片道レンタカー「カタレン」を利用しようとして失敗した話(所感編)
本内容は2023/7/10時点での情報です。
本内容は3部構成であり、起こった出来事を時系列順に描いた「旅日記編」、これから利用予定の方向けに体験をもとに注意点などをまとめた「予約システム編」に続く、いわばお気持ち表明の場である「所感編」です。
ただしこれまでの2部はなるべく客観的目線を意識しましたが、本内容は完全に主観です。
従って不愉快に感じる方もいるかと思うので、閲覧は自己責任でお願いします。
さあ、旅日記編でも述べた私個人の目的、「利用できなかったことによるモヤモヤの供養」のお時間である。
誰得?であってもこれだけは絶対書く。
異論は認めない。
β版でサービスを運営するということ
さて、結論から言ってしまうと「システムがサービスに対して追いついていない」ということ。これに尽きる。
しかもまあまあひどい状態。
初めにも書いたが実証実験中のβ版の現在のシステムに完璧さや大きな理想を求めるのは違うのは承知である。
「β版だからこんなもんでしょ。仕方ない」 というのも 「β版がこれだと正式版が不安」 というのもどちらも分かるし、どちらの意見も持っているつもりではいる。
どちらかといえば後者だが。
だが、私には今回この内容を書くに至る決定的なことがあった。
それは、然るべき通知・知らせが利用開始時間前に届かなかったのである。
加えて、あと少し判断が遅ければ終電終了で危うく帰れなくなるところだった。
詳細は「旅日記編」「予約システム編」を参照してほしいが、これには驚いた。約束を破られたのと同じだと思った。
しかし、利用前に一通り確認していたつもりだったが、私にも落ち度があったのではないか。
そう思いなんとか無事帰宅後に、改めてこのカタレンを調べていたのだが、掘下げて見ていくと、どうもβ版だから仕方ないと感じるところが少ない。
むしろβ版とはいえそれはさすがに… と思ったことの方が見つかる始末だった。
だから、言いたい放題言わせてもらう。
是非はともかく、「カタレン」そのものについて考え、知るきっかけになればと思う。
教えてほしい 予約ページ
冒頭で書いた「システムがサービスに追いついていない」の大部分を指すのは予約ページのことである。
というよりほぼこれ。
これは憶測だが、この予約ページはどこかにあったフリーのテンプレートにちょっと手を加えたものであるような気がする。
なぜなら余計な表示や項目、機能が重複するボタンなど、無駄が多い。
対して、予約に必要な情報ほど一目見て分からない。
後述する利用案内は、必要なことが書かれていないくらい逆にシンプルなのに。
また、「予約システム編」でも書いたが、カタレン公式の利用案内に記載(あるいは添付の予約の手順説明動画)の方法よりも早い、というよりなぜそれを経由する必要があるのか分からない手順があり、これもまた謎。
もちろん行き着く先の画面は(見た目上は)同じである。
然るべき手順を踏まないと正しく機能しない なんてまるでSFとかのダミープログラム的なものを想像してしまうがそうなんだろうか。
共感できる方も多いと思うが、触れるものは片っ端から触って挙動を確認したいのが私の習性なので、今回も例に漏れずいろいろ触った。
その結果、私は利用案内の手順を外れて予約をしてしまった。
LINEにも通知が来て安心していたが、これが原因だったということもあり得るのだろうか。
ともあれ、なんでこんな状態で放置したまま使われているのか不思議である。
素人考えだが、日時や利用時間に関する変数が連動していて下手に触れない とかなのだろうか。
そしてもうひとつ。
なぜこのシステムにこだわるのかが分からない。
カタレンの予約に必要な情報は「利用路線(とその発着地)」、「日付」、「利用時間」、「利用開始時間」の4つ。
現在の予約ページでも、それぞれのいずれかの条件を変えての複数同時リクエストは出来ない。
であるならば、他の汎用サービスでいいのではないだろうか。
「そんなに言うならやれよ」と言われても嫌なのでここら辺までにしておくが、例えばGoogleフォームとかじゃダメだったんだろうか。
といった感じで基幹のシステムに不安要素が多いのが冒頭の理由であるが、これだけではない。
画像は利用案内には記載がない(それはそれでおかしい)公式からの回答だが、このリクエスト予約に対する結果通知は、通常営業日3日以内であるそうだ。
これがシステムの都合上なのか、システムを通じて送られてきたリクエストの判断に人員が足りないのかは不明だが、そうなると話は変わってくる。
公式HPにも「24時間いつでも利用可能」と記載があり、予約システム上もいつでもリクエストが送れる。
でも現状は、希望の利用開始時間までにリクエスト結果の通知が送られなくても運営側に責任は発生しないケースが存在してしまっている。
ましてやそのリクエスト結果通知の期日は記載が無いのである。
控えめに言って詐欺ではなかろうか。
それとも私の利用方法や想定が異端なのだろうか。
仮にシステムの根幹の改修が難しくても、「可能性」、「推奨」といった言葉で利用者側もカタレン側もいらぬ手間を省けると思うのだが、なぜそれをしないのだろうか。
一応私という前例もあるし、説明文はシステムに影響しないはずだから加筆修正はそう時間のかかることではないと思うのだが。
あるいは利用案内に使用されているNotionやLINEのタイムライン、HPにでも記載していればまだマシだと思うのだが。
ちなみに、後述するがこの予約ページに対してはまだ懸念点がある。
私個人の考えではすでにβ版という「免罪符」でも許容できないと考えているのだが、そうでないというのなら次も読んで考えてほしい。
Notionってオシャレだよね
次に、利用方法をはじめこのサービスのサポートを成すのが、Notionで書かれた利用案内である。
既知の方も多いと思うが、Notionとは簡単に言うと、これ1つでなんでもできるて、外部ツールとの連携もしやすくて、さらには使いやすいデザインでいいよね 的なツールである。
個人利用は無料なので、気になった方は使ってみるといいかもしれない。
話がそれたが、もちろんというかカタレンがNotionを使っていることには罪はない。
面倒なレイアウト設定等に気を遣うことなく、直感的に使えるというのは編集もしやすいだろう。
ではどこが問題か。
そう、中身である。
HOMEにあたるページ。
一見すると整ったきれいなページに見えるのだが、例えばよくある質問を開くと、
なんと全項目がショートカットなのである。
もはや「よくある質問」に対する冒涜。
これではただのサイトマップである。
それだけではない。
画像には写っていないが最下部に「その他の質問を探す」とあるのだが、これを押すとHOME画面に戻される。
私の心に余裕があれば「かわいいね」で済むが、これだけのことをやられ、並べられると威圧的な「なんで?」という言葉に変わってしまう。
仮でこうしているのかは分からないが、これなら最初からない方がマシである。
まさか「よくある質問」の存在意義を知らないのかと不安さえ覚える。
他にも料金表を開くと超過料金しか表示されなかったり、リクエスト予約の成功例しか示さず失敗例は一切記載が無い上に、前述した結果通知の期日の記載もない。
挙句は、予約リクエストの手順を説明する動画は字幕・音声が一切無い などカオスである。
料金に関しては、路線ごとに料金が違ったり、料金改定や休日料金の設定が始まったため分からなくもないが、ならばHPのリンクでも一時的に貼っておけばそれだけでも印象は違うと思うのだがなぜなのか。
Notionって編集やその反映にそう時間はかからないと思うのだが(そうでなければ何社も導入しないだろう)、トンチンカンなことを言っているだろうか。
この有様、まるで某コンビニのテプラだらけのコーヒーマシンを思い出させた。
提供側のこだわりが強すぎて利用者が困惑するあれ。そのうちテプラだらけになったあれ。
もっとも、今回の方は困惑の次元が違うが。
予約ページでもそうだったが、この利用案内においても利用者に対する配慮が無い。というか実際の利用を想定しているのだろうかと思ってしまう。
こういう言い方をすると傲慢で嫌なのだが事実そうである。
ましてや、ソースファイルにてコードを書いてコンパイルして… といった手順を踏むであろう予約ページ(そうはいっても「予約に必要な情報」には何ら影響はないはず)に対して、普段通りの操作で編集できるはずのNotionですらまともに、迅速に対応できないのであれば、はっきり言って何も期待できない。
横暴だが、そんなところに個人情報を提供したり、車の手配を任せたりは私はしたくない。
怖いし、心配だから。
オシャレで流行りのツールを用いるのは大いに結構だが、使うならまともに使ってほしいし、そもそも使用目的を忘れないでほしいものである。
では、最後に私の経験の振り返りとともに現状のカタレンを確認する。
利用シーンの想定はどこまで考慮されていたのか
最後はこれについて。
今回、私がこれを書くと決めた理由の2番目であるが、つまりはサービス開始前に実際の利用をどこまで考えていたのかである。
カタレンが一般のレンタカーと違うところは、車の手配の順番が逆であることである。
一般のレンタカーは利用者の利用開始時間までに車を準備して、あとは丸投げでもいいかもしれないが、カタレンは予約とその決定までにラグがある。
だから利用者は車の手配結果を知らされるまで、計画を立て辛いはずである。
このとき、そもそも利用開始日まで日数にかなり余裕をもった場合しか想定できていなかったとしたら、いささか考えが足りなさすぎるように感じる。
そうでないのならその旨明記するべきだろう。
サービスの開始にあたって、内容を軸に決めたのか、それとも手配までの所要時間か結果通知の3日以内を軸に決めたのか。
いずれにせよ整合性が取れていない。
そしてこれが、利用者側にとって不利益を被る可能性を潜ませているのがマズい(やや特殊ではあるが)。
カタレンが抱える路線は基本的に他の手段の方が所要時間は早い。
空港を経由しなければならない飛行機と高速バスの便による、違いくらいだろう。
そして、金銭的にも飛行機や複数人で利用すること以外はカタレンの方が高い。
手段も複数あって新幹線は予約無しで当日でも乗れる。
つまり、カタレンが使えなくてもそこまで大きいリスクは無いはずなのだが、唯一の例外がある。
それが深夜利用である。
当然だが別手段が利用できなければ移動はできない。
加えて、出先なら朝までやり過ごす必要も出てくる。
深夜利用をどのくらいの時間で考えるかは明確ではないが、例えば東京駅発新大阪駅行の最終便から始発の間までと考える。
最終便は夜行バス、始発は新幹線を考えると夜行バスの最終便はおおよそ日付をまたぐ数分前程度。
始発は在来線を経由するかで変わるが、到着時間はほぼ変わらないので6
時とする。
従って、約6時間は身動きが取れないのである(24時間利用のレンタカー、タクシー、伝手などは除く)。
会社にもよるが夜行バスは予約が必要で、混雑状況も考えると出発時間ギリギリでの手配は遅いし、新幹線は21:30前には終電がなくなるのでもっと前から考える必要があると考えるならば、実際はさらに時間は長いだろう。
詳細は省くが夜行バスの最終便と同じ時間に利用開始しても、休憩や渋滞を考慮しても高速道路を走れば、時間的な差はあまりない。
始発の新幹線でもそれは同じで、数時間ほどの差なのでシビアな旅程でなければ影響はないはず。ましてや車移動ならそんな旅程も少ないだろう。
これは他の区間にもおおむね同じように当てはまるはず。
なので代替手段に切り替えができれば問題ないのだが、現行のシステムでは十中八九それは考慮されていない。
だから身動きが取れない可能性が潜んでいる。
他人の旅程なんていちいち考慮出来ないのはそうだが、深夜に車を走らせたり深夜の内に移動するというのは、従来からの寝台列車の他に近年特に増加した夜行バスや、ETC深夜割引の存在からしても特殊すぎることはないだろう。
タイムズレンタカーでは、プレミアム会員向けに利用開始の前日の夕方以降に追加料金無しで貸出するサービスも行っている。
そして、ここでもまた「カタレンだからこそ」考慮が無いといけないのにされていない部分がある。
今回の私の利用失敗のターニングポイントがこれ。
それはキャンセルポリシーである。
利用案内には一応記載があるのだが、これが相変わらず説明・配慮不足。
加えてカタレンのやや特殊な仕組みを理解しきれていない印象。
まずそもそもとして、キャンセル料の割合と何日前からという日数しか記載がない。
そう、これが「リクエスト予約の結果待ち中も対象なのか」が分からない。
問い合わせをすれば回答を貰えはすると思うが、都度問い合わせが必要なサービスというのはいかがなものか。
普通に考えたら利用が確定する前は対象外であるはずだが、動きを縛る理由はこれだけではない。
キャンセルポリシーの存在があるゆえに、結果の確定まで代替手段の手配がし辛いのである。
これが結果通知の期日を明記していれば、利用者側も前もって構えたり利用するか判断ができるが、それがないからいざ当日になってみたらというケースが生まれる。
ちなみに、キャンセルポリシーをみても一番近い日数で4日以降となっているあたり、即日利用は一応考慮はされていたと判断していいと思う。
もっとも、予約システムとのすり合わせを行っていたかは別だが。
なお、キャンセルはフォームから入力する必要があるが、それがすぐに反映されるのかも一応考えておくべきだろう。
送信したのに車が手配される可能性もあるから。
その時は問い合わせから対応されるとは思うが。
といった具合で以上が私が持つ、利用の想定に対する疑問であった。
正直、あの利用案内を見て何も疑問に思わないのなら、一般人を巻き込んでサービスを展開すべきではないと思う。
それとも頭が良すぎて私が列挙した部分は、考えずとも利用できると思ったのか。
だとすれば、ゲームソフトで例えるなら、「デバック」が圧倒的に足りないと感じる。
終わりに
さて、長々お付き合いいただいたわけだが、閉じる前にこれを書いている間にも増えた懸念材料にも触れる。
まず路線が増えたこと。2線も。
片方は発着地の違いだけだが。
一般ユーザーからするとありがたいのだろうが、私は 「もっと先にやることがあるだろう」 とか 「路線を増やして大丈夫なのか」 と思ってしまう。
もちろんシステムの中身をいじるエンジニアと、サービス内容を決める役員とでは仕事内容は違うだろうが。
次に、先ほどの画像のようにシステムについても言及していた。
一応危機感は持っているようだが、どうにも腑に落ちない。
一見善処する姿勢にも見えるが、「システムの仕様上」予約が取れないのなら、元からこうなる可能性を知っていた上で運用していたか、路線が増えたことで当初想定していたキャパを超えたかのどちらかだと思う。
前者ならβ版とは言え見切り発車もいいところだが、β版を考慮しても予約が取れない可能性をサービス開始時点で一言添えるべきであろうし、後者なら路線を増やしている場合ではない。
いずれにしろ私個人にとっては、信用が落ちただけであるが、世間一般のためにもシステム改修に勤しんだらいいと思う。
最後。
小姑のように、重箱の隅をつつくような嫌らしさを承知だが、先日新設した休日料金についての説明がHPとプレスリリース情報とで違う。
一応予約ページ上では、プレスリリース時の情報が正しいようである。
大きな影響はないだろうが、混乱を招くだろうというのと、誤字脱字レベルではなく全く別物だから、やはり個人的信用が落ちる。
万が一これが、HPとLINEとで同一のことを説明しているのではないとしたら、書き方が悪すぎると思う。
さて、今まで見てきてことを一言で言うと、
私にはこれらが「β版」を盾にしていい範疇を超えていると思う。
私の期待が大きすぎたことももちろんあると思う。
他の大手サービスのような予約システムと同等に考えていたのが間違っていたのかもしれない。
まだあまり世に知れ渡っていない、しかも従来からあるわけでも競合がいるわけでもないサービスにワクワクしていただけに、応援したいという気持ちがあったが、それは無くなった。
出来ないならできないと言ってほしい。
こちらも提示されたサービス以上のことは求めないのだから。
日時によって、状況によって変動して断定・明記できないなら、それを書いてほしい。
それに合わせるから。
これらが私の感じたことだった。
最後に、これを読んでくれた方々には素晴らしい旅になるように願う。
個人的には、利用開始時間を過ぎてリクエスト失敗を知らされた時点で論外で、個人情報を置いておくのも嫌なくらいだが、便利なサービスであることは間違いないと思う。
ぜひとも私の書いた注意事項を確認しつつ、気持ちよく使えたなら、私もこんな暇人かよと思われるものを書いた甲斐がある。
それでは、良い旅を。