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人の言葉を伝って神様に呼ばれる 神様の話③
和歌山での生活も残り一ヶ月となった頃
お世話になった、仲良くしてくれた
たくさんの友人や仲間との別れを惜しむ日々
お寺ヨガをさせていただいていた
お寺の住職さんと座禅会で知り合った方にも
和歌山を去ることをお伝えした
こちらのお寺との出会いもまた不思議で
ご住職は厳しい修行で有名な永平寺で
7年も修行をされた大変立派なご住職であった
広島の越すことを伝えると
「和歌山には呼ばれたのですね」と
言葉をいただいた
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座禅会でお世話になり
座禅のあとには、
たくさんいろんなお話を聞かせてくださった
その方は、
「人生の節目なのでしたら是非、
この神社かあの神社に行くと良いですよ」
と2つの神社を教えてくれた
いずれも離れてはいるが、和歌山と奈良の県境
紀伊山地の山深い場所にある神社だ
行けるのはスケジュール的に一社だけ
それも引っ越す直前の一週間前
ネットで下調べをしたところ
行くべき神社はこちらだとすぐにわかった
奈良県は天川町 天河大弁財天
祀られている神様は市杵島比売さん
知る人ぞ知る神社だった
また市杵島比売さんだ
またというより
とうとうここに呼ばれたという感じがしたのは
現地に着いてからだった
簡単には人を入れないような山奥
名前のない自然の滝が流れる
落石が珍しくない狭い道路
息をのむほど美しい川
しっとりと湿った瑞々しい空気
その時はただ楽しんでいただけだったが
今思えば山深い自然の中で
要らないものを洗い流され
新しい出発に背中を押されたようなひとときだった
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