Oasisの『Definitely Maybe』30周年記念なので考えてみる
Oasisの『Definitely Maybe』が、今から30年前の1994年にリリースされました。
ということで、今回は「史上最高のデビューアルバム」としてよくお題に登場するOasisのデビューアルバムの『Definitely Maybe』を考えます。
1994年は平成6年、時事通信社による1994年の10大ニュースは以下です。
ざっと見ると、・村山政権発足、・ドル円の為替は99円に、・中華飛行機事故で262名死亡とあります。海外では・南アフリカではマンデラ大統領誕生、・ルワンダ/ボスニア内戦、コナンの連載スタート、ウイダーinゼリー登場などと羅列しましたが、イメージ的に思いつかないので、ユニバーサルミュージック系列の海外の音楽サイト『uDiscoverMusic』の1994年に1994年に発売されたアルバム・ベスト69:30年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】の記事を見ます。
ランキングから、1994年はMTVunpluggedのNirvana(出演は1993年)とか、SoundGardenの『Superunknown』、Green Dayの『Dookie』という、Grunge〜Alternative〜Punk Popの米国バンド全盛。
このタイミングで英国からのBritpopの波がやってきた年という感じとします。ちな、HR/HMもThrash、Speed Metalなどから、Black Metalなど、loud系、Nu Metalと変化か見られる時期になります。
タイミングとして「ブリティッシュ」のバンドがやや劣勢時に、Oasisは正統派な英国ミュージック(特にThe Beatlesだと思うのですが)として多くの音楽ファンから存在が新鮮に見えた気がします。BlurやOasisというバンドは、同世代から若い世代中心に正統派英国ミュージックを展開して行くようになった(=Britpop)のではと分析してみます。
さて、ここで、Oasisの『Definitely Maybe』の1曲目を聴いてみます。
フレッシュで荒削りですが、曲全体が勢いがあります。Noelの弾くギターのイントロは最初はゆったりから、ギターを荒げ、全開エンジンの爆音となります。今、こうして聴くと「期待大」のイントロです。
Liamの誰でも忘れようがない特徴のある歌唱法、とはいえ、ひつこさもなく、案外、あっさり。どちらかというと控え目の印象。ギターの歪んだ音が覆っているところに、サビでNoelのコーラスが入ります。
この曲のギターは良いですね。この曲は、1曲だけで物語があります。
小さな町でアクセク働きながら、地元の友人らと、ごくごく普通の生活をして時間が流れていく。ふと、思い立つわけです。アホだなって思いつつ、こんなことはしないでみんなは今まで通り、ちゃんとした生活を送って、という感じです。
イキった陳腐さでもなく、ギターの表現と曲の展開がとても素直で、ガッカリしないまとめられ方です。平凡な若者はロックスターへというドラマを1曲で表現しています。
サビのコーラスが「Tonight I'm a rock 'n' roll star(今晩、俺はロックスターだ)」この歌詞も普通なら気恥ずかしい感じに思いますが、サクサクとLiamがクールに歌うわけです。
曲が進むにつれ、ギターソロ以降、コーラス、そしてエンディングで、ギターの音がどんどん目まぐるしく変わる。
次の曲の「Shakermaker」のようなブルーズを挟むわけですが、このダルさが最初の勢いからトーンダウンになるというか、何がなんでもガムシャラにストレートにガンガン行くわけでもなく、ダルダルな感じから、「Live Forever」になるという。
ここがキモだなって思います。この3曲で引き込まれますね。
「Live Forever」はギターソロは王道中の王道って感じですが、歌詞がいいです。「e」と「y」で、また「e」と、韻ふみ大会のとことがグイグイきて、「生きる」という力強い言葉にグッときます。
Maybe I will never be
All the things that I wanna be
Now is not the time to cry
Now's the time to find out why
I think you're the same as me
We see things they'll never see
You and I are gonna live forever
4曲目まで聴いて思うには、Liamを前面に押すだけでなく、Liamの強い個性や、いかにも「今時の若者」、「何も考えないで走り出す」ようなLiamが謙虚でかつクールに感じるのが、Noelの活躍という感じがします。
音楽業界で裏方で仕事をしてきたこともあってか、新人とは思えない演奏力、曲づくり、アレンジ、アルバム全体の構成など、Liamばかり見ていると聴き逃してしまうという気もしますが、『Definitely Maybe』はとても「上手くできてる」というバランスの良さを感じます。
Oasisは他にもメンバーいるのですが、イメージとしては、当時から「一応、いるなー」という認識しかないのも、特徴かなと。
Gallagher兄弟そのものが、Britpopのブームの中でゴシップなどを含め、話題が事欠くこともなく、ある時は「ご意見番」であったり、毒舌など、キャラが強いにも関わらず、英国ロックの中心人物という。
1994年以降、特に2000年あたりからは、ライブではZak StarkeyやJay Darlington(Kula Shaker)といった、すご腕のミュージシャンがステージ上で演奏しているわけですが、またライブの時の演奏が上手い。
90年代のバンドはどのバンドも演奏が最初から上手いのが特徴で、「ロックは魂の叫びー」とかそういう、よくわかないですが、少なくとも、精神論じゃないって感じがします。
とはいえ、1994年の中で、『Definitely Maybe』が飛び抜けてすごいかというと、どっちかというとやや「垢抜けない」感の部類ではないかと。都会的でスタイリッシュなBlurは、メンバー構成では、この頃、26・25歳と30歳と大ブレーク中で場慣れもしていて、大スターです。Noelはこの時27歳、Liamは22歳。Blurのメンバーから見れば、Liamは「ガキんちょ」という感じでしょうし、Noelは「何この地味目な兄ちゃん」っていう。
とはいえ、Blurもデビュー当時はインディバンドで、とてもじゃないけど、ニコニコ笑って、アイドルというにはスレた感じもあるわけですが。
では本題の「Liam Gallagher;Definitely Maybe 30th Anniversary Tour」のセットリストを見てみます。7月14日のアイルランドはLimerickのThomond Parkからですが、潔いほどの全曲Oasisです。
アンコールもそのままの、ヒネリなしで、大大Oasis大会です。きっと会場のOasisファンの人達は喜んだでしょう。
ではNoelのライブのセットリストを見てみましょう。こちらは、8月4日のPikehallのPeak District National Parkで、マンチェスターからは南に位置します。
以前から後半はOasisのカバーというのはありましたし、アンコールに「Don't Look Back in Anger」を持ってきていますが、 Joy Divisionの 「Love Will Tear Us Apart」に目が行きますね。あと、Manchester Cityに捧げた曲など、Noel感がビシバシ出ています。
未だ、Oasisの再結成を望む声が多いのは事実で、最近のニュースでも観客からの質問に対してNoelは「2025、26年もない」と公言していますし、今年などはDave Grohlに「黙っていてほしい」とお断りを入れています。
また膝の手術もあることや、アコースティックアルバムの制作なども考えていることも公言していますし、Noel Gallagher’s High Flying Birdsのワールドツアーも1年行っていたことから流石にブレークタイム確保の計画をNoelはあげています。
とはいえ、実のところ私の好きなOasisは、LiamもNoelもあまり好きではない『Standing on the Shoulder of Giants』(Noelが好きじゃないアルバム)、『Heathen Chemistry』(Liamが好きじゃないアルバム)、あとラストアルバムも好きでした。
『Standing on the Shoulder of Giants』は「Go Let It Out」「Little James」「Gas Panic」「Roll it Over」、この「Roll it Over」がちょっと人気なくて寂しいです。
『Heathen Chemistry』は「The Hindu Times」「Stop Crying Your Heart Out」あと、「Little by Little」ですが、「Little by Little」はLiamの歌ver.も聴きたかったですね。
まあサイケデリックロックが好きなんですけどね。この2つはよく聴きました。
『Dig Out Your Soul』の「The Shock of the Lightning」なんて"Come in, Come out tonight"なんて歌詞はいいじゃないですか!遅れて入るドラムなんて最高ですし、今、聴き直しても、また聴きたいなって思います。
とはいえ、やっぱり「Champagne Supernova」はいいですね。「Columbia」もいいです、Madchester感があります。
Oasis - Columbia (Official Lyric Video)
ということで、脱線しまくりでしたが、この90時代もとてもいい音楽、いいロックが沢山あって、埋もれました。本当に、話尽きないです。
最後にあの伝説の「オアシス展」が戻ってきます!!
Oasis Exhibition in Japan
これ、行きました!!2014年の時でしたが、ジャケット撮影ができるコーナーは盛況でした。
今回はデビュー30周年記念のOasis展です。
デビュー30周年を記念した展覧会 『リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展』 が11月1日 (金) より六本木ミュージアムにて開催だそうです。
前回は4日間でしたが、慌てて行きました!
日本での最終ライブの曲が以下です。
物足りない短い時間という感じの上に、ややLiamの声に難があったと言われるだけに。
こうやって幾つものアルバムを聴き直すと、ファン投票の「夢ライブ」なんてものを、生きている間に、もう1度と言わず、ライブをやってと思ったりもします。
また、偶然にも、本日は、Oasisが1996年にKnebworthコンサートの8月10日、11日の2日間に当たります。
『オアシス:ネブワース1996』劇場公開予告ロングバージョン
ちなみに大昔、私が作成したOasisの表紙です。写真は1994〜5年ぐらいだと思います。
最後はこの曲でベタで終わります!
Oasisの長々と演奏する曲ってとてもカッコ良いと思います。
次回は多分、「勝手にごめんなさい!Aerosmith、フェアウェルコンサート<仮想>ライブセットリスト」を発表します!!だと思います。思いたいです。
またSydの楽曲ランキング、50曲、再びメタル、英国ロックあたり?
Kula Shakerの『Natural Magick』のツアーは重要案件と騒いでいましたが、気づくとNatural Magickツアーはガンガン進んでいます。となると、ツアーの様子を書いて、かつ、日本に戻って来て来て!キャンペーンを引き続き協力プッシュとして、記事を書くって案もあります。
もしくは五輪、開会式&閉会式の件とか。
スマパンも書こうかなーーって感じもします。
あとは夏らしいネタ、ランキング的なものとか、アルバム1枚、楽曲1曲を毎日投稿するとか、そういう野望もありました。あと、スマパンが増えたので、どれかになると思います。
それにしてもAerosmithはショックだし、Oasisも、正直、Noelも健康状況もあるし、まあ、なるようにしかならないけれど。あとRoxy Musicも実はもうライブ終了になっていて、これもショックだったんですよー。
フェリーさんの案件もありますが、とにかく沢山あるっていえば、ありますね。
この先もまだまだ続きます
最後にメンバーシップも始めています
ご清聴ありがとうございました!
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