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【note版】ロンドンの自転車事情
※こちらは他媒体に掲載中の記事から転載(自著)した、過去のものです。noteには私の個人的な記録として一部割愛、再編集したものをお届けします。フルバージョンの原文はこちらをご参照ください(2020年6月13日執筆分)。
イギリス政府のロックダウン(都市封鎖)規制緩和により、今月(2020年6月)から公共交通機関の利用も条件つきで緩和され始めました。ロンドン交通局は6月15日より、電車やバスといった交通機関を利用するさいは、顔をおおうマスクなどの着用を義務化しました。
それでも、基本的には公共交通機関の利用をさけることが依然として望ましいようで、ひき続いての在宅勤務のほかに徒歩と自転車での移動を奨励していました。それにともない、十分な社会的距離を保てるよう、交通局は現在ロンドン行政区に歩道や自転車専用道路の拡充などをかけ合っているそうです。今後、より充実した環境が見込めそうなロンドンの自転車事情について、交通ルールとともにご紹介します。
歩道走行は原則禁止
日本でも本来自転車は車道を走るべきですが、実際のところは自転車専用道路が充実していないのもあり、歩道を走る自転車もよく見かけます。イギリスでは自転車専用道路がとぼしいのは日本と同じなわりに、規則としては日本よりも厳しめで自転車はおもに車道を走ります。
エリアによっては、とてもきれいに整備された自転車専用ラインが引かれているところもあります。けれどない場合や、あってもほんの申し訳ていどでほぼ意味をなさないものも多く、しかもバスレーンと同じだったりします。後ろから迫りくるバスやトラックの音はかなりの恐怖です。車あつかいなので交通ルールも自動車と同じで、信号待ちのときはめだつよう、車より前の専用ラインで待ちます。
このように、自転車ユーザーはバイク並みに車と肩を並べて走行しなければならず、渋滞中のロンドン繁華街でバスの2階から地上の「ライダー」たちを眺めているとヒヤヒヤします。ところが、こちらの人たちはみたところ臆することなく、あくまでも「同じ車道を走る乗り物として当然の権利」とばかりに、せまい車道で後ろから車にピッタリはりつかれても、焦る様子なくマイペースを保ちます。右折信号待ちなどのときも、堂々と車に混じって内側の車線で待機します。
間違っていないけれど、車のドライバーからすると正直じゃまだろうなぁ、と思っていたら、とあるイギリス人のYouTube番組で紹介されていましたが、やはりイギリスでは車のドライバーも、そして自転車ユーザーも「お互いに嫌いあっている(とあるユーチューバー談)」そうです。なので、今回ロンドン交通局が歩行者、自転車ユーザーのためにあれこれ思考をめぐらせてくれているのは喜ばしいことです。
信号のない交差点「ラウンドアバウト」
イギリスといえば、慣れない日本人ドライバーをしばしば悩ませる「ラウンドアバウト」と呼ばれる交差点があります。車と同様、自転車にもおおいに関係のあるだいじなポイントです。ほかでも使う頻度は高いですが、とくにこの交差点を渡るさいは手信号が役立ちます。ウインカーがわりに使ったり、向かいたい方角を手で指し示したりします。親指を立てたり、手と腕全体を大きく動かしたりと、なるべくめだったほうが安全でよいでしょう。
絶対停止の横断歩道、ゼブラ・クロッシング
白黒の棒の先に、丸い電灯のようなものがついたポールではさまれた横断歩道を、ゼブラ・クロッシング(Zebra Crossing)といいます。渡ろうとしている歩行者がいたら、自転車でも必ず停車しなければなりません。なお、自転車からおりて押しながら歩けば自転車ユーザーでも使えるので、交通量のはげしい大通り
などでは便利です。
盗難注意・駐輪の仕方
ロンドンには各駅周辺に20,000ヵ所の駐輪場、 7,200ヵ所の鉄製駐輪パイプ(チェーンキーをくくりつけるための専用のバー)、150,000ヵ所以上の駐輪用スペースがあります。
そのため、自転車を停める場所をさがすのはさほど難しくなさそうですが、それでも近くにみあたらない場合は街灯にチェーンを巻きつけるなど、比較的自由に駐輪しています。カギは切断されて盗難にあわないよう、金属製のものが安心です。
以前よりSantanderなどのレンタル自転車が普及しているロンドン。今後はコロナウイルス対策と称して、歩行者、自転車ユーザーにとってより快適な環境になっていきそうです。イギリス、ロンドン観光業が完全復活したころには、これまで以上に観光がしやすくなっていることでしょう。
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