支持というのは占領国への不支持の裏返しの場合があるということだね。占領国がゲリラを抑えようとその根拠地である村落に苛烈な攻撃を加えたとすると、そのような弾圧的な手段が逆にゲリラの支持を高めゲリラを利する場合がある。
ゲリラを撃破しようと軍事力を行使すればするほど、増大する巻き添え被害がプロパガンダ材料としてゲリラを強化するパラドックスだ。
逆に占領軍の立場からすれば、民衆から支持を取り付けて、ゲリラとそうでない民衆を分離してしまうのが最善のゲリラ鎮圧作戦なんですね。
ゲリラと民衆を物理的に分断しようと作った戦略村に民衆を居住させようとしたベトナムの米軍は逆効果だったがね。支持を受けた結果ゲリラが関係として分断されるのであって物理的にそうなるのではないのだ。
物理的に皆殺しという手段を取らないのなら
ゲリラ戦とは大衆の支持の奪い合いに帰結するわけだ。
ナチスドイツの特別行動隊の話は凄惨なのでやめましょう。
占領国が住人の支持を取り付けるための活動を宣撫工作というよ。
たとえば地域住民の生活水準を向上させるなど利益を提供して敵愾心を弱めるような活動だね。
占領側がこれに成功してゲリラが地域住民から支持を失い見限られ追い出されたなら後は簡単だ。夜盗の群れを駆逐するように山狩りをすればいい。ゲリラが潜む隠れ家を包囲し外側からしらみつぶしに探し排除していく。
・ゲリラは民衆の支持の下でしか活動できない
・ゲリラと占領者は支持の奪い合いをする
・理想は聖域などで力を育てて正面から勝利する
この3点でだいたい大丈夫でしょうか?
ざっくり言えば大丈夫だと思います。
ゲリラ戦は良くも悪くも民衆が焦点となる戦争なわけですね。
それでは今回はここで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
お金は要らない、読んでくれさえするならば