「楽器破壊パフォーマンス」について
これ何度目かな?って思いますが、今回も書きます。
とはいえ、破壊にも意味がある世界もあります。ヒンドゥーでは破壊の神・シヴァは宇宙の創造と破壊・再生を司ります。
では最初にギター壊しを行ったのは誰?と言うトリビア的な質問の回答をすると、どうやら、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公マーティが演奏した「Johnny B Goode」のChuck Berryということらしいです。写真など探しましたが、明確なものはありませんでした。
とはいえ、ギターが誕生し、演奏者がいて、その中で楽器を壊す人は幾らでもいるのではないでしょうか。
しかし、単なる破壊ではなく、『ギター・クラッシュ』というエモーショナルでエキサイティングな表現をショウとしての確立をしたのは、60年代後半。
ギター・クラッシュをステージ上の演出と位置付け、これはと思った重要なシーンとしては、Monterey International Pop Festivalのギターに火をつけた後にクラッシュしたJimi Hendrixを思い出します。この経緯としてはJimiの演奏前にステージでThe Whoがとても盛り上がり、ちょっと注目されるようにと、Jimiがスタッフにオイルを用意してもらい、火をつけたという話だったような。
当時はシリアスな時代でした。
Pete Townshendの場合は、The WhoはKeith Moonがドラムを破壊するようになって、観客がわいたとか。さらに依頼がくるようになり、Peteも対抗してギターを壊すようになったという話もあったかなと。確か、演奏料を貰っても、毎回のクラッシュ・パフォーマンスから、楽器代がかさむなどの話を昔の雑誌で読んだような気が。
結構有名な話ですが、1967年の英国映画『Blowup(欲望)』の中にロック・バンドが登場し、ギター・クラッシュをするというシーンがあります。ここに登場するのは、The Yardbirdsの当時22歳だったJeff Beck。ギターをアンプに向けて破壊します。当初、The Whoが出演予定でしたが、Peteがギター・クラッシャーのイメージがつくのを懸念して断ったからとか。
60年代〜70年代のギター破壊は派手な演出で観客の反応が大きく、翌日には「すごい!」と話題なり、毎回頼まれてやるようになるものの、観客はもっと過激を求め、そのうち楽器を壊さないバンドに不満を持たれたりと、本来あるべき演奏ではなくなることの葛藤を昔の音楽雑誌で読んだような。
ちなみに、子供の時に見た60年代後半から70年代にあった音楽フェスの映画で、The Whoのライブが一番カッコいいと思っていましたが、The Whoは日本が嫌いで、唯一の来日公演をしていないビッグバンドと言われていました。(日本で評価が低かったことも理由の1つとも言われていました)
そのため1985年のLive Aidでは、The Whoが観れると言うことで、TV前で頑張っていました。今のLive Aidは何故かQueenばかりになっていますが、リアルタイムでの主催側は目玉はLed Zeppelin再結成、日本のロックファンの間ではThe Who、またはマドンナ、Duran Duranと80年代の大人気バンドをみたいと。
現在は、Phil Collinsは否定していますが、Phil CollinsがLed Zeppelinで演奏したかったと言う理由から、当時、Plantバンドにいたこともあり、そこから再結成になったとも言われてます。
今でもThe WhoのカッコいいワイルドなLIVE映像はYoutube公式には殆どありませんし、jimiのMonterey Pop Fes.のjimiのYoutube公式チャンネルでも映像もありません。(色々とあるのでしょうか)
こうしてギター壊しはよりハードな音のバンドへと移っていきます。ハードロックやメタル・バンドの演奏でのエキサイトな演出、または「お約束」であり、時に「コント?」と思ってしまうほどなものへと変っていきます。
ハードロックのお約束なギター壊しではRitchie Blackmoreをあげる人も多いと思いますが、やはりRitchieもギター壊しのことばかりになり壊すのをやめたとか。また、実際にはそんなに壊してないという事も有名です。
Ritchieの場合、メインのギターとは別の壊し用のギターを用意して、そのギターに切れ目を入れ、壊していたという話も昔、雑誌で読んだような。
Ritchieの演出で一番の語り草は、1974年のCalifornia Jamではないでしょうか。ギターを壊して観客にその残骸を投げ入れた後、アンプを爆破します。なんでも予定の2倍の火薬を仕込み、爆風でドラマーのIan Paiceの眼鏡が割れたそうですが、それでもドラムは叩くのをやめなかったとか。
これスタントなし、というか、なんでここまでやるって感じ😊。
さらにもう1人、この男、何本壊しても大丈夫なのは貴族だからのYngwie Malmsteenです。ファンの間ではこんな感じのイジリの愛されキャラです。
Graham Bonnetのバンドにいたのでヘアーメタルの走りっぽいファッションでや髪型が際立ち、ギターも派手に投げてのキャッチするなどアクロバティックでした。
ギター壊しが有名すぎて、こんなギターにも挑戦です。😊
Sandvik Let’s Create: The Smash-Proof Guitar, tested by Yngwie Malmsteen
「Yngwie Malmsteenが絶対に壊せない「破壊不可能なギター」の破壊に挑戦した結果」という動画です。
解散しましたが、KISSが一番ギタークラッシャーのパフォーマンスの確立をしたと思います。ここも壊し用のギターがあり、壊す曲は「Rock And Roll All Nite」と決まってました。この曲でクラッシュしてエンディングというのがお約束でした。とはいえ、当初はKISSは火を吹く方が有名でした。
ギターを壊す時は一旦、ステージから離れ、新しい壊し用のギターを持って走ってきたPaul Stanleyが観客に向けてギターを高く掲げてアピールして、壊すというスタイルでした。
走ってくるっていうのがファンが「やるぞ、やるぞ」の期待度アップでした。😊
こうして、ギター壊しは「ロックンロールのショウ」としてのエンタメ化することになります。
日本では、X(X-JAPAN)が、TV番組でHideとYOSHIKIのそれぞれが楽器を破壊するという演出も見られました。1990年のフジTVの夜のヒットスタジオで番組初登場のステジオ・ライブでのことです。まだX時代ですが、思い出しましたが、「紅」の快進撃の頃でした、私はこのスタジオライブを当時観ました。😊
ギター・クラッシュは曲が終わった後に、唐突に始まります。Hideは演奏していた自前のフェルナンデスのギターをそのまま破壊しました。YOSHIKIのドラムはTAMAで赤のセットです。またTVでのライブとして、MステのスーパーライブでもTAMAの赤のセットを壊してました。Hideはギターをブン回して倒れてました。
ちなみにYOSHIKIのドラム破壊はメーカーからの依頼もあってのことだそうです。X-JapanのLast Liveでもスポットライトが当たる中、バシバシと音を鳴らしての破壊をしてました。
このようなまとめてある映像もあります。
10 Awesome Guitar Destruction Moments
Ritchie Blackmore (Deep Purple)
Jimi Hendrix
Billie Joe Armstrong (Green Day)
Kurt Cobain (Nirvana)
Graham Oliver (Saxon)
Ygnwie Malmsteen
Kirk Hammett (Metallica)
Matt Bellamy (Muse)
Paul Stanley (Kiss)
Pete Townshend (The Who)
そのほか、女性でもギター・クラッシュはしています。エキサイティングな力のいるパフォーマンスですが、スタイルは様々です。
HeartのNancy Wilsonは2011年に特注のギターを叩きます。
2021年には、Phoebe Bridgersがサタデーナイトライブで演奏後にギタークラッシュをしました。作り物のステージ・モニターにギターを叩いた時に火花が散る演出が、ご年配を中心とした、Old School Rock好きの人々から不評でした。
レジェンドのDavid Crosbyから「ギターは演奏したり、音楽を作ったりするためのもので、子供じみた舞台劇のために偽のモニターでギターを叩くためのものではありません。STUPID」てな感じと投稿されました。Phoebeは「Little Bitch」な感じで返しています。😊
Phoebe Bridgersは2018年に結成した、Boygeniusで、第66回グラミー賞でアルバム・オブ・ザ・イヤーやレコード・オブ・ザ・イヤーを含む7部門にノミネートされ、最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを含む3部門を受賞した。 2024年2月2日に無期限の活動休止を発表しています。
Courtney Loveもギターを壊したそうです。1991年のThe Smashing Pumpkinsの前座の時だそうです。
Dead SaraのEmily Armstrongのギター・クラッシュは本物です。このバンドは2012年に米国のLAで結成されました。日本では知名度は低いようで、調べても話題がほぼありません。しかし、かなり演奏はアグレッシブで、しかもギターを壊すことも特別な事ではないそうです。
ロックでなくても、カントリー歌手のMargo Priceは、2018年にギターを破壊し、5分近くドラムを叩きました。
という事で、以下の記事に女性ギタリストのギター・クラッシュの記事があります。
そろそろ時間なので、ここでページは終わりです。
海外では女性の方が案外、最近クラッシュしていますが、これも昨今の運動的なことからなのかなとこじつけますが、どうなのでしょうか。
同じようにモノを壊すとか、道具を壊すと言うと、野球もありますし、テニスもありますが。
テニスは多分、罰金もあると思いますが、ラケットを叩くシーンは相当昔からやっていたと言う記憶です。
イメージですが、私が野球を全く見ないせいもありますが、でもバットを叩きつける行為で退場や罰金、非難ゴウゴウはないかなと。反抗的な態度とかあると退場とか注意とかだと思うのですが、1人で当たってのってあまり見ないような。
つまり、なんとなく偏向っぽいと言う気がします。昨今、ロックを叩くことが増えたと言う気がしてますが、これは老害音楽に認定さえているからなのかなと。
来週は再び、いつも通りに洋楽・ロック話の続きを書こうと思います。
次回予告ですが、『Definitely Maybe』デビュー作の30周年記念のツアーにとありましたね。うーん、3回目の『シド・バレット「ひとりぼっちの狂気」』の映画鑑賞に突入は無しで、またSydの楽曲ランキング、50曲、再びメタル、英国ロック、Kula Shakerの『Natural Magick』のツアーは重要案件とかありましたが、あとは夏らしいネタ、ランキング的なものとか、アルバム1枚、楽曲1曲を毎日投稿するとか、そういう野望もありました。
うーん、どれでしょう?この先もまだまだ続けていきます。
ご清聴ありがとうございました!