【2024年 マイベストアルバム TOP5 + α】
2024年も残りあと10日となりました!
年末にふさわしく「今年の総決算」という記事を3週間にわたって発表したいと思います。
まずはTOP 5に行く前に、+αのアルバムを紹介します。このアルバムは今年リリースされましたが、新譜ではなくリイシューアルバムということで、番外とします。
+α ①
Johnny Marr + The Healers / Boomslang
2000年に元Kula ShakerのAlonza Bevan(アロンザ・ベヴァン)とZak Starkey(ザック・スターキー、Ringo Starrの息子でありThe WhoやOasisなどのドラムを担当)らとJohnny Marrが結成した、いわゆる「スーパーグループ」のJohnny Marr + The Healers(以下、The Healers)。The Healersが、2003年にリリースした唯一のスタジオアルバムが『Boomslang』です。
※元は6人で活動していましたが、アルバムリリース時には3人でした。
2024年度のリリース20周年デラックス版にはリマスターされたオリジナルの『Boomslang』全曲と、ボーナストラックとして、Bob Dylan(ボブ・ディラン)やBert Jansch(バート・ヤンシュ)のカヴァー曲と未発表だった7曲が収録されています。
私はThe Smithsからのファンでしかないのですが、今のJohnnyのキャリアにおいてThe Smithsがないのは、現実には問題ないのかもしれませんが、The SmithsがなければJohnnyの存在を知ることがなかったのも事実です。
The Healersの楽曲はサイケデリックな感覚やギターポップなどで、テレビ出演時に見られる姿はモッズコートを着ていたり、シースルーのシャツを着ていたりと、貫禄とグラマラスな一面を見せていました。
しかしバンドはアルバム1枚のみのリリースにとどまり、メンバーのZak Starkeyはその後、Oasisのライブでサポートして2004〜2009年頃まで活動し、Penguins Risingではギターを担当しています。現在でも多くのアーティスト・ミュージシャンとのコラボや共演を続けています。Alonza Bevanは2004年から再結成したKula Shakerに戻り、自身のバンドTumblewildの活動も一時的に行っています。
ZakのOasisとThe Whoのライブは何度か見ましたが、ライブでZakの音はすぐにわかりますし、70年代の音を継承しつつもスムーズに演奏する象徴的なドラマーではないでしょうか。
Alonza Bevanもバックコーラスを担当し、バンドとしてのパフォーマンスにおいて多様なベースラインが非常に優れた活動を続けています。
Johnny Marrも流動的なバンド活動をしたり、ソロでアルバムを順調にリリースし続けています。最近まではUSツアーも行いました。また有名なギターコレクションも出版され、日本の音楽関係者からは「大御所」と呼ばれています。The Smiths時代に見た、可愛らしかったJohnnyは、今ではファンと写真を撮る際に首を回して撮影するほどの存在感を持っています。
最後のエピソードが個人的で申し訳ありません(笑)
Johnnyは早くからインスタグラムを開設し、SNSでの発信力を強めていったミュージシャンの一人です。そのため、Oasis再結成時に起きた、The Smithsへの反応にも上手く対処していたのではないでしょうか。
私的にはこのアルバムが非常に好きで、今回のリリース前から聴いていましたが、あまりに聴きすぎて、YouTubeで放置していると、深夜番組の砂の嵐効果的な感じで、このアルバムから「Caught Up」か「The Last Ride」の曲が必ず流れてきて、寝落ちに気づくということがよくあります。
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+α ②
Sloan / Smeared (box set)
Sloanの音楽、特にこのアルバムは、シューゲイザーとパンクが台頭していた時代に登場し、Nirvanaが大ヒットしたことで、このバンドは第二のNirvanaと見られることが多かったと聞いています。
実際にアルバムの楽曲、特に「Underwhelmed」はセンセーショナルな曲で、彼自身はそういう人ではないのですが、彼女が恐ろしくも、そういう時代だったのではないかと。今ではライブではみんな楽しくコールしています。
アルバム全体を通して歪んだギターの音は、どこかNirvanaの『Smells Like Teen Spirit』を思い出しますし、女性ヴォーカルとの「I Am The Cancer」はMBV(My Bloody Valentine)を思い出します。
そうじゃない世界だとは思うものの、言われると「そうだな」と感じます。
メンバー4人の個性や特徴がはっきりしていて、4人ヴォーカルのスタイルやコーラスの綺麗さなど、とても面白いバンドだと思います。
特にBox Setは『Smeared』の貴重な資料や写真などが満載で、ファンには嬉しいセットです。
久しぶりに聞いて、さらにライブもネットで見れて、本当に嬉しかったです。一応、1月まではライブの予定もありますが、一時期は日本でもライブが行われていたので、また来てくれないかなーと思います。
BandCampでもライブ音源(2003年の日本公演)がありますので、気になる方は是非チェックしてみてください。(私がそう思っているのですが)
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+α ③
Avril Lavigne / Greatest Hits
今回、唯一のベストアルバムを選出しました。初のベストアルバムだけあって、本気のベスト曲ばかり。知らない曲がないですね!というベストアルバムで、これを聞いて「知ったつもり」になってもいいですし、全部のアルバムを聞き直してもいいです。どちらかというと、気に入った曲のアルバムを順番に買って聞いた方がいいかもしれません。
Avrilのデビュー時は衝撃的でした。ポップスっぽいと思われがちですが、当時はMTVとの連動もあり、ミュージックビデオも非常に良くできていて、小柄で可愛いAvrilが、結構、拳をあげて「おう!元気やな」という印象を与えていました。実際には予想以上に小悪魔的な一面を持っており、その可愛さは強みとなっています。
特に今年のGlastonbury Festivalでは、このベストアルバムを引っ提げてAvrilが登場し、規制が出るほどの盛り上がりを見せました。2024年の事実上のベストアクトとも呼ばれる圧巻のステージを披露しました。
もちろん、運営は大変だったでしょうが、今年は特に力を入れていて、Coldplayの映像は放送では素晴らしかったですが、実際のライブではAvrilが圧倒的でした。
長らくライブを控えていたことや病気など、いろいろあったようですが、やはりヒット曲が多いのは強みでしょうか。多くの英国の有名な方々も大挙して観覧していたようです。
+α ④
Queen / Queen I [Collector's Edition]
これもちょっと驚くことがあったリマスターアルバムですが、全63曲を収録した6CD+1LPのコレクターズ・エディションも含まれています。マニアの方はご存知かと思いますが、曲の順番が衝撃でしたね。
63曲もあるだけでなく、108ページのブックレットも付いています。そして「Mad the Swine」という曲は、「何この曲?どうしてここにあるの?」と初めて聴く順番なので、そう思うんですよね。
Queen側は長年もどかしい思いを抱えていたようで、2024年になって初めて、その場所に「Mad the Swine」が収録され、長い間のわだかまりが消えたということでしょうか?私にはこの辺りはよく分かりませんが。
2011年のリマスターの時もオリジナルとやや違う印象でしたが、今回はかなり変化があり、「再構築」ということなのでしょうが、あの時代ならではのアルバムが、どのような理由で変化するのか。全てにおいて、変化の必要性や正当化は理解できますが、結果が正解なのかという疑問も感じます。
例えば「Liar」などは、明らかに私の知っている「Liar」ではありません。聞き慣れてきたファンにとって、51年後に「新たに」なった作品をあの時の思いで聴くことは、この状況では難しいです。再構築によって懐かしくない・耳馴れていないアルバムが、「Queen I」なので、「ああ、違うんだなー」と再認識します。
今のQueenは映画「ボヘミアンラプソディ」で変わった気がします。映画「ボヘミアンラプソディ」は面白かったですが、ふと、赤塚不二夫さんの「おそ松さん」現象と同じではないかと、いま、書いていて思いました。
昭和の「おそ松くん」が、現代の文化の融合によって、夜中のアニメとなり、有名アイドルとシンクロした、原作と離れた、一種のサブカル女子が好きそうな独自性がウケたのと同じではないかと思うのです。
映画から、再構築アルバムへと流れていったのではないかと考えます。
それが悪いとは言っていませんが、次回の『Queen II』の再構築は正直、勘弁してほしいですし、『Sheer Heart Attack』も、どうせ「Brighton Rock」などの過去を変えるんだろうなーという気がします。
+α ⑤
Oasis / Definitely Maybe 30th anniversary reissue
こちらは今回の再結成の引き金となったかもしれないアルバムですが、私はよく聴きました。
今の人たちは知らないかもしれませんが、このアルバムは非常に売れて評価も高かったです。一方では「ビートルズみたい」「歌い方が最悪」「同じ曲でつまらない」「金太郎飴」「ビートルズでいいじゃん」という意見もありました。
つまり、Oasisは当時、大人からはそっぽを向かれ、若者に支持されたバンドでした。「ギャラガー兄弟」のキャラクターを中心に音楽雑誌で推し展開が行われていました。
雑誌では連載もあったくらいで、音楽性よりもキャラクターを売りにしていたのではないでしょうか。当時のことを語る人が少ないので驚きましたが、これは英国の話ではなく、日本での話です。『WonderWall』は傑作だと言われていますが、1stから聴いていた大人の多くはここで離れてしまいました。
特に日本ではBlurの人気は思った以上になく、Oasisの方が人気がありました。Blurの人気が日本でなかった理由としては、音楽がやや難しいのと、ギャラガー兄弟の破天荒さに比べてBlurが同性や子どもに人気がなかったことが挙げられるでしょう。
90年代の音楽雑誌で安かったのがロッキンオンで、ギャラガー推しのロキノンの影響力が強かったのも一因ではないでしょうか。
平成という時代になり、ポストパンクやテクノから脱却し、こうしたPOPな音楽に移行していきます。これらの時代背景を『Definitely Maybe』に当てはめて考えながら聴くと、別にどうってことないのですが、かっこいいことを書いてまとめてみたかっただけです。
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さて、ここから2024年度の私的ベストアルバムです!まだレビューしていないアルバムもあり、ネタバレしたくないものもあるので、サクサクと発表します!
第5位は!
The Smashing Pumpkins / Aghori Mhori Mei
久しぶりにヘヴィーなサウンドのスマパンが戻ってきました。
多くのファンは、歪んだギターサウンドのスマパンが好きなんです。いつでも可愛いゴスなスマパンも好きですが、歪みまくったギターもスマパンらしさです。
1曲目から怪しい旋律のヘヴィーなイントロで始まり、爆音で思わず「キターー!」と言いたくなります。このタイプですよね、スマパンといえば。
ドラムも特徴があり、バンバンしゃりしゃり的な雷ゴロゴロな音や、バシャバシャと畳み掛ける鬼シンバルの音などは嬉しい限りです。
今回はややボーカルがオフな印象ですが、後半にはアコースティックな曲や、朗々と歌う独演会もあります。アルバムレビューをしようと思っていたので、ここで少し書いてしまいましたが、できれば、来日してほしいと願っています。
あの一件以来、なんとなく色々考えてしまいますが、もしや基本的にお客の入りが少ない印象に見えるのではないかなと。地蔵がいたとしても蹴散らす客が少なく、海外と比較されると、ワイルドな本気のファンが陣取らないので、どうでもいいファンが居座るのではないかと思うのです。
私はスマパンの来日公演に2度参加し、最後のサマソニの時も行きましたが、客層が若い女性が多く、キャーキャー言うわけではないですが、楽しそうに踊っている姿も見られました。
問題を頑張って挙げるとなると、例えば、シンガロングしにくい、コールがしにくいなどを考えますが、これは圧倒されてしまう曲が多いのかもしれません。聞き入ってしまうとか、「わぁ、すごい!」と見惚れてしまって動けなくなるなど、と書きましたが、いやいやこれは、今書くよりも、今後の記事で解明していきたいと思います。
最後のまとめとして、この『Aghori Mhori Mei』は、『Mellon Collie and the Infinite Sadness』時代を思い出させるヘヴィーなサウンドのアルバムではないかと思います。
第4位は!
Linkin Park / From Zero
このアルバムですが、よくできているなぁと思うことがOPの曲から始まっています。特にイントロが長くて、Mike Shinodaが最初に歌うのですが、長い尺からのEmily Armstrongというリレー。
ヴォーカルに、日本では馴染みがなかったDead Saraの女性ヴォーカル、Emily Armstrongを起用したのは驚きです。「誰?」という声もありました。
Linkin Parkはこのアルバムのリリースに合わせてライブを行いましたが、注目度が高かったこのライブも予想以上にバンドにEmilyが合致し、彼女は堂々と歌い上げました。Emilyの起用はChester Benningtonのイメージを壊すことなく、新たな表現者として受け入れられたように感じます。
メタルに女性ボーカルが珍しい存在だった時期もありましたが、増えてきて、逆に女性のメタル人気は演奏者も観覧・視聴側も増えているように思います。メタルのジャンルも広がっており、特にNu Metal、Alternative Metalなどは人気です。
このアルバムは素晴らしいですね。デスボイスばかりではなく、とてもいい雰囲気の曲もあり聴かせてくれますが、超かっこいいラウドな曲や縦ノリガンガンな曲もあって、これは来日公演が楽しみです。
柵につかまってヘドバンするか、走る運動会のようになるのかな?どうしましょうか。とりあえず、予習としてライブ映像とアルバムをバリバリ聞いていきましょう!
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第3位は!
Liam Gallagher John Squire / Liam Gallagher John Squire
シングルは1月5日にリリースされました。その後、アルバムがリリースされたのですが。
アルバムを久しぶりに聴いて、John Squireが全開だと感じました。
やはり本当のJohn Squireは不必要にギターを弾いてくれないと。いつまでギターガンガン弾くの?という感じぐらいがちょうどいいです。
だから、このアルバムは実はまやかしだと思うことにして、でも、やっぱりJohn Squireだな〜と感じました(てへ)。リアムとペアルックで、ある意味急に中高年アイドルになっちゃったのかい?という、サブカル女子向けのコラボ誕生?というノリなのかと思っていたら、同じようなアングルの写真をノエルとリアムが使っていることに気づきました。(あれ?)
ただ、2人ともソロ作品は良いものが多く、このアルバムもサイケデリックな楽曲を中心にポップで、ちょっと懐かしい感じで聴きやすいとてもいい作品ですので、お勧めします。
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第1位は!間違えました、第2位は!
The Cure / Songs Of A Live World
久しぶりのスタジオアルバムということもありますが、同時に大プロモーション展開を行ったことも大きな話題となりました。
特にライブは3時間にも及び、全世界に配信されて多くの人々が視聴しました。
未だかつてない、圧倒的な配信でした。
本来は今年のアルバム1位はThe Cureだったと思います。多分。
それにしても、日本でほぼ最初に紹介された頃には数人しか集まらなかった、渋谷で行われたThe CureのフィルムコンサートやMV上映会。それがこんなにも多くのファンに視聴されるバンドになるとは、誰が思っていたでしょうか。
過去の映像を見て、学生時代に演奏していた頃の映像を見ると、その場所にいた人たちも、こんな大バンドになるとは思っていなかったことでしょう。
いずれにしても、本当に良かったなぁと感慨深いものがあります。
ぜひ、またフジロックに来て、3時間でも4時間でも、好きなだけ演奏してください!待ってます!
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そして堂々の第1位は!
Kula Shaker / Natural Magik
っていうか、あなた、最近こればっかりじゃないですか!って?
そうですね。久しぶりの流れに乗り「推し活」として、Kula Shakerを推しまくりです!再結成からずっと推していましたが、何か問題でも?
可愛いピンクのジャケットに、一家に1枚あってもいいデザインですし、曲も、前作は大貫憲章さんが「Kula Shaker最高傑作!」と絶賛した超壮大な大作路線でした。
ところが、オリジナルメンバーの魔術師Jay Darlingtonが2022年12月に突如として復帰します。この辺が魔術なのかなー?と思います。このバンドは結構、不思議なところがあるんですよね(勝手に話を作らないで!!)。
そういうミステリアスな感じの楽曲が「Natural Magik」なのですが、MVではサングラスがぐるぐるしていて、インドの女性もぐるぐるしているという、一段と天然度が上がった仕上がりとなっていました。
このバンドは演奏力が高く、キーボードは結構痺れますし、The Healersのところでも書きましたが、ベースもなかなか良いですし、ドラムもギターも最高です。
その上、歌も素晴らしく、バランスが良いアルバムです。特に今回のアルバムはポップで、バラードもあり、強いメッセージの曲もあって、非常に聞きごたえがあります。最近のKula Shakerは強いメッセージを発信しているのが特徴になりつつあります。
幅広い世代に聞いてもらいたい1枚です。
クーラシェイカーは皆さんの事を愛してます!という、
指輪物語的な騎士道4人組
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以上が今年、2024年の私的ベストアルバム TOP 5 + αでした。
あとは、気になるのは、Inhaler(2025年6月来日)、Fontaines D.C.(2025年2月来日)、Wunderhorsあたりとかでしょうか、Inhalerは注目ですよね?
今年最後は「2024年"私的"10大 洋楽・ロック ニュース」を、来年最初の記事は毎年恒例の「【note】 2024年の記録を発表します!」を予定しています。
この先もまだまだ続きます。
最後に、メンバーシップも始めています。
ご清聴ありがとうございました!